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コーヒー栽培がバギオと先住民族の村の姿を変えるかも?

 数日間に、私も賛助会員にしてもらっている北ルソン日本人会(JANL)のメーリングリストのお知らせでこんな新聞記事の翻訳が送られてきました。

> いよいよジョンヘイコーヒーの誕生?! 
>
>
> 基地転換庁(BCDA)は、カナダ系のロッキー・マ
> ウンテン・アラビカ・コーヒー(RMACC)との間
> で、ベンゲット州バギオ市のジョン・ヘイ特別経済区内
> にある100 ヘクタールの土地の貸借契約を締結したと
> 発表した。RMACCは同用地にコーヒー農園を開設す
> る。
>  22 日付ビジネスミラーなどによると、RMACCはリ
> ースした用地に10 万本以上のコーヒーの木を植える計
> 画。同社はジョン・ヘイ特別経済区で別に60 ヘクター
> ルの農園用地を確保済みで、BCDAによると同社の経
> 済区内におけるコーヒー豆生産量は年間300 トンに上
> る見通しだ。生産されるコーヒー豆は高級アラビカ種
> で、「ジョン・ヘイ・コーヒー」のブランド名で販売さ
> れる。
>  RMACCは現在、ベンゲット州のほか、ミンダナオ
> 地方サランガニ州などで計256.5 ヘクタールのコーヒ
> ー農園を運営している。
>

 ロッキーマンテアラビカ・コーヒー会社(RMACC)は、5年くらい前からベンゲット州でアラビカ・コーヒーの栽培地を訪ね始め、買い付けのための交渉を始めていました。CGNが最初にコーヒーを植えたキブガン町にも、マニラのフィガロ・コーヒーの案内で来たと聞いていますが、当時はトン単位での供給ができる状態まで行っていおらずペンディング。その後、契約農家探しに奔走していたようですが、結局、キブガンの栽培農家の方たちは組合で会議を重ねたのち断ったと聞いています。
 その間も、RMACCはコーディリエラ地方のコーヒー栽培指導の中心であるベンゲット州国立大学(BSU)と提携し、昨年にはBSUのアグロフォレストリー農場にコーヒー加工の施設が完成しました。また、モデル農場で生産される1トン近いコーヒーの販売契約も結んだそうです。
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 大規模なコーヒー輸出を以前から計画していたRMACCは、コーディリエラ地方のコーヒー栽培農家がほとんどすべて小規模農家であることや道路事情のあまりの悪さに、農家と一軒ずつ栽培契約をすることをあきらめ気味なのかもしれません。ジョンヘイの広大な土地は、米国から返還された後、維持するだけでもかなりのコスト。基地転換庁にとっては、RMACCのアグロフォレストリー栽培で自然を残しながらコーヒーの栽培をするという申し出はまたとない話だったことでしょう。

 それにしても、バギオのど真ん中に位置するキャンプ・ジョン・ヘイをコーヒー農園にしようとは、大胆な思い付きです。全部で160ヘクタールというのは、250ヘクタールのジョンヘイの敷地の60%以上ということ。収穫期にはかなりの人手が必要なので、バギオの失業者からアルバイトを雇って、コーヒー果実を摘んだりすることになるのでしょうか? なんだか、今のジョンヘイのレクリエーション的なのんきな空気が変わりますね。

 ところで、記事にはそう書いていませんがアグロフォレストリー栽培なのですよね? まさかジョン・ヘイのシンボルの松林を切って、コーヒーにしちゃうってことはないですよね。RMACCは、環境保全とコミュニティ開発を信条としていて、BSUアグロフォレストリー農場に作った施設では、有機栽培、アグロフォレストリー栽培の方法などを解説していました。よろしくお願いしますね~~~!

 そういえば、1か月くらい前に借りている家の家主から、
「知り合いがコーヒー栽培のために100ヘクタールくらいの土地をコーディリエラで探しているが心当たりはないか?」
と聞かれました。私はきっぱりと
「100ヘクタールのまとまった土地を売る先住民族はいないと思いますよ」
と答えたのですが、もしかして、これからこんなコーヒー・ビジネスマンがコーディリエラ地方を闊歩するようになるのでしょうか? その時はきっぱり答えたものの、貧しい先住民族の人たちは、外国やマニラから大金片手にやってくるビジネスマンの誘いを断り続けることができるでしょうか?
 長い伝統の中で、先祖代々の土地だけは手放さないできた先住民族の人たちが、バギオの先住民であるイバロイ族のように土地を売り始めたら、古来の慣習を今も強く残しバランスを保ってきた文化自体が大きく変わっていくことになるかもしれません。

 CGNは先住民族の生計の向上のためのアグロフォレストリー栽培によるアラビカ・コーヒー栽培の指導を2003年から行ってきました。あくまでも、先住民族がその生活環境や伝統を守りながら、現金収入を得ていけるのが基本です。
 バギオの雇用を生む大規模コーヒー会社の進出も歓迎ですが、CGNとしてはコミュニティに根差した小規模栽培農家のためのきめ細かいコーヒー栽培指導を行っていきたいと思っています。


以下は、11月22日のマニラ・スタンダード紙。内容は上の翻訳とほぼ同じです。


Canadian firm planting coffee trees in John Hay
Manila Standard Today
Nov 22,2011

by Julito G. Rada

STATE-RUN Bases Conversion and Development Authority has signed an agro-forestry management agreement with a Canadian company, which may turn the John Hay Special Economic Zone into a major producer of world-class coffee in the near future, the BCDA said in a statement Monday.

The agreement with Rocky Mountain Arabica Coffee Co. was signed on Oct. 24 by BCDA president and chief executive Arnel Paciano Casanova, John Hay Management Corp. chairman Silvestre Afable Jr., JHMC president and chief executive Jamie Eloise Manzano-Agbayani and Rocky Mountain president Pierre Yves Cote.

Under the agreement, the Canadian company will plant at least 100,000 trees of the high-quality Arabica coffee covering about 100 hectares within Camp John Hay. This is in addition to 60 hectares leased earlier by Rocky Mountain from the Camp John Hay Development Corp., a private company developing John Hay.

Rocky Mountain expects to harvest some 300,000 kilograms of premium coffee yearly from its John Hay plantation. The premium coffee will be marketed as “John Hay Coffee.”

Casanova said Rocky Mountain’s entry into Camp John Hay would help enhance the facility’s lush foliage and generate a source of livelihood for the village folk.

“This agreement will augur well for the people of Baguio as this will generate employment and at the same time put Baguio City in the map for producing high-quality coffee,” Casanova said.

Agbayani said Rocky Mountain’s agro-forestry venture would complement and improve the environment and ecosystem of the pine forest within the reservation.

Rocky Mountain has existing plantations in Tuba, Benguet covering 16.5 hectares with 21,000 trees; Kiamba, Sarangani Province, 100 hectares; Kitanlad, Libona, Bukidnon, 100 hectares; and Marayon, Talakag, Bukidnon, 40 hectares.

JHMC is one of the BCDA’s subsidiaries tasked to oversee the transformation of the former US military camp into a special economic zone with minimum intervention to the area’s ecosystem.
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by cordillera-green | 2011-11-29 19:03 | コーヒー