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幻の壺を求めて-アートを活用した環境教育ワークショップ

実施中の「アートを活用した環境教育ワークショップ」(地球環境基金助成)では、日本のアーティストの方々もたくさんファシリテイターとして参加してくださっています。
コーディリエラ地方の文化に深い尊敬の念を抱き、何度もこの地を訪れ、先住民族の伝統文化を学ぶ一方で、若者たちのためのワークショップを継続して下さっている日本のベテラン・アーティストの方々(山本公成さん、JUN AMNTOさん、花崎攝さん)に加え、今回は「新たなる世界にチャレンジしたい」と、私の学生時代からの友人の美術家・小沢剛君の紹介でかまぼこアートセンター(なんのこっちゃという方はこちらをご覧ください)の若いアーティスト5名も参加してくれることになっています。
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その第一弾として来てくれたのが山本麻世さん。
http://www.asayo-yamamoto.com/
ロープなどを素材としたインスタレーションアートで世界各地で活躍中の造形作家の麻世さんですが、今回は「環境」がテーマということで、粘土アートのワークショップをやってくれることになりました。会場のダータ小学校のあるダータ村が昔、素焼きのポット(壺や鍋、水瓶などに使われていたそう)づくりをしていたということから、子供たちが村の自然と同時に歴史を知ることにもなるというワークショップです。
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まずは今はすっかり失われてしまった粘土探しから始まります。
小学校の先生たちが口々に
「私たちが小さいときはまだ素焼きポットづくりをしていて、私たち子どもが粘土も取りに行かされていたのよ。重くてつらい仕事だったわ」
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   ↑昔の思い出を話す先生たち

「なぜ、村ではポットづくりがなくなったの?」
「安いアルミの鍋が入ってくるようになって、煮炊きにはそれを使うようになったの。粘土を探してからそれを1日かけて杵と臼でこねる作業がまた大変。それで徐々に誰もやらなくなってね。私も子供のころ手伝わされたけど、二度とごめんだわ。村に何人かポットづくりをしていたおばあさんたちがまだ生きているから、行程など話してくれるはずよ」

なるほど。
で、まずは子供のころの記憶を手繰り寄せてくれた先生たちの先導で粘土探しに野原へ向かいました。
「この辺りだったと思うのだけど。。」
見当をつけて、シャベルで掘り続けること1時間余り。ようやく粘土らしい土発見。米を入れるサックに詰めて学校に持って帰ります。
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石や砂利を除いて水を足してみんなでコネコネ。
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会場の図書館の中では収まらず、廊下へ、そして校庭へと拡張。。
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ここでも子供たちの創作パワーはとどまらず、壁にも進出。
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思い思いの作品が出来上がりました。
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翌日、麻世先生のところには
「うちの近くにもあったよ、粘土~~!」
とたくさんの子どもたちが粘土を持ってきてくれました。
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ところで、この村で創っていたという壺はどこかに残っていないのかしら?
と、聞きまくりましたが、
「みんなアンティーク商に売ってしまった」
「割れちゃった」
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とななかな現物にお目にかかれず。

最終日の出発間際、子供たちのおやつを作ってくれていたおばさんが
「壺ならうちに一つあるわよ。水瓶で使っているの」

さっそく、おばさんのうちに案内してもらいました。
あったあった歴史ものの壺。
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「アメリカに移住した親戚がこの村に帰ってきてね、まず、この瓶の水が飲みたいっていうのよ。やっぱりこの瓶の水が世界で一番おいしいって。」
いただいたコップ一杯の水はとてもやわらかい味がしました。
ダータ村の失われてしまった文化を惜しみながらの一杯でした。

(反町眞理子)
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by cordillera-green | 2012-11-03 14:11 | 環境教育