伝統のホウキ作りでカダクラン村の子どもたちを大学に行かせるぞ!

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私が出演させていただいた「世界の果ての日本人」で訪ねた”世界の果て”のカダクラン村で作ってもらっているホウキについてのお話。
(カダクラン村についてはこちらのブログで詳しく紹介されています。
http://cordillera.exblog.jp/16332577/

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    ↑棚田でもロケしました

「そもそもなぜ村の人を助けるのにホウキか」とよく聞かれます。
ホウキ作りはもともとフィリピンのどこの村でも行われています。家の中を掃くのと、外を掃くのと2種類。外を掃くのはヤシの葉の芯でを束ねて作った「ワリス・ティンティンWalis Tingting」。毎朝お掃除好きのフィリピン人が外回りをワリス・ティンティンで掃く姿は定番です。室内用のホウキのほうは「ワリス・タンボWalis Tambo」と言いますが、普通「ワリス」とだけ呼ばれることの方が多いようです。タイガーグラスという日本のススキに似た植物の穂を束ねてホウキにしています。

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               ↑ワリス・ティンティン

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      ↑乾燥中のタイガーグラス

 両方ともいわばフィリピンの人の暮らしには欠かせない生活必需品。今では普通に町に住んでいる人は市場で買ってくる人が多いでしょうが、コーディリエラ山岳地方の村では今でもホウキ作りの名人がいて、村の人の注文を受けて手作りします。特注品のホウキをみんな穂が擦り切れて短くなるまで使い切り、そうして初めて新しいホウキを注文するわけです。30cmくらいあったはずの穂が10㎝くらいにまで使い込まれたホウキを何度も目にしました。
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     カダクランの村の普通の家の日常道具。ホウキ、山刀(ボロ)、鳥撃ち銃……

 たかがホウキ、されどホウキ。
 毎日使うものだからでしょう。穂が落ちないようにきれいに編みこんだ素敵なホウキを、山の村でセミナーをやったお礼などに今まで何度もいただいてきました。
 
 実はワリスはバギオ市の名産品になっていて、マニラからの観光客がお土産に買っていくことも多いようです。でも最近は量産しているせいか仕事がとても雑になっているのと、伝統的に柄のところの留めに使っていた籐(ラタン)がもう手に入らずビニールテープで代用し「BAGUIO」と字が入っていたりします。それはそれでキッチュでかわいいという見方もできますが、市場のホウキやさんもなんだか雑な感じのお土産ホウキだらけになっていて、ホウキ好きの私としてはちょっとさびしい感が。。。。

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 カダクランの村でも他の村同様、生活必需品のホウキは村の誰かが手作りして、物々交換で村の人の手に渡ったりしてきました。まだ森の残るカダクランではラタンもふんだんにあるため、ホウキの材料はすべて地元の森で手に入ります。山に取りに行けば材料費ゼロ、資金ゼロでだれでも作れるわけです。自然素材といっても木彫りものとは違って、放っておいてもいくらでも増えるタイガーグラスが主な素材なのでエコロジカルです。ラタンの方は、なかなか苗木を育てるのが難しいのですが、私たちがホウキの注文をするときに、ホウキ作りのまとめ役を買って出てくれたアシュレイさんが苗木作りも始めました。
(アシュレイさんについてはこちら
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 実は私はコーディリエラの先住民族が作ったホウキをサイズや柄の太さ、長さ、穂の先の切り口などを日本人の好みに合うようにアレンジして、マニラのNGOバザーなどで在比の日本人にも少しずつ販売してきました。もちろんマニラの人もワリスは使っていますが、みな口をそろえて「こんなきれいなホウキは見たことがない」と言ってくれます。日本でも知り合いを通して少しだけ売ってみたことがあります。評判は上々。飾っておいてもきれいで、柔らかくて床を掃くのいいと評判です。
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   ↑ホウキ作りの道具

 ホウキは生活日用品であるために、手の込んだ細工であるにもかかわらず、町の忙しく効率的な暮らしが山の村に浸透するにつれてないがしろにされ、「掃ければいいでしょう?」という雑な手作りホウキに変わりつつあります。でも、失ってしまうにはあまりにもったいない手仕事。ホウキ作りの技術はもちろん、「毎日の暮らしに必要なものだからこそ、手をかけて美しいモノを使いたい」と思う気持ちも失くしてしまっては本当にもったいない! 
 好評だったホウキの販売を私が一時やめていたのも、実は細かい手仕事のホウキ作りを「やろう!」と言ってくれる村が見つからなかったから。実はいろいろな村で作ってもらったことがあるのですが、大きさ、納期などはもちろん、注文とは違った「掃けりゃいいじゃん」が届くことがたび重なり、ちょっと中断していた次第。
  
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     ↑なかなか手がかかっているのです


 カダクラン村でアラビカ・コーヒーのアグロフォレストリー事業
を始めた時、村の人たちはたいへん喜んでくれました。山岳地域でもっとも開発の遅れた地域でありながら、森を愛してやまないカダクランの人たちは、森を焼いて野菜畑にすればインスタントな現金収入を得られると知りながら、その道を選ばすに堪えてきました。でも、やはり子供たちを学校に通わせるため、病気のお年寄りを病院に連れて行くために、どうしても現金が必要な時代です。この流れは止めることはできません。

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      ↑アラビカ・コーヒー事業で作った苗木です
    
 私たちのアラビカ・コーヒーのアグロフォレストリー事業は最初10人限定で始めたのですが「俺も植えたい、私も植えたい」と手を挙げる人が続出し、最終的には50人以上の人がコーヒーの木を植えました。コーヒーを植えた村人とのミーティングでは、
「ぜひ学校に通えない若者のためにCGNの奨学金プログラムをカダクランに!」
との声が上がり、「世界の果て日本人」の取材の合間を縫って家庭訪問。申し込みのあったどの家庭の状況も逼迫していて、一人のつもりが結局3人の大学生を奨学生として受け入れることにしました。(里親を募集中です。年間会費2万円で一人の先住民の学生が大学に通えます。ご協力いただける方はCGNまでメールください。cordigreen@gmail.com)面接の様子はこちら
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   ↑カダクランの棚田

 でも、とてもとても村のすべての進学したい若者の面倒を見るのは無理。それに、やはり子供を学校に行かせることのできる収入を親が得れらるようになり自立することが大事です。そこで「ホウキ作り」。
カダクランの村の人たちにホウキを作ってもらってそれを日本の人に販売して子どもたちを学校に行かせられる収入を村にもたらそう!という計画です。
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「いや、今の日本でホウキなんか使わないよ~~」

という声も聞こえてきそうですが、意外にホウキは日本の生活でも便利。
何しろ電気を使わず掃除ができるわけで環境にもいい。暑い夏、わざわざ重たい掃除機を出すのが面倒な時、ちょっとした掃除くらいはホウキですませたらどうでしょう。赤ちゃんがいるお宅では寝ている間にササッと静かにお掃除完了。日本の家庭からいつの間にか姿を消してしまったホウキですが、今こそ”復活の時!”と思っています。

 カダクラン村のホウキ、今まで試作を繰り返し「これぞ」というクオリティにたどり着き、実は今日、10時間かけて村から届くことになっています。楽しみ。日本での販売はこれから。しばらくはネットでのご注文に応えて通販という形になりますので、興味のある方はどうぞお問い合わせくださいませ!

先日、バギオに来たおじ様にサンプルのホウキをお買い上げいただいたところ、こんなメールをいただきました。
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「細かなほこりを包むように集めることができて、ほこりが舞い上がらないのは驚き。
こんない滑らかな掃き心地は初めて。丁寧に細工され、わずかな隙間にも届くつくりは優れもの。節電対策のグッズにもってこい」とかみさんは、大絶賛でした。
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ぜひお試しあれ!


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    ↑小(1400円)・中(1600円)・大(2200円)の3サイズ。 (送料別)

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ホウキの販売に関するお問い合わせはコーディリエラ・グリーン・ネットワーク(CGN)まで
cordigreen@gmail.com

コーディリエラ・グリーン・ネットワーク(CGN)のアラビカ・コーヒー「Kapi Tako(カピタコ)」は「わかちあいプロジェクト」のHPからお買い求めいただけます。
http://wakachiai.com/
こちらもよろしく!

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(反町眞理子)
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by cordillera-green | 2012-08-16 15:42 | フェアトレード

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