Cordillera Green Network ブログ

cordillera.exblog.jp
ブログトップ

インターン亀井君のコーヒー植林体験記

 先日のブログでご紹介したインターンの亀井遥海君が帰国し、CGNのニュースレターのために寄稿してくれましたので、以下にご紹介します。すっかりこの世界にどっぷりつかってるので、たまにフレッシュな若者が来てくれて活動に参加してくれると、CGNスタッフも事業地の住民の人にとってもとてもいい刺激になります! インターンご希望の方はお問い合わせくださいね~~。単発のボランティアもご相談ください。

____________________________________

 2011年夏期ボランティアインターンとしてお世話になった亀井です。普段は工学部で化学を専攻しています。よく聞かれたこと、「…これ君の専門に関係あるの?」
 はい、正直関係ありません。自分の視野を広げたい!と思って望んだこのインターン中、ずっと学ばせてもらってばかりだった若輩者ですが、このような記事を書くスペースをいただきました。
 滞在は3週間という非常に短い間でしたが、CGNの主な活動、植林・アグロフォレストリーのお手伝い、環境教育、奨学金事業など様々な内容を少しずつ体験しました。その中でも僕にとってメインの活動だった、トゥブライ町コロス集落におけるコーヒー植林体験について書きたいと思います。
 コロス集落にあるコーヒーモデル農場は、バギオから車で1時間程度、事業地の中でもお手軽にいけるスポットだそうです。しかし初めての訪問のときには、トゥブライの郊外的風景からいきなり異国に誘いこまれたような気がしました。鉱山発掘によって切り出された鈍色の崖また崖、森が薄くジオラマのようにも見える山々、果たしてこれは道なのか?というほどのオフロードを通って現場についた頃には、車酔いのするひ弱な大学生にはもうお腹いっぱいです。
b0128901_10573332.jpg

 さて現場につき、チキンとヤギが走り回る集落の中、いつもニコニコと出迎えてくれるデイケアの先生フェリーさんご家族と団欒してから、いよいよ植林。穴掘り、苗の運搬、コンポストから作った有機肥料を加えて、苗に土をかぶせます。文字にすると単純なようですが、予定総数2000本という量。それも軽く登山と言えるような急な斜面での作業で、運搬から何からすべて手作業ですから、“皆で楽しく植林イベント!”なんて名目で片付く仕事量ではありません。バギオの大学生や、現地の人々がお手伝いに来てくれることもありましたが、基本的には受益者の方たちとフォレスターのリリー、CGNスタッフだけで行っていました。それも作業はお天気まかせ、雨が降れば木陰に隠れたりカピタコ(コーヒー飲みましょ!)タイムに入ったりと、とてもシステマチックとはいえない人間らしいリズムで、植林は進んでいきます。
b0128901_1143298.jpg

そんなわけで、作業自体は大変ですが、標高の高い晴れやかな空気と、現地の人の和やかな雰囲気のなかの清々しく仕事ができました。しかし、帰りの夕立で僕はいつも不安になります。不安定な道路は雨の夜道をいっそう不安にさせ、雨による土砂崩れで道が封鎖され立ち往生になることも少なくありませんでした。ちょうど遭遇した台風の際には、コロス周辺で土砂災害があり、何キロも離れた病院まで徒歩でけが人を運んだそう(2年前の台風で、コロスは土砂崩れによりある区域において居住を禁止されるほどの被害を受けています)。あの霧雨の中の心細さが、耳で聞いたどんな情報よりも緊迫して今のベンゲット州が直面する問題をダイレクトに教えてくれました。
b0128901_1215681.jpg

 このコロス集落の植林事業に参加して、ボランティア/草の根で活動するという意義について考えさせられました。先のような土砂災害の防止や水源の確保、また同時に貧しい農家の人の継続的な収入のため、コーヒーを植林するというCGNの活動は、本当に素晴らしいものだと思います。ただそれは文字どおり実るまでに時間がかかり、即物的な富を分け与えて満足するような簡単なものではないし、マクロに見た事業の必要性と、現地の人のニーズを符合させなくては事業は継続していきません。実際に労働として森を守っていかなければならないのは現地の人です。他のCGNの事業地であるカダクランの山奥のバランガイなど、原始的ながら豊かな自然に囲まれて資源が循環するコミュニティーとくらべて、都市と山岳の狭間にあるコロスでは(失礼ですが)本当の困窮というものを感じ、今の生活で精一杯だとしても仕方がないようにも見えてしまう。
b0128901_12105830.jpg

   ↑コロスは再定住事業が進行中で、建設ラッシュ。

 では何が豊かさを可能にするのかといえば、人と人との団結の中に見いだすしかありません。馬鹿みたいに月並みですが本当にそう感じました。反町さんやリリー、他のフォレスターがやってきたように長い期間をかけて住民と一緒に木を植えていくこと。その作業の中で自分たちの故郷と歴史を守ろうという意識をともに築くこと。本当に根気のいる仕事だと思う、でもそうして得られた住民方との信頼関係を、行く先々、節々に感じました。  また、コロスの小学校に環境教育のお供としてお邪魔したとき、集落の規模からは考えられないような子ども達の熱気がありました。あのパワーがコロスにすべて還元されたらどんなに心強いか。人と人とのつながりが希薄になっている日本に対して、今、熱い進歩を、賢く冷めた頭でつくりだせるような人々の団結が、フィリピンのこの地で実現することを夢見てしまいます。
 勝手手前なことを長々と書いてしまいましたが、 “リッチな日本社会”生活に薄々の違和感を感じていた無知な工学生の僕にとって、日本がもっている美点と足りないものを発見できたこの経験は本当に得難いものです。口だけでなく、実際に土にまみれることができたのは幸せなことでした。半端な労働力の僕に一から現状を教えてくれ、笑顔でいろんな場所につれていってくれたスタッフの皆と、何から何まで面倒を見てくださった反町さんに深く感謝します。

b0128901_12213440.jpg

b0128901_12305882.jpg

↑パット・アコスタさんの有機農場をビコールにいる協力隊の服部美紀子さんや、
JICA木酢事業担当の中島君などと訪問。予約制のお昼もいただきました。
「今まで食べたサラダで一番おいしい」
とはるうみ君。
[PR]
by cordillera-green | 2011-10-08 12:25 | 植林/アグロフォレストリー