ヒューマンシールド神戸 吉村誠治さん

 1995年の神戸での大地震でのボランティア救済活動がきっかけで災害救援NGO「ヒューマンシールド神戸」を立ち上げたという吉村誠司さんが、バギオとコーディリエラ地方の台風17号(ぺペン)の被災地の視察にいらっしゃいました。
 3日間の滞在中、土砂崩れにより犠牲者の出たトゥブライ郡のアンバサダー村サント・ニーニョ集落とコロス集落、アトック郡パスドン村、ラ・トリニダード町プギスのリトル・キブガン、イトゴン郡ロアカン村など、ベンゲット州の数々の被災地を精力的に訪れてくださいました。

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      ↑トゥブライのハルセマ道はクリスマス近くなってもまだこんなです。

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      ↑コロス集落での住民組織とのミーティングでは、
      「復旧には手を取り合うことが不可欠」と、お話しくださいました。

 また、CGNのベンゲット州国立大学の奨学生とのミーティングに参加して、被災地であるキブガンやカバヤン出身の奨学生たちに、ご自分の被災地救援についての体験などを話され、「若いのだからこそ行動に移さなくてはならない」と勇気づけてくれました。
 この日の奨学生ミーティングには、6月に国際交流基金のコーディネイトによるJANESYSというプログラムで約1週間日本に滞在し、日本伝統文化や最先端技術、環境保全の現場などを体験してきたJPアリピオ君による日本で撮った写真のスライドショーもあり、たいへん盛りだくさんな場となりました。JPも台風後まもなく、トレッカー仲間を募って、交通の遮断されたコミュニティへの救援物資の徒歩による輸送を行っており、話は今後も起こるであろうこういった台風災害に対してどうしていったらいいだろうか、ということになりました。
 
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       ↑コロス集落の土砂崩れ現場を視察する吉村さん

 バギオ滞在最終日には、CGNが今期の授業料の支援をしている、土砂崩れから救出されたものの、足を切断するという大怪我を負ったアーリナ・トリニダードErlina Trinidadさん(16歳)を見舞いました。吉村さんは、高校卒業後、大学に進学したいという彼女の学費などのサポートをこころよく約束してくださいました。

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     ↑アーリナとCGNスタッフ

 それにしても、吉村さんの思い切りのいい、人生というボートの舵の切り方には感心しました。1991年の25歳のときには、最年少で国分寺市の市議会議員にトップ当選。95年の阪神淡路大震災で神戸に入り、そのまま12年間、被災者の救済&復興活動にかかわってきたそうです。その間も神戸での体験と培った人脈を生かし、中越地震、スマトラ沖地震、ジャワ島地震、中越沖地震、中国四川省大地震など、一人でも多くの人命を救いたいという思いから、現場にいち早く駆けつけて救済活動を行っています。
 災害時の救援活動というのは、警察や軍の仕事とばかり思い込んでいた私には、驚きの話の数々。民間のNGOならではのフットワークの軽さと行動力、そしてなにより「思いと熱意」が、世界各地でどれだけの人命を救ってきたかということをはじめて知りました。もちろん的確に迅速に人命を救うには、それなりの技術や道具も必要で、その装備や技術取得のための日ごろの努力は計り知れないものがあります。また、ご本人はそういった話はあまりされませんでしたが、救えた命より、救えなかった命に対面し、悔しく悲しい思いをすることのほうがどれだけ多かったことでしょう。
「あえて神経麻痺させていますから」とおっしゃっていましたが、そういう経験を積み重ねながらも、それでもひとつの命のために自分自身の体を使って現場でベストを尽くす吉村さんの姿勢に感激しました。

 吉村さんの活動は、被災地支援にとどまらずイラクでの反戦&平和活動、カンボジアでの地雷撤去活動など広範囲に及びます。現在は長野県信濃町の野尻湖の湖畔に拠点を移し、カヌートレック、山岳登山ガイド、キコリ教室なども行っているそう。

 「北ルソンの台風被害はほとんど報道されていないから、声をかけても寄付の集まりが悪くて。。。」とおっしゃり、今回CGNにいただいた寄付は、どうやら自ら広島沖の倉橋島にミカン収穫作業の出稼ぎに行って汗だくになって稼いできてくださったものが含まれているようです(もちろんご本人はそんなことは声高におっしゃりません)。「長野―倉橋島、往復1900キロですよおお」と笑っていらしゃいました。
 いや、大切に有効に使わねばなりません。
 被災体験があるからこそ、やさしく、強くなれる……私たちも「少しでも見習ってがんばっていかなくては」と、心を新たにしました。
 いただいた神戸で被災し亡くなった小学生の名前をとった「はるかのひまわり」の種もちゃんと植えて育てます!

吉村さんの活動については、
ヒューマンシールド神戸 吉村誠司の地球日記ブログ
をご覧ください。

また、イトゴン郡ロアカン村などの視察に同行してくれたボランティア、細貝さんのCGNボランティア・ブログもぜひ。
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by cordillera-green | 2009-12-17 17:58 | 緊急支援

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