梅田哲也と山の村カヤン・キッズたちのパフォーマンス「Composite」


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コーディリエラ・グリーン・ネットワーク(CGN)はフィールドワークの植林などをメインとした環境NGOなのですが、環境教育にアートを取り入れていること、代表の反町が日本人であることなどから、国際交流基金のフィリピンにおけるアートプロジェクトをはじめとし、日本人アーティストがフィリピンでワークショップや公演、創作活動をするお手伝いをする機会が増えています。
新進のマルチな現代美術家、梅田哲也さんが国際交流基金主催のアートプロジェクト「Media Art Kitchen」でやりきれなかったパフォーマンス・アート・プロジェクトを、国際交流基金のマニラ日本文化センターの三富さんの協力でコーディリエラ地方の山の村でやりたいとのことで、2014年10月マウンテン州のカヤン村で子供たちを対象に1週間の音とパフォーマンスのワークショップを開催し、最終日に村の小学校の校庭で村人たちに披露しました。その一部始終を渡辺寿岳さんがビデオに収め、音の記録を西川文章さんが行いました。

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インターネットもないのどかな山の村の空き家に民泊し、村のおばちゃんたちにご飯を作ってもらい、警戒心いっぱいの子どもたちになんだか教えているのか、教えられているのかわからないワークショップをしてきた梅田組ですが、村の人が話している民族の言葉の響きや、村に伝わるお話や、そのお話を伝える語り部のおばあちゃんや、山の幸のご飯とそれをみんなと食べるというスタイルもお気に召してくれたようで、2月に再訪したいとのこと。そして今度は、ワークショップで作ったパフォーマンスを大都会・マニラのフィリピン大学の「Composite」というイベントで公演するということになりました。

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ピタゴラスイッチでおなじみのアルゴリズムたいそうみたいに、梅田君の案内での子供たちのパフォーマンスは一人一人の動きはシンプルですが、グループで動くと不思議な調和が生まれます。歌(?)もしかり。単純な言葉の繰り返しですが輪唱のように繰り返し繰り返し声が重ねられて、大きくて静かな渦が生まれます。システマティックで無機的な動きや声のように見えますが、演じているのが山の村を駆け回って育った生気に満ちたキッズたち。だからこそ、そのエネルギーが際立って澄み切った空間が創出されました。

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ダンスといえば民族舞踊かヒップホップと思っていた子供たちはワークショップのはじめのころは「なにこれ??」って感じだったみたいですが、そのうちにお互いの動きや声を感じながら大きな輪の一部である心地よさにゆったりと身を任せ、本番では素晴らしいパフォーマンスを披露してくれました。

ワークショップをやった山の村・カヤンからバギオまで5時間。そしてバギオからマニラまで7時間。2日がかりの車での大移動は、ほとんどの子供たちにとって初めての経験で、出発10分でほぼ全員がゲロゲロ状態。子供たちの旅の一部始終を映像に収めようと目論んでいた梅田組もそれどころでなくなり、ゲロゲロキッズたちのケアにおろおろ。梅田君は、アーティストの顔からすっかり子供らの父さんお兄さんの顔に代わってマニラ入り。
フィリピン大学デリマン校のキャンパスでの公演はナショナル・アーティストのラモン・サントスの新作との対バンで周囲はちょいと緊張気味なものの、子供たちは自分たちの力で堂々と素晴らしいパフォーマンスを見せてくれました。

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パフォーマンス後の宿泊先のホステルでの夕食の席で、子供たちは梅田組に感謝の自作の歌を歌ってくれました。サイコーに照れ屋の梅田君、もうどうしていいかわからなくなっちゃったと思いますが、キッズたちとの水面下での連携プレー、見事でした。
言葉少なですが、歌と動きと心で動いた10日間の旅がどんな映像になるかとても楽しみです。

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by cordillera-green | 2015-02-28 10:18 | アート

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