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終わっていない台風ペペンの被災体験

台風ペペンでマウンテン州タジャンで起こった土砂崩れで土砂に埋もれ、両親と赤ちゃんだった弟を亡くしたものの、もう一人の弟とともに救出されたアーリナ。前回訪問したときは、切断した足からまだウミがあること、まだ、骨折した腰の骨の回復状態が思わしくなく立てないこと、もう一度手術をしたほうがいいとドクターにいわれたことなど、ケガの状態を話してくれました。土砂崩れから5ヶ月もたっており、世の中は一見何事もなかったかのように平静を取り戻しているのに、まるで時間が止まっているかのようなアーリナの状態に心が痛みました。

その後、CGNスタッフのリリーが訪ねたときの話では、手術をしたそうですが、切断した足の肉の再生状態が遅れていて、今回の手術では仮の処置しか取れなかったということ。切断面をカバーするために1年後ぐらいに再手術がまた必要だと言われたそうです。また、腰骨の骨折は止めていたボルトが出っ張ってきたため抜いたそうですが、いままで動かせていた切断していないほうの足も動かせなくなってしまったそう。
まだ、車椅子でも外出は難しい状態で、自分の足で松葉杖で歩く日は見えてきません。

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12月に被災地視察にいらしてくださった「ヒューマンシールド神戸」の吉村誠司さんは、今年高校を卒業するアーリナが進学したければ、サポートしてくれるとお約束くださり、アーリナはたいへん喜んでいました。

アーリナに
「卒業語の進路は決まった?」
と尋ねると、以前の「看護婦になりたい」という希望から
「コンピュータを勉強したい」
と、進路の希望が変わっていました。病院内を歩き回り、体力も必要な看護の仕事は、たとえ義足をつけて歩けるようになっても自分には無理だと言う判断にいたったのだと思います。
「コンピュータだったら座ったままでも働ける」

「でも、このまま車椅子だったら、大学やカレッジに通うのは無理だと思う。
「バギオは坂だらけだし、学校の校舎は階段で教室に行かなくちゃいけない。雨季で雨が降ったら外に出るのだってむずかしい。タクシーだってつかまらない。。。」

そうなんです。日本でさえ、障害者のために駅にエレベーターやスロープがついたのは最近なのです。フィリピンの田舎町・バギオで、それを望むのは無理というものです。
その分、人の心が、障害者に優しいのがフィリピンのすばらしいところ。
「大丈夫。きっと誰かが手を貸してくれるよ」

「誰かお見舞いに来てくれた?」
「うん、高校の同級生がセント・ルイス大学(SLU)の入試のためにたくさんバギオにやって来て、みんな寄ってくれた」
にっこり笑いながらも、ちょっとさびしそうでした。
高校では成績優秀だったというアーリナ。あの台風さえなければ、きっと彼女もその同級生たちのグループの一員。6月からは晴れてセント・ルイス大学(SLU)の1年生だったはずなのですから。
「SLUの入試はもう終わっちゃった。たとえ腰の骨が回復しても、SLUには行けないわ。。。」

 そんな、アーリナに朗報。CGNの外部スタッフでもある写真家・ロエルがPCを1台、彼女のために寄付してくれました! 知り合いのつてで、オーストラリアのコールセンターからPC10台の寄付を受けたロエル。出身のイフガオ州にまず3台持っていきましたが、寄付先であるはずの学校ではなく、違う場所に設置されていたこと。そこで、寄付先を探しているときに、CGNからアーリナの話を聞いて寄付を申し出てくれたのです。

PCを届けに行ったら、あんまりいいニュースがない中、アーリナすごくうれしそうでした。

どうもありがとう!ロエル!
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   ↑ ロエルとアーリナ。左は彼女の下宿先のおばさん

アーリナは、勉強していたタジャンの高校の卒業式に出席するために、今月下旬、あの事故以来はじめてふるさとに帰る予定です。
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by cordillera-green | 2010-03-21 14:13 | 被災地復興事業