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アルマ・キントのワークショップに登場した3つの民話

アルマ・キントの布を使った環境教育アートワークショップでは、題材として参加した先生たちに地域に伝わる民話を教えてもらいました。それをベースに布絵本を作り、ぬいぐるみを使ったジオラマづくりをしました。

ワークショップの詳細はこちら


民話がとても面白かったのでここにそのうちの3つのストーリーを紹介します。


Han Hin-agi ay Ulila(孤児の兄弟 ヒナギとウリラ)

 どうやって生きて行っていいか途方に暮れている孤児の兄弟がいた。二人は、食料のために山で動物を狩り、木を切って暮らしていた。

ある日、山に行った二人は野生動物を見つけられなかった。空腹のあまり、二人は大きな木の下で休んだ。しばらくして、ヒキウル(Hikwil)鳥を見かけ、のどが渇いていた二人は、その鳥の後を追ってみることにした。おどろいたことに、山の中腹に泉を見つけ、その水でのどを潤すことができた。鳥は飛びあがって、稲穂をついばんだ。そこにルマウイン(Lumawig=山の神様)が突然現れ、おなかをすかせた兄弟を憐れんだ。そして二人に土を耕し、稲を植えれば、食べるものができると教えた。そうすれば、森の動物を狩りつくし、森の中に生える植物をとり尽くすことがないと伝えたのだ。「山と森を守りなさい」と言い残してルマウィンは姿を消した。

二人はとても喜んで村に帰り家を作った。土地を耕し米の種もみを植えた。数日後、稲は育ち穂が実った。二人はとても喜んで、村人たちと米を分かち合った。


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Palpal-ama ya Palpal-iking(親指とちぢれ髪)

昔々ニネティングレ(Ninetingle)山の村にパルパルーアマ(Palpal-ama)と弟のパルパルーイキン(Palpal-Iking)の兄弟が住んでいた。両親は亡くなり、二人は両親が残した1枚の焼き畑だけを頼りに暮らしていた。

あるとき、不思議なことが起こった。二人は畑仕事に疲れて家に帰った。あくる日、畑に戻ったふたりは、刈ったばかりのはずなのに背の高い雑草がぼうぼうと畑の中に生い茂っていて驚いた。それでも二人はもう一度草刈りをした。しかし、同じことが来る日も来る日も起こった。二人は、悪霊(アニート)の仕業かもしれないと思った。二人は畑を見張るために畑に泊まることにし、いたずらな何かを捕まえようとした。パルパルーアマが最初の夜に泊まったが寝込んでしまって犯人を捕まえられなかった。

二日目の夜は弟のパルパルーイキンも兄と一緒に泊まることにした。犯人を捕まえようと猟犬も連れて行った。

二人が畑を見張っていると、小さな歌声が聞こえてきた。

Kipkip-paas tumubo ka ay aas

Kipkip-pao pao tumubo ka ay pao

Kipkip-piit tumbo ka ay sibit

二人が声のする方にそっと近づくとネズミがいた。二人はすぐさまその小さなネズミを捕まえた。

ネズミは命乞いをした。

「どうか助けておくれ。必ず恩返しをするから」

兄弟は聞き入れて、ネズミのあとを犬と一緒について行った。

ネズミの家に着いた。家の柱は蛇、梯子はムカデ、ドアは蜘蛛の巣でできていて、二人はおびえた。

ネズミは「怖がらないで」と言い、二人に食事の用意をした。

パルパル―イキンはネズミが魔法のひしゃくを使って食べ物を用意するのを盗み見した。

食事のあと、ネズミは二人に「この家の中にあるものでほしいものをもっていっていいよ」と言った。

パルパルーアマは家の中を見回し、一角にあった銅鑼(祭りごとに使う楽器)をつかみ帰路に就いた。パルパルーイキンは食べ物を生むひしゃくを持ち帰った。


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Din Nam-ay ay Nanbalin si Ligat (安楽な暮らしが厳しいものに変わったわけ)

パナンの涼しい丘にブクカン(Bukukan)が娘のジンジンダロック(Gingindalok)と一緒に幸せに平和に暮らしていた。家の近くには泉があって二人はその泉の水を飲み水にし、少し離れたところには川があって、水浴びや洗濯に使っていた。

母親はいつもジンジンダロックに泉の近くで洗濯や水浴びをすると悪いことが起こるから決してしないようにと言っていた。

ある日、ジンジンダロックは川まで行くのが面倒で泉で洗濯をした。数日後、母親がジンジンダロックに水を汲んでくるように言った。泉に行ったジンジンダロックは泉が枯れているのを目にした。ジンジンダロックは「ああ、なんてこと。私が洗濯したからだわ」と叫んで家に帰った。ジンジンダロックは畏れ、母親のいうことを守らねばと心に決めた。それ以降、二人は川を渡り、山の近くの泉にまで水を汲みにいかなくてはならなくなったとさ。

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以下はそのほかの民話のタペストリーです。

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by cordillera-green | 2015-12-08 18:19 | 環境教育

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