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天然資源省から表彰されました

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 7月の環境月間に環境保全に対する思いを新たにしようという天然資源省コーディリエラ地方支部The Department of Environment and Natural Resources(DENR-CAR)主催のイベントがカントリークラブで催され、CGNはこの1年最も環境のためにコーディリエラ地方で活動した「環境パートナー」として、21名(組)のノミネートの中から選ばれ、ほかの4名(組)とともに表彰を受けました。
 何しろ何かといえば、修了証だ、感謝状だ、と安売りバーゲンみたいにCertificateを発行する国なんで、そんなのどうでもいいやと思っていたんですが、今回は格別でした。
 毎年、バギオの財界や政界の人を招待してゴルフコンペをやるようなこの町いち有名なNGOや、以前ドモガンが市長だったときに政府のお金で派手に活動していて、彼が市長でなくなったとたんに活動休止。また、彼が市長に復帰したとたんに、活動再開というスタンドプレーが得意なエセNGOではなく、受賞したほかの4名も、まったく名の知られていないジミーな人たち。DENRは、今回は本気で環境活動をしている個人や団体を探したみたいです。CGNを推薦してくれたのが、4年前のアパヤオでの私たちの事業パートナーの住民組織のおじさんというのもうれしかった。事業地の人からちゃんと事業の成果が認められているというのが何よりです。そのアパヤオの住民組織も今回一緒に受賞です。

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  ↑アパヤオ州から受賞のために駆けつけたダリリおじさんと。

 今年で、私たちは設立10年目、反町が事務局も任されるようになって5年ですが、いい記念にもなりました。

ほかの受賞者は以下の4名(組)です。

1.PAMORA FARM INC.(LAGANGILANG,ABRA)
2.LOWER APAYAO PEOPLES NATURAL RESOURCES STUWARD INC.=LAPNRSI(LATTA,LUNA,APAYAO)
3.MR.SERGIO CARINO (AMBONGDULAN,TUBLAY, BENGUET)
4.MR.MIKE KIWAS (TUBA,BENGUET)

 個人で受賞のベンゲットのお二人の年配者は、いかにも「木を植える人」の風貌。先住民族代々の水源地に個人で木を植え続けている方々でした。今度、学生たちを連れてぜひお二人の土地をお邪魔し、貴重なお話を伺って来たいと思っています。

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  ↑テーブルの向こうのお二人が、木を植え続ける先住民のおじさんたちです。

 この式典での基調講演は、水力発電会社ABOLITIZの社長さんでしたが、彼らはたぶん天然資源省より本気でここ数年木を植えています。CSR(企業の社会的責任)ですね。そのくらい、彼らが建設したダムの水量の減少が深刻で、その原因がとどまることを知らない森林破壊ということなのかもしれません。
 CGNで行っているもっとも大きな植林活動も、実はフィリップ・モリスというタバコ会社のCSR事業です。いよいよ、フィリピンでも環境と密接に関係したビジネスを行っている大会社によるCSRが本格化してきたという印象を今回の式典の中で新たにしました。

 


 
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by cordillera-green | 2011-07-09 21:37 | その他

タジャンのカヤン・ウエスト・バランガイホールの落成式とバイオガス・プラント

 コーディリエラ・グリーン・ネットワーク(CGN)が、オーストラリア大使館の助成を受けて建設していたマウンテン州タジャン町(郡)カヤン・ウエスト・バランガイの(村)のバランガイ・ホール(公民館のようなものです)が完成しました。
 フィリピンでは新しい家や建物が完成したときは、キリスト教の司祭や神父様(土着の文化が強く残っているところではシャーマンのこともあります)をお呼びして、BLESSINGというお清めの儀式のようなものをします。バランガイから招待を受けて、そのBLESSINGの祭式に参加してきました。

 2009年10月の台風ペペンによる土砂崩れで大きな被害を受けたタジャン町のカヤン村(土砂崩れがあったのはカヤン・イースト)にバランガイ・ホールを作ることになったのは、ロビンソン・ピリンガン(Robinson G. Pil-ingen)・キャプテン(村長)から、こんなリクエストが届いたからです。
「カヤンは昔は一つだったが、人口が増えてウエストとイーストの二つの村に分かれた。昔の村の中心はイーストで、カソリック教会も高校も広場もイーストにしかない。あのときの災害のようなことが起こったときにも、村の人が集ったり、情報を得たりする場所がない。」
 CGNはオーストラリア大使館の小規模助成にバランガイ・ホールの建設資材の申請をし、資材の一部の助成を受けられることになりました。建設のために、無償で働いてくれたのは、バランガイの住民の人たち。バランガイ・キャプテンの強いリーダーシップの元、ボランティア・ワークのスケジュールを組んで、立派なホールを手作りしてくれました。

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   ↑思った以上に立派な建物です。CGNは2階部分の建設の資材を提供しました。

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   ↑中のオフィスもピカピカです。

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   ↑金ぴかのプレートに、建設に関わった人たちの名前が刻まれていました。
    CGNのロゴと名前も。

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   ↑カソリックの神父様がお祈りをささげてくださり、その後、聖なる水を建物の隅々にまで
    ふりかけてお清めをしてくれます。

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    ↑伝統の風習では、こういった儀式の際には、必ず豚をつぶします。
     前日が村祭りだったこともあり、今回は2頭をつぶしたそうです。

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    ↑神父様も、祭式が終わり白い衣装を脱いだ途端に、
     気さくな村のおじさんに戻ります。
     「この頭がいちばんうまいのさ。 どの部分がいい? ほっぺたかな? とってあげるよ」
     恐縮でございます。

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    ↑村の人、みんなとてもハッピーでした。よかった、よかった。

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    ↑祭式とご飯の後は、ボランティアで建設に関わったおじさんたちは
     お疲れ様の一杯ですね。

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    ↑おネエさんたちは、食事の片付け。
     この村では、犬も家族の一員です。

今回のカヤン村訪問のもう一つの目的は、CGNが作ったバイオガスのモデル・プラントの視察でした。
バイオガスとは何?という方も多いかもしれません。バイオガス・プラントの基本計画、設計から機器調達までを行っている(有)エコハートという会社のHPでは、下のように紹介されています。

~~~~~~~~~~~~~~
バイオガスとは乳牛や豚などの糞尿や、食品残渣などの有機性廃棄物が嫌気性微生物の働きによってメタン発酵することで発生するガスです。 このガスは主に60%前後のメタンと、40%前後の二酸化炭素から成り、他にごく微量の硫化水素、水素、窒素などが含まれています。 
~~~~~~~~~~~~~~

--というわけで、今まで捨てていた家畜の糞尿をエネルギーにかえる新しいエネルギー源の一つとして少しずつ注目を集めているのがバイオガスです。上記の(有)エコハートのHPには、バイオガス先進国・ドイツなど海外での大規模なバイオガス・プラントの紹介がされていてたいへん興味深いですが、CGNが勧めているのは、家庭やコミュニティでできる小さな手作りバイオガス・システムの技術紹介です。

昨年まで行っていた三井物産環境基金の助成による「持続可能な自然エネルギーの普及と環境保全のための農村モデル開発事業」でも、プラスチック・シートを使った家庭で使える小さなバイオガス・システムの技術を中心に紹介してきました。その事業の話を聞いたいくつかのコミュニティからバイオガスに関心があるという声が寄せられたのですが、カヤン村もその一つ。台風被災後、土砂崩れの遠因となる森林伐採を止めるために、薪に変わるエネルギー源がほしいというのがその理由でした。

CGN
1.家々が密集しているカヤン村の集落のあり方、
2.祭祀のために多くの家で豚の飼育を行っているという文化、
3.コミュニティの人が助け合う伝統のバヤニハンの精神がのここっている
という特長を活かし、いくつかの家でガスを共有するドーム型のバイオガス・プラントをカヤン村に提案しました。ネグロス島の新エネルギー関係の財団・AID Foundationなどを視察の上、フォレスターのレナートが設計、ベンゲット州ツバで約15年間、自宅に作ったドーム型のバイオガスを使っているというティノさんのアドバイスを受けて、このバイオガス・プラントを作ったというわけです。

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     ↑豚は糞にいたるまで村人たちの役に立っているということですね!

5つの仕切りがある豚小屋にNGO「ハイファー・インターナショナル」が、村人の収入向上プロジェクトとして配布した豚3頭と子豚2頭が入れられ、いよいよ豚の糞尿集めが開始されました。レンガで造ったドーム型発酵タンクは地中に埋められています。豚の数をもう少し増やし、糞尿がタンクに貯まってきたらガスが発生し始めるはずです。

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今回CGNが作ったような小さなスケールのバイオガスに関心のある方は、 バイオガス普及のNGO「グローブケアー」のHPにいろいろな情報が載っていましたので見てみたらいいかと思います。

さて、日曜日のカヤン・ウエスト村は、前日のお祭りを終えてのどかな時間が流れていました。
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    ↑軒先で米をつく。

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   ↑お土産とお礼に、マウンテン州の民族衣装と山から獲れた木の実のワイン(ブグナイ)、
    それに、この巨大なマメ科の植物の実をもいただきました。
    振るとシャカシャカいい音がして、自然が作り上げた一流の楽器です。
    「カヤンのマラカスさ」
    と村の人々。

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by cordillera-green | 2011-02-13 12:16 | その他

夏休みの来客ラッシュ!皆さんありがとう!

またまた、しばらくブログの更新があいてしましました。
 日本の夏休みは、いろいろ来客も多く、なんとなくバタバタします。加えて、日本は猛暑だったという話ですが、バギオの8月、9月は、朝晩はかなり冷え込み、日中は気温が上がるという気候で、子供たちも次々体調を崩してせわしなくしているうちに、「えっ10月? この間正月だったのに、、、、」という感じです。もうクリスマスソングが町には流れ、飛ぶように時が過ぎていくのに焦りを感じています。

今年の夏(日本のね。フィリピンの夏は4月です)の日本からのお客様関係の出来事ざっと。
書いておかないと忘れてしまいますからねえ。

・東京大学医学系大学院生・山下彩香さん、ボランティアで1ヶ月間、環境教育活動に参加。
・日本からの古着配布と環境教育セミナー&ワークショップを、アブラ州で開催。山下さんが日本代表として参加。
・大阪のソーシャルワーカー、郭理恵さん来バギオ。
・元兵士・川崎恵一郎さん(静岡県森町)、お父さんをボントクで戦時中になくした遺族の亀井さん、やはり遺族の山田さん、バギオ近郊の慰霊の旅。89歳の川崎さんの戦闘地を訪ねたいという希望を聞いて、山下彩香さん、映画監督・今泉さん、郭さん、フィリピン人友人たちと一緒にイトゴン、ダリプリップ訪問。戦争体験の貴重な体験談を伺う。今泉氏がビデオを編集中。
・大阪・中崎町のダンサー、西尾純氏バギオ再訪。北ルソン日本人会主催の七夕イベントなどで傾舞を披露。CGNの環境教育プログラム(マウンテン州タジャン)にて、ワークショップ開催。
・ヒューマンシールド神戸・代表、吉村誠司さん来バギオ。台風ペペン(昨年10月)土砂崩れの被災地タジャンに、土砂災害で足を失った少女・アーリナを訪問。
・環境教育事業のパートナー団体、キープ協会の吉田さん、来バギオ、事業地視察。
・国東半島在の写真家・船尾修氏、日系人の取材のため来バギオ。北ルソンを取材旅行。
・宮城学院女子大学の杉井信先生、来年のスタディツアーの打ち合わせのために来バギオ。
・西尾純さん、マニラのガレオン船フェスティバルに招待されて再来比。マニラでの予定終了後、バギオにて日本食レストラン「CHAYA」のオープニングでパフォーマンス。
・日本大学4年生、吉居瞳さん、2ヶ月のボランティアとして来バギオ。
・CGNボランティア、2年前のインターン・松野下琴美さん来バギオ。事業地訪問。

いや、思い出しただけでも上記のようで、忙しかったわけですねえ。わざわざ、バギオを訪ねてくださった皆様、ありがとうございました。それぞれの方々との体験には、皆様にもお伝えしたいことが本当にたくさんありますが、なかなかブログに紹介する時間がありませんでした。元兵士の戦争体験については、今泉監督がビデオ作品として、日系人のお話については船尾さんが写真と文章にて、近いうちに形にして発表してくださると思いますので、そちらを待ちましょう!!

そして、明日からは、10月開始の新事業のために、横浜のNPO法人「WE21ジャパン」の3人の方がバギオにいらっしゃいます。事業名は「フィリピン・ベンゲット州におけるコーヒーのアグロフォレストリー栽培による災害に強いコミュニティ作り」。事業地はツブライ郡アンバサダー村です。WE21ジャパンのかたがたを招き、9日に台風被災1周年と、事業開始のセレモニーを事業地で行います。ご報告はまた。

とりあえず、なぜ被災地復興にコーヒー栽培?と思われ方に、少し前に、「グローバル・コンテンツ」というフィリピン人とフィリピンを愛する日本人の方向けの携帯サイト(有料です。でも月たった315円)に寄稿した「フェアトレードが先住民族の森を救う!?」という文章を転載しますので、関心のある方はぜひお読みください。
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by cordillera-green | 2010-10-07 10:30 | その他

国際協力の現場に関心のある大学生へ

 日本も本格的に夏休みに突入。元気な好奇心旺盛な若者たちは、世界各国に旅に出ていることと思います。コーディリエラ・グリーン・ネットワーク(CGN)にも、おとといから新しいインターンの大学院生がやってきました。東京大学i医学部の大学院生という山下彩香さん。大学院では人類生態学研究室で、「人が人を区別する」ということを人類学的に解明しようと、テーマを探す日々送っているそう。そして、社会に対して、「区別された側」の人のもつ力強いメッセージを発信していく手段として、演劇というのがとても有効だと考えていて、CGNの演劇を使った先住民を対象とした環境教育プログラムに関心をもってくれたそうです。
 卒論を書くために北タイのイサーンに滞在していたこともあり、アジア暮らしはお手のもの。 高校時代にカナダに留学経験もあって英語もばっちりで、いきなり、CGNの活動の現場で活躍してくれそうです。

 聞くところによると、最近は国際協力やボランティアに関心の高い大学生がすごく多いそうで、私の母校・立教大学にもボランティア・センターというのができて、学生たちの相談にのっているのだそうです。おととし、フィリピン大学デリマン校の大学院でコミュニティ開発を専攻していた立教のずーーっと下の後輩・中村みどりさんが、なんと今年度からそのボランティア・センターに転職。みどりさんが「ボランティア論」という授業で、フィリピンでのNGO経験について話す機会があり、CGNのことを取り上げてくれるということで、日本からのインターンやボランティアを受け入れてきた立場から、授業のためにちょっと辛口の原稿を寄稿しました。参考までに。
 
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CGNが受け入れてきたインターン&ボランティア
 CGNはHPなど告知してインターンを募集するということはやってきていない。知り合い通しての紹介や私の書いたブログの記事を読んで、問い合わせがあり、若干のメールでのやり取りの後に短期のボランティア、あるいは長期のインターンとして、活動への参加を了承している。
 渡航前の日本側での研修などは行っていない。CGNはフィリピンの北ルソンのバギオ市というところをベースとしている小さなNGOであり、NGO法人としての登録もフィリピンでのみ。日本サイドには事務局がなく、スタッフもいない。フィリピン側の事業スタッフは私を除いて全員フィリピン人であり、インターンやボランティがフィリピンに着いてから研修などを行う余裕が私にはなく、なるべくすぐに現場に入れる能力や関心が定まっている人を受け入れることにしている。
 今までに受け入れてきたインターン&ボランティアは以下。

・2007年~ J(30歳 )…バギオ市の大学&大学院に通う学生。当初は英語留学で来比。専攻はマーケティングや開発。通学しながら事務所の管理を兼ね住み込みのボランティアで1年半。現在JICAマニラ事務所勤務の傍ら、翻訳などのボランティアを継続。

・2007年~2008年 Y.(27歳・男性)…8ヶ月間。日本トイレ協会(現在は日本トイレ研究所と名称変更)会員。英語留学を兼ね、途上国のトイレの実情調査と改善案の事業化が目標だった。現在、日本の環境NGOの事務局長。

・2008年~2009年 K(21歳・女性)…8ヶ月間。大学の国際関係学部を1年間休学。大学でタガログ語を専攻し、在日フィリピン人に日本語を教えるボランティアなどを行っていた。環境教育に関心があり、CGNのパートナーである山梨県清里のキープ協会国際部にて、1ヶ月ほど実務経験を積んだ後に来比。今春大学卒業後、政治家事務所に勤務。

・2008年…S (22才・女性)大阪大学外国語学部タガログ語専攻。フィリピン大学バギオ校に半年間交換留学生として留学の後、卒論研究をかねてボランティア(半年)。

・2009年 R(32歳・女性)…4ヶ月間。市役所を退職して来比。語学留学が主な目的。

・2009年 H(21歳・女性)…3ヶ月間。大阪大学外国語学部タガログ語専攻。フィリピン大学ロス・バニョス校森林学部に半年交換留学生として留学の後、ボランティア。

・2009年 O(21歳・女性)…4ヶ月間。愛媛大学を休学し、半年間、バギオ市の語学専門学校で英語を勉強の後にボランティア。

・2009年6月~ M(33歳・女性)…青年海外協力隊の森林隊員として2年間フィリピン滞在経験あり。北ルソンで広く話されているイロカノ語を話す。北ルソンでアグロフォレストリー事業を行うのが目標。バギオ市の語学校で半年英語を学習ののち、ボランティア・スタッフ。


インターン&ボランティアとして必要な能力と資質

1.語学力
 英語研修を兼ねて来比しボランティアとなったRさんは、ほとんど事業現場での活躍の場はなかった。同じく英語研修を兼ねて8ヶ月いたY君は帰国直前では多少現場スタッフとして事業に参加の機会があった。Rさんは何度か事業地に同行した後、現場への参加をあきらめ、語学研修に集中することに方針を変更せざるをえなかった。
 一方、大阪大学外国語学部(元大阪外大)からの二人は目的意識がCGNの理念に賛同してのインターンではなかったが、語学能力が高く、翻訳・通訳などで事務仕事、現場ともに活躍の場が多かった。事業地の住民やフィリピン人スタッフとのコミュニケーション能力に問題がないということで、責任者である私からしても条件の厳しい事業地への活動参加にも安心して派遣することができ、インターン(ボランティア)として、多彩な経験を積む機会が得られたと思う。
 CGNの事業地は英語でのコミュニテーションが可能であり、世界のほかの多くの発展途上国に比べれば、日本人インターン、ボランティアにとっては恵まれた条件であるといえる。専門用語など必要ないが、日常会話程度の英語でフィリピン人事業スタッフに事業地で自分の要望や悩みを伝えられるくらいの能力は最低限必要だと思う。
 また、事業地ごとに先住民族の言語があり、また、北ルソンの共通語としてイロカノ語が広く浸透しており、事業地ではあいさつ程度でもこれらの言葉を話せると歓迎される。来比後に積極的に現地語を学ぶ姿勢を示すのは、文化に対する関心を示すことになり、事業地の人々には好ましく受け取られる。

2.事業や活動に対する関心・参加の目的の明確さ 
 事業地でどう活かしていくかという手法はわからないにしても、どこに関心があるのか、活動参加により何を学びたいのか、ということがはっきりしていると、私としては進行中のどの事業現場で望んでいる経験を積めるか、スタッフの誰と組ませればより多くを学べるかと、インターンやボランティアの限られた滞在期間を有効に活かすためのプログラムを考えることができる。
 トイレに関心があったY君は、語学力の関係で関心をコミュニティにおける活動まで移せなかったのが残念だが、目的が明確であったためコーディネイトする側としては、プログラムを組みやすかった。
 また、環境教育に強い関心があり、来比前にキープ協会で環境ファシリテイター養成講座を受講し、国際部でアフリカ人向けの研修プログラムのサポートなどの経験を積んでから来比した大学生Kさんは、タガログ語・英語ができるということもあり、すぐに事業地の学校にて、メイン・ファシリテイターとして環境教育ワークショップを行う機会を与えることができた。現地ならではの事情(参加者の教育レベルや、理解力。現地の環境のあり方や環境破壊の現状。先住民の価値観やメンタリティ、経済状況など)を把握できるまでは、ワークショップ内容に改定を示唆する必要があったが、「日本でのベストがここではベストではない」ということに早めに気づく機会が与えられ、フレキシブルにあらゆる状況・環境に対応せねばならないということを学ぶことができたと思う。
 目的や関心が定まっており、来比前にある程度の準備をしておくことが、現地での限られた滞在期間を有効に活かすには欠かせないと思う。

3.観察力と文献での下調べ 
 上の項の大学生Kさんの項でも触れたが、当然のことながら事業地はボランティアやインターンが暮らしてきた日本の環境・状況とは違う文化圏にある。事業対象のいわゆる受益者の状況や暮らし(教育レベルや、理解力。現地の環境のあり方や環境破壊の現状。先住民の価値観やメンタリティ、経済状況など)を観察することが、事業を有効に推し進めていく基本となる。短い滞在では、現地の状況を深く理解するには時間的に十分でない場合もあり、可能な限り文献などで下調べをしていくことも必要だと思う。とくにCGNの事業地は、今も古くからの風習が残っている地域であり、タブーを犯すことで事業地の出入りさえ困難になったり、部族間闘争の種をまくことにさえなりかねない。
 また、CGNをはじめ多くの日本の国際協力NPOが事業地としているアジアの国々は、第二次大戦で戦場となった場所であり、いまだ大戦の記憶が鮮明で日本に恨みを持っている人も少なくない。日本との関わりなど歴史について事前に学んでから現地に赴くことは、礼儀であるともいえると思う。

4.文化に対する敬意 
 国際協力の現場にかかわりたいというインターンやボランティアは、心優しき若者たちであると思うが、「助けてあげたい」という上からの視線がおのずと備わっている場合が多い。日本が先進国であり、貧しきアジアの国々を助けてあげなければならないという、日本人としての根拠のない優越感、途上国の人々に対する差別的な偏見が含まれているといっても過言ではない。
 CGNの事業地である先住民族居住の村で、首をひょいっとひねって火であぶって出してくれる鶏料理、庭を走り回る犬を絞めて供してくれる犬料理などは最高の歓待の表現であり、感謝の意を表することが必要だ。遭遇する機会があるかもしれない冠婚葬祭の儀式や祭りも、先住民たちにとってはたいへん重要なものであり、どんな驚くべき事柄が起こっても、受け入れ、異質なる文化に対して敬意を表する心構えは欠かせない。
 少なくともCGNの事業地においては「かわいそうな人を助ける」という視点はいらないと思う。先住民たちは物質的には恵まれていないように見えるかもしれないが、森や水や鉱物などの資源、独自の文化を持っているのは彼らのほうで、お金がなければにっちもさっちも行かない私たち日本人のほうがむしろ貧しいのではないかという疑問を抱くことがすべてのスタートになると思う。
 文化に対する敬意をもつことで、事業地での活動がより有効にいかされるための方策がおのずと浮かび上がってくることになると思う。
 ただし、紛争地域、災害の被災地などでの活動は別である。コントロールできない力により、虐げられた立場に置かれた人への救援活動は違う視点で行われるべきであることはもちろんである。

5.自分で判断し、考える力 
 事業現場では、予測されないことが起きる事も頻繁にある。CGNの事業地は、山岳地方の村々であり、台風などで道が不通になりスケジュールが大幅に狂うという物理的なことから、日本の常識では予想もつかないような反応が事業地の受益者からあることも多いだろう。頭の中で組み立ててきたマニュアルにない現象が起きたときに、状況を把握して考え、判断する力が必要だ。何もかもお膳立てされている日本とはベースが違う。今まで経験したことのない事柄が発生しても、冷静にフレキシブルに受け入れ、考え、判断する力が必要だと思う。

6.考えたとことを表現し、伝える力 
 日本では優秀な学生であったインターンやボランティアも、活動現場においては無知の新人である。わからないことは謙虚に村の住民に尋ねる姿勢は欠かせない。自分で判断して行動をとる前に「●●してもいいですか?」と確認する。フラリと散歩に出て迷い込んだ村が、滞在した村と敵対関係にある村で、争いに巻き込まれないとも限らない。CGNの活動地域には、NPA(新人民軍)という共産ゲリラが秘かに活動を続けている地域もあり、不意の政府軍の攻撃があることさえ考えられる。
 フィリピン人のスタッフや村の住民から情報を得るコミュニケーション力は、自分の身を守るためにも非常に大切である。コミュニケーション力はもちろん語学力に影響されるが、たとえ英語がおぼつかなくても、伝えたい気持ち、尋ねたい気持ちが強くあれば補うことができる。観察したことから浮かんできた疑問や考えや日本人としての見地を、できる限りの語学力で謙虚にフランクに表現してみること。「リッチな国」日本から来た若者が、自分たちの文化や暮らしに心から関心をもってくれることに憤慨する者はいない。

7.体験したことを日本の一般の方に伝えていく力 
 また、CGNとしては、日本人インターンやボランティアが、得た経験をCGNの日本語の情報メディアであるブログやニュースレター、ホームページなどで発表してくれることにも大きな期待を寄せている。常に代表である私からの見識だけでなく、フレッシュな視線で体験談を発表してくれることは、CGNのサポーターやドナー(寄付者)にとってたいへん有益な情報になるとともに、なかなかきめ細かく現場に足を運ぶことができない私にとっても重要な情報源となる。
 CGNは、現場になかなか足を運べなかったY君がHPの立ち上げを担当してくれた。文章を書くのが得意なKさんやHさんは、それぞれニュースレターにすばらしい文章を寄稿。Kさん、Oさんはそれぞれ一号ずつニュースレターの編集を担当してくれ、CGNの日本人向けの広報活動に大きく貢献してくれた。
 
 8.健康と体力 
違った環境におかれると体調が崩れるのは誰にでもあることだが、できるだけの健康管理を心がけて現場に向かうことが大切だと思う。Y君は胃腸に問題があったのも、長期の移動時間を要し、病院のない事業地に長期滞在を決意できなかった原因のひとつであった。来比に当たっては、常備薬を用意し、自分の健康状態をしっかり把握してくることが大事である。また、具合が悪いときは無理をせずに、フィリピン人スタッフや現地住民に相談することも欠かせない。早めの処置が事態の深刻化を防ぐのはどこの国でも同じことである。厳しいようだが自分の身は自分で守る覚悟が必要だ。
 また、事業地には道路がなく徒歩で何時間も歩かなければならない村も多くあり、体力があることが遠隔地の事業地にいくための必須条件となる。高校で陸上部、大学では柔道部で主将を務めたというKさん、山の村で育ったという大阪大学Hさん、協力隊で森林隊員だったMさんは、体力に自信があり山歩きが得意なことを当初から公言してくれれたため、遠隔地の徒歩で行かねばならない事業地に派遣することも可能となった。
 一方 Jさんは山歩きと長期の車での移動が苦手で、事務関係のボランティアが中心となった。

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 インターンやボランティアに対してずいぶん厳しい条件を挙げさせてもらったようであるが、要は日本でできる準備以降、現地に着いてからは、出会った人に対して関心を持ち、より深く知りたい、関わりたい、と思うこと、そして日本人としてできることは何かを真摯に経験に基づいて考えることができれば、すべて解決することだと思う。違う価値観をもって生きている人々(フィリピン人スタッフや事業地の人々)と、いかにフェアな視点で人間と人間の付き合いをできるかどうかが、インターンやボランティアとしての豊かな経験を得られるかどうかのネックになると思う。

 コミュニケーションに関しては、フィリピンでのNGOの運営に関わる日本人スタッフからよく「大事なのはホウレンソウですよ」と聞く。「ホウレンソウ」…「報告」「連絡」「相談」。この3つさえ心がけて、上司やスタッフや同僚とコミュニケーションをとって行けば、それほど大きな間違いはないと思う。

 たとえ、上に書いたどれにも自信がなかったとしても、謙虚に「知りたい、学びたい」気持ちが強ければ、事業地に入ってからすべてを身につけて帰ることも可能だと思う。
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by cordillera-green | 2010-07-26 22:47 | その他

沖縄の前島アートセンターで「フィリピン・ナイト」

 このブログで紹介した那覇市の小さなギャラリー「9-kyu」で7月29日~8月9日に企画されている「フィリピン山岳民族のカゴと棚田の神様」展の関連企画として7月23日(金)に前島アートセンターで「フィリピンナイト」というイベントが行われます。

 前島アートセンターは、沖縄における現代アートの活性化を目的としたNPO法人で、様々なアート活動を行っています。コーディリエラ関係では、ずーーっとずーーっと昔、2002年に、コーディリエラ・グリーン・ネットワーク(CGN)が主催した「エコロジカル・ペインティング・コンペティション(環境絵画コンペ)」に日本から審査員で来てくれた現代美術家・SHIMABUKU(島袋道浩)さんが、バギオで映像作家のキドラット・タヒミック氏に会い、自分のルーツ・沖縄とフィリピン北ルソンの共通エレメンツに着目。「ぜひ、沖縄でキドラット映像作品の上映を!」と思い立った時に企画に協力してくれたのが前島アートセンターでした。前島アートセンターでのキドラットの作品上映会はのは2004年に実施されました。

 前島アートセンターでは、2010年5月より、現代美術に関わらない様々な知の共有を目的とした「トランスアカデミー」というイベントを実施してきたそうで、第1回では、大阪市立大学で行われたアジア・アートマネジメント会議の出張報告会を、第2回では、日本一分別基準が厳しいと言われている新潟県水俣市の23区分に挑戦してみるワークショップ、「ごみ分別ナイト」を行い、今回、第3回目として「フィリピンナイト」を開催してくれるとのこと。
  前島アートセンターによると
「沖縄から地理的にも近く、歴史的な背景にも共通する部分が多くあるものの、どのような国であるかいまいちイメージできない部分も多いフィリピンという国にスポットをあて、フィリピンの食事や文化を体験しながら、フィリピンに関係する人物へのインタビュー等を見てゆく企画です」
とのこと。9-kyu-オーナーの内田牧子さんが、前島アートセンターと協力して沖縄のフィリピン関係者に広く声をかけてくださっているそうで、何が飛び出すか、とっても楽しみ!
沖縄のみなさま、ぜひお立ち寄り下さい!


前島アートセンタートランスアカデミー2010Vol.003
「フィリピンナイト

日時:2010年7月23日(金)19:00〜22:00
場所:前島アートセンター おきなわ時間美術館(栄町市場内)
お問い合わせ:macinfo@maejimaac.net/098-885-9371(前島アートセンター)

主催:前島アートセンター トランスアカデミー実行委員会
共催:ミニギャラリー&アート雑貨 9-kyu-

9-kyu-での企画展の紹介が「沖縄タイムス」にも紹介されたそうです。
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by cordillera-green | 2010-07-22 11:04 | その他

今年もよろしくお願いいたします

あけましておめでとうございます。 

フィリピン人の長~~~~いクリスマス休暇もそろそろ終わって、そろそろスタッフのみんなも帰省先からバギオに戻り、お仕事復帰のはず。今月下旬のエコサミットに向けて、帰ってラストスパート!と空港に向かったのですが、いまどき珍しいオーバーブッキングで1席足りないそうで、わが家族(4人)と空港で会った日本人のスタッフ岡田と足止めを食らってしまいました。人数多いくせにチェックインが遅れた私たちも悪いんだけどね。

航空会社からは空港近くのホテルの3食付き宿泊券&往復無料航空券をいただき、「9キロ超過していた荷物の超過料金もいらない、なんだったらもっと荷物を足してもらってもいい」と言われましたが、喜んでいいのやら。いざ指定されたホテルにチェックインして、ここでできる仕事は片付けちゃおうと、頭の中をお仕事モードにシフトしたとたんに、帰比後にやるべきことの多さに唖然です。明らかに正月ボケしてましたああ。。。

バギオに着くのが8日の朝というのに、8日は、もう被災地視察の中越組がマニラ到着です!まるで、追っかけごっこ。
9-10日は、レパント会場のステージセットアップだったのでは?
エドガーさん、材料の竹はちゃんとそろえているのでしょうねえ。
山の村の演劇グループの人たちは、吉田智久さんがいなくてもちゃんと練習してくれているんでしょうねえ。。。。

ここ日本であせっていてもしょうがないので、まずは明日の飛行機に無事に乗せていただくことを祈るしかありません。

日本での2週間の滞在期間中に、エコサミットに来てくださる方とは、みな打ち合わせができました。みなさんの来比の日程はほぼ決まりです。
戻ってからすべての最終チェックをして、万全の体制でエコサミットに備えます!

エコサミットのあとも、2月~3月のバギオいちのお祭り「フラワーフェスティバル」、4月の「アースデイBaguio」などなど、CGNは環境イベントの企画をあたためています。ぜひぜひ、旅行がてらバギオに遊びに来てくださいね。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。
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by cordillera-green | 2010-01-06 16:57 | その他

台風17号Pepengの被害                救援と復興のための援助のお願い

CGN代表の反町です。
台風「オンドイOndoy」が引き起こしたマニラの大変な洪水について前回のブログでお知らしたばかりですが、次の台風17号「ペペンPepeng」は、CGNが拠点としているコーディリエラ地方を直撃しました。おととい10月9日まで1週間以上雨が降り続き、とくに10月8日には大量の雨が降り、各地で土砂崩れが起きてたくさんの方が亡くなっています。
バギオ市内の多くの箇所で10月9日の夜まで停電し、ケーブルテレビも不通、どこもかしこも道路は濁流の川と化して土砂がすごい勢いで流れており、とても外出できる状態ではなく、被害の全貌は不明でしたが、徐々に山岳地方各地での甚大な被害の情報が入り始めています。
今日(10月11日)の朝のABS-CBNニュースでは、コーディリエラ地方では、193名死亡、46人が以前行方不明のままということです。今日、発行の日刊紙サンスターでは213名と報じられていました。刻々と被害者の数が増え続けており、これからさらに被害者の数が増えていくのではないかと懸念されます。(北ルソン日本人会(JANL)のブログに、現地ニュースの要約&翻訳がアップされているのでご覧ください。)

バギオ市内だけで、11の土砂崩れで62名が死亡という情報があり、町のど真ん中の、お隣のラ・トリニダードに向かう幹線道でも大規模な土砂崩れがあり7人が犠牲となりました。私が3ヶ月前まで住んでいたキットマでは16人が犠牲に。今は空き家の以前住んでいた家も土砂崩れの被害を受けていると聞いてショックでした。

今までに入っている情報で被害が最も大きいのは、ラ・トニダードのリトル・キブガンという集落を襲った土砂崩れ。土砂崩れは8日の夜10時くらいに起き、あっという間に34軒の家を飲み込んでしまい、100人以上が生き埋めになりました。
リトル・キブガンはベンゲット州のキブガン地方からラ・トリニダードに移り住んだ人たちが住んでいるコミュニティです。キブガンはCGNがキープ協会とともに、2003年に最初の植林事業を行ったところで、現在BSU(ベンゲット州大学)に通っているCGN奨学生のうち17人のふるさとでもあります。CGNのフォレスターのうち、ブルーノとジュニファーもキブガンの出身。今年5月にも、以前の植林地のモニタリング調査に出かけ、また、栽培したコーヒーのフェアトレードについてのセミナーを開き、今後も事業を継続しようと事業計画書を準備しているところでした。
「もしかしたら、奨学生が土砂崩れに巻き込まれたかも」と一瞬青ざめ、携帯電話を持っている奨学生たちに連絡して調査してもらいましたが、「親戚が巻き込まれたものはたくさんいるが、幸いにも奨学生たちはみな無事だった」とのことでした。ひとまず安心したものの、被害にあった方たちに心ばかりのお見舞いに伺おうと、日本の方々から送っていただいたゴムぞうり、古着、タオル類に加え、缶詰、パン、インスタントラーメン、干し魚などを購入し、被災者が身を寄せている避難所と、土砂崩れの現場を訪れました。

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↑被災者の避難所は近くの小学校。掘り出された遺体もここに運ばれてきます。
心ある人からの食べ物や衣類の寄付もたくさん集まっていました。

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↑BSUの奨学生たちが救援物資を運んでくれました。

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↑掘り出された遺体は、小学校の教室に運ばれてきます。
遺体の身元が確認されると、黒板に名前が書き込まれていきます。
昨日のお昼の時点では58人の名前がありました。
泥だらけで呆然自失の人が教室の前にしゃがんでいました。

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↑ポリスの制服を着た人たちが半ズボン姿で必死で泥を掘り起こしていました。

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↑土砂崩れは、トリニダードからロンロン、ラムタン方面に向かう道路沿いにおきました。
無理な傾斜に道路を作ったため、山の形が不自然に切り取られていたのでしょうか。

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↑コンクリートの建物もあっけなく流されており、土砂崩れがいかに大きなものだったか想像できます。


リトル・キブガンでの土砂崩れのニュースとほぼ同時に入ってきたのが、マウンテン州のタジャン地方のカヤン村での土砂崩れの一報。18軒が壊され、現在までに15人の死亡が確認され、まだ15人以上が土砂に埋まったままということです。タジャンはCGNの副代表・ジャン・タクロイ教授とリリー、クリフォードの3人のスタッフのふるさとであり、カヤン村と共同で準備中の事業もあります。ジャンの親戚も土砂崩れにあったということ。ジャンを中心に現地と連絡をとり、米や食料が不足しているとの連絡を受け、土砂崩れで交通止めになっている山岳部に続く幹線道路のハルセマ道の開通を待って、救援物資を持って現地にスタッフが向かうということで、昨日10日朝よりスタンバイしていましたが、結局、昨日は道路は開かず。今朝の情報ではハルセマ道の土砂崩れは大規模なもので、18km地点から35km地点までは、徒歩で歩かなければならないということ。山岳民族の人の足で5-6時間の徒歩となります。復旧には少なくとも1週間という話です。必死の思いで土砂を掘り起こし続けているタジャンの人たちのことを思いながら、なすすべがなく、ひとつでも貴重な命が救われるよう、私たちには祈るしかできません。

 また、CGNのカルラのふるさとのマンカヤンでも土砂崩れでも18名が犠牲になり、柏崎市の「未来予想図プロジェクト」で支援しているHCRCIの本拠地・ブギアスでも今日の時点でわかっているだけで、22人が死亡、30人以上が行方不明となっています。二つの町ともタジャンへ向かうのと同じハルセマ道沿いにあるため、バギオやトリニダードからの救援は、物資、人員ともほとんど現地にたどり着けない状態です。今日のミッドランド紙によれば、フォレスターのレナートの実家のあるベンゲット州ツブライのアンバサダー村でも12人が犠牲になったと報道されています。
 バギオ市でさえ、すべての幹線道路がいまだ閉鎖されたままで陸の孤島状態ですから、ここから先の山岳部の村々への道路が開通するにはまだまだ時間がかかるでしょう。また、電気のない村、停電したままの村も多く、なかなか正確な情報が把握できません。そこが、マニラでの災害とは大きな違いといえるでしょう。迅速な対応ができないのがなんとも悔しいところです。

CGNでは、私たちのネットワークを通して情報を集め、今後の復旧活動に向けて、必要とされている支援をしていきたいと考えています。義捐金に加え、古着、寝具、生活用具、文具、工具、農具などの寄付を受け付けますので、よろしくお願いいたします。

●義捐金の振込先
ゆうちょ銀行振替口座
001401-51319
口座名:コーディリエラ・グリーン・ネットワーク

シティ・バンク 銀座支店
普通196-2043
口座名:ソリマチマリコ

フィリピン国内からお振込みいただく場合
Bank of Philippins Island(BPI)
Baguio Session Branch
Saving 0573-3058-76
Cordillera Green Network

お振込みいただいた場合は,
saliwmusic@hotmail.com 反町まで、メールにてご連絡いただけましたら幸いです。


古着、寝具、生活用品、文具、工具、農具などの送り先:
(郵便局から送付の場合)
Cordillera Green Network Inc.
P.O.BOX 540, Baguio City, 2600, Baguio City,Philippines
Tel:074-423-0839/0928-521-8124

(国際宅急便Door to Door で送付の場合)
荷物の量が多い場合は格安です。下記のHPを参照ください。
http://www.cellphone.ph/DoorToDoor/index.html
送り先:Cordillera Green Network Inc.
#14 General Lim St., Baguio City, 2600, Philippines
Tel:074-423-0839/0928-521-8124


どうぞよろしくお願いいたします。

なお、バギオに続く幹線道路の、ナギリンアン、ケノン、マルコスハイウエイはいずれも大きな土砂崩れでいまだ閉鎖。バギオではすでにガソリンスタンドではガソリンが売り切れとなり、不安を抱いた住民の米をはじめとする食べ物の買占めが始まっています。ハルセマ道路が閉鎖のため、マーケットには野菜が入荷せず、野菜の値段はあっという間に高騰しています。
野菜栽培を生業にする人、ほとんどが日銭暮らしの小さな商売を営む人々にとっては、これからが苦難のときだと思います。
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by cordillera-green | 2009-10-11 21:23 | その他