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2009年 10月 23日

それぞれができること 2

 ゆっくりゆっくり動いている台風20号はますますスピードを緩めて、北ルソンに接近中です。バギオでも前回の台風ペペンで洪水や土砂崩れなどの被害が出た地域の住民は、新たな台風に備えて、早くから避難所生活をしています。竹で避難用のボートを手作りしている人の姿もありました。ここは標高1500mの山の中なのにです!

しかし、ほとんどまったく動いていないようなスピード。幸いなことに少し北にルートが移ったようで、北ルソン直撃は避けられるかも。
ここバギオでは、雨が昨夜から降り始めましたが、前回に比べれば強くなく、風もそれほどでもありません。台風の影響はもっと北のほうで強いはずで、前回の台風で収穫直前の田んぼがたいへんな被害を受けた穀倉地帯、イサベラ、カガヤン、カリンガのタブックなどは、ますます米の被害が広がっているのではないでしょうか。ニュースでは、台風前に、この間の台風をなんとか乗り切った田んぼでは、早めに収穫する農民の姿が映し出されていました。ハルセマ・ロードもきっと通行止めのはず。野菜栽培農家の人たちも、空模様を祈るような気持ちでうかがっていることでしょう。
 とにかく、だれもが、台風17号ペペンのような被害が二度と起こらないよう、できるだけのことをしたうえで、神様に祈っています。

 このブログで、義捐金募集のお知らせをしてから、たくさんの方から被災者のための寄付の申し出を受けました。もと、青年海外協力隊で北ルソンでボランティアをしていた方、南国暮らしの会でバギオを訪れたことのある方、研究で北ルソンをフィールドとしていた大学の先生、バギオの語学学校の元生徒さん、在マニラの宗教グループ、CGN日本人スタッフの友人の方々からも義捐金をいただいております。

 とくに、2007年7月に新潟で起きた中越沖地震の震災後、被災者の心のケアと世界の子供たちの未来のために活動をしている「未来予想図実行委員会」の下條茂先生とメンバーや関係者の方などから、「同じ被災経験者としてできることをしたい」というあたたかい励ましの言葉と一緒に義捐金をいただいております。ありがとうございます。
 
 CGNは未来予想図実行委員会が主催している「世界未来予想図プロジェクト」のパートナーとして、昨年から山岳民族の子供たちに未来予想図を描いてもらってきました。未来予想図実行委員会は、山岳民族の子供たちの絵を含めた「世界未来予想図展」を全国各地で巡回中です。会場で集まった寄付などをCGN経由で、ベンゲット州ブギアスとバギオ市で障害者のためのリハビリテーション・プログラムを行っているNGO「HCRCI」にお渡ししています(そのHCRCIの事業地・ブギアスでも大きな土砂崩れで30人近くが亡くなっています。友人のキリスト教の宣教師りけるけさんが、先週末にブギアス・アバタンの土砂崩れ現場に行っています。りけるけさんのブログに状況が詳しいです)。

 その昨年のコーディリエラ地方における「世界未来予想図」プロジェクトを担当してくれたのが、CGNにインターンとして8ヶ月滞在してくれていた静岡県立大学の松野下琴美さんです。今年2月に帰国後、各地で世界未来予想図展&ワークショップを企画してくれています。

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          ↑藤枝市でのワークショップ

 彼女は今回も北ルソンでの台風被害の一方を受けて、すばやく行動開始。静岡市国際交流フェスティバル、静岡パルコ前のイベント「静岡から世界へ」、そして毎日、大学のフィリピン語、ゼミ、企画・イベントサークルの後輩学生たちと昼休みに食堂で募金活動をしてくれたそうで、集まった寄付金を送ってくれました。どうもありがとう!!

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        ↑松野下琴美さんと静岡県立大学の生徒さんたちの募金活動


 松野下さんの世界未来予想図プロジェクトと台風被災者に対する募金活動などなどについては、彼女の「世界未来予想図プロジェクト」ブログをのぞいてくださいね。

 通過中のこの台風が、何の被害も残さずにおとなしく通り過ぎてくれることを祈るばかりです。これ以上の悲しい話は、この緑豊かな山岳地方には似合いません。皆さんもぜひ一緒に祈ってください。

 CGNでは台風ペペンの被災者のための義捐金を募集中です。詳しくはこちらのページをご覧ください。

 また、北ルソンを舞台とした日比合作映画「アボン小さな家」の今泉光司監督の呼びかけで、CGNも医療費の支援しているパスドン村のケガ人救援のためのブログが立ち上がりました。
台風17号の北ルソン山岳地帯における被害に対する義援金のお願い

また、今年1月のエコサミットに参加してくれた写真家の直井保彦君と名古屋の環境NGO「環音(わをん)」も現在各地で開催中の写真展「雲の上の大地」の会場で義捐金を募集してくれています。写真展「雲の上の大地」のスケジュールはこちら。いま、台風で大被害を受けているコーディリエラ山岳地方の人々の精霊とともに生きる暮らしを捉えた力強い写真たちです。

by cordillera-green | 2009-10-23 18:43 | 緊急支援


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