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志村朝夫さんの手漉き紙ワークショップ。物語のある紙ができました。

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  ↑英語の雑誌「KYOTO」でアジアで活躍する工芸家として紹介されています。

志村朝夫さんはベンゲット州カパンガン在住の日本人。和紙作りの名人であり、紙布作り、豆本作りのアーティストでもあります。近年は、水に弱いという紙の短所を克服するのためにコンニャクを使った強製紙加工や、コンニャクを使った自然絵の具作りなども研究している手漉き紙のプロ。バギオではそんなにその名を知られていませんが、フィリピン各地から手漉き紙や紙布作り指導者としてたびたび招かれているほか、南アフリカ、韓国、アメリカなどからもコンニャク・アートの研究者としてお呼びがかかる在バギオ屈指の日本人アーティストです。昨年には、ベンカブ美術館でコンニャクアート展も開催。ベンカブを含むバギオの有名アーティストと世界各国の手漉き紙を使ったアート作品を発表している作家たちがコンニャクを使った作品作りに挑戦し、40点のコンニャクを使ったアート作品の小品展が開かれました。
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そんな紙づくりのプロ中のプロである志村さんがCGNが主催しているサバンガンでの「アートを活用した環境教育ワークショップ」にファイシリテイターとして参加して下さり、チコ川のほとりにあるラガン小学校の4,5,6年生を対象に村にある植物を材料にした紙づくりを指導してくれました。
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サバンガン村で紙の材料としておすすめなのは以下だそう。
―サバ(バナナの一種)
-パイナップルの葉っぱ
―フカ(イフガオ州での呼び名。楮に似た灌木で、伝統的には樹皮を布やロープにしたりして使われてきたようです。ベンゲット州ではサクスカ。サバンガンではワカとかカラサンとか呼ばれているようです)
-ウデン(稲わらの第一節から第二節の部分)
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↑フカの乾燥した樹皮です

今回はパイナップルの葉っぱから繊維を取るところからワークショップを開始。
瀬戸物のお皿を使って繊維を取ります。志村さんが見本を披露。
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灰汁や苛性ソーダで乾燥済みの繊維を煮ます(煮熟というそうです)。煮た繊維は川の水で4回すすぎます。

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それを棒や木づちで根気よく叩きます。子供たちはだれからともなく「サリドマイ」の伝統歌を歌いながら作業します。気が付いたら女の子たちは遊びに行ってしまって男の子のみが辛抱強く力仕事。
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できた紙の素(紙素(しそ)という呼ぶそうです)をタライの中で水に溶きます。そしていよいよ漉き枠に流し込みます。
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紙同士がくっつかないようにペロンと呼ばれる不織布の間に漉いた紙をはさみ、木で作った簡易プレス機に置いて上に材木を乗せ、ジプニーから借りてきたパンク修理用のジャックで圧力をかけてぺちゃんこに。
コンクリートの壁や木材の上などに広げて乾燥して出来上がり。
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子どもたちは、身近な植物がどんどん姿を変えて紙に変わって行く様に大興奮です。先を争って紙漉きに熱中していました。いつも教室で使っている真っ白なツルッとしたコピー紙とは全然違いますが、世界に二つとない自分だけの紙の完成です。
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パイナップルの紙は上品なアイボリー・カラー。
フカの紙は木の香りがしそうな薄茶。
ウデンの紙は鮮やかな稲穂の黄金色。

最後はいたずら心がむくむく芽生え、葉っぱを入れてみたりしてオリジナル紙づくりに発展。
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できた紙は厚かったり薄かったり、乾燥させた木材の木の目が写っていいたり、枠の作り方がいまいちだったのもあったようで端がぼろぼろだったり、なんだかシミがついていたり。。。。
紙漉きマスターの志村先生に怒られそうな出来栄えでしたが、後日こんなメールが届きました。

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この紙は灰汁煮熟、手打ち、一部天日乾燥など和紙にはほぼ見られない伝統技法で行なわれています。持って帰って工房で乾燥中の紙は太い繊維、砂、ゴミ、チリなどが入っていますが、生徒の顔が浮かんできます。物語の見えない紙はつまらない。一般的にはREJECT(不良品)ですが、よく鑑賞すると、物語や生徒の顔が浮かんでくるかも知れません。
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この紙を使って11月には大阪の木版画家・ふるさかはるかさんが土絵具を使った版画ワークショップをファシリテイトしてくれることになっています。とても楽しみです。

ふるさかさんのHPはこちらです。
http://www.harukafurusaka.net/



紙漉きワークショップのその他の写真はこちらのCGNのWEBアルバムで。
https://picasaweb.google.com/101439197484450138832/AsaoPaperMakingWorkshopLaganSabanganByHzk?authkey=Gv1sRgCLT1t6aHqKanowE#
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by cordillera-green | 2012-09-27 11:11 | 環境教育