風景が舞台-アートを活用した環境教育ワークショップ

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 サバンガン町の村々で実施中の「アートを活用した環境教育ワークショップ」(地球環境基金助成)。すでにコーディリエラ・グリーン・ネットワーク(CGN)の環境演劇ワークショップでおなじみの若き舞台演出家・ジェロからは、
「いちばん田舎の村でやらせてください」とのリクエスト。
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 今回の事業のパイロット地域とした5つの村(Data, Poblacion, Pingat,Lagan, Namatec)のうち、いちばん幹線道路のハルセマ・ロードから遠いダータ(Data)村でハイスクールの生徒40名を対象にワークショップを開催しています。バギオベースなのでじっくり取り組めるジェロは、村に伝わるお話の採集から、村の環境問題の洗い出し、体のベーシックな動きや声の出し方などなど、基礎から丁寧に3回に分けてワークショップの計画を立て、ハイスクールの生徒たちとじっくり4つに組んで進行しています。9月までに2回が終了。11月に3回目のワークショップを行い、11月24日、25日の「カワン・ディ・バタワKawaan di Batawaエコ・アート・フェスティバル」では、10人ずつのグループによる4つの作品を披露してくれるとのこと。
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  ↑メイン会場は神父様がいなくなって使われなくなった古い教会。
   ここだってかなりドラマチックな空間です

 9月に行われた2回目のワークショップでは、すでにグループごとに環境をテーマとしたミニ演劇作品の発表があったのですが、今回のジェロの新しい試みは、自分たちの作品テーマを上演するのにぴったりの風景や場所を村の中で探してそこで上演してみようというもの。サガダのお隣に位置するダータ村は、山の頂近くに集落があって、サガダまで見渡される素晴らしい展望のある村。松林も残り、村の中にはダップアイDay-Ayと呼ばれる村の長老たちが会議に使う石造りの集会場も残っていて今も村の重要な決まりごとはそこで決められるとか。村の中は車が通れる道路はなく、細い歩道が網の目みたいに通っていて、すれ違うのも精いっぱいなその歩道をゆっくりと村人たちが行きかいます。歩道沿いには水路があったり、小さな川が集落の中を流れていたり。。
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   →松林をステージに選んだグループ。
    おしっこが泉に姿を変えたというシーンです。

 生徒たちは、生まれ育ってすでに当たり前になっているそんな村の中を、舞台になる風景を求めて歩き回り、当たり前の通学路、当たり前の村の自然や風景や暮らしがちょっと違う風に見え、意外な発見がいろいろあったようです。
 松林の中を舞台に選んだグループは自然の起伏や木の形、草の葉影なども、ちゃんと舞台装置として生かしていて感心感心。。。。
 屋外をステージに仕立てるののいいところは、自然の風や光や空気や音などを五感で目いっぱい感じながら演技できるところ。おのず、練習とは違う風にお芝居が展開していったり、意外なアイデアが本番の最中に突如組み込まれたりと、即興色の強い面白いお芝居が出来上がりました。
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  ↑シダの葉があっという間にコスチュームの髪飾りに

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  ↑小学校の教室前をステージにしたグループも

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  ↑畑がステージのグループは、フルーツの木も立派な舞台装置

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  ↑お客さんも好きな場所でお芝居を楽しみます。
   右端はちょっと心配そうに見ているジェロ君

 もちろん、お客さんに観てもらうにはもう一工夫もふた工夫も必要ですが、五感を刺激しながらの屋外でのワークショップは、スタジオやホールなどワークショップやステージのための用意された空間でのそれとはまた違って、ジェロ自身も生徒たちも新しい体験ができたよう。「カワン・ディ・バタワ エコ・アート・フェスティバル」でも、山あり、川あり、橋あり、棚田ありの会場のポブラシオン村の風景を目いっぱい生かし、屋外上演も用意しているというジェロ。楽しみです。
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by cordillera-green | 2012-10-28 11:23 | 環境教育

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