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森の声に耳を傾けよう! 

 バーリグに向かう道すがら、山火事で茶色く変色した森や、まさに煙を吐きながら燃え盛る森を目にして、本当に悲しくなりました。これらの山火事は、自然発生的に起こったものではなく、また、煮炊きの薪の火が事故で燃え移ったわけでなく、多くが意図的に人の意思によって燃やされたものなのです。
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「森を邪魔と思うナマケ者がいるんだ」
と、同行のバーリグ出身のマイケルさんが辛そうに言っていましたが、
なぜ、山の村で森と一緒に育ち生きて来た人が、森をいとしく思わないのでしょうか。
火を放たれた森の木々の叫びや鳴き声が聞こえないのでしょうか?
伝統的にはコーディリエラの山岳民族は、森と生かし、森からの恵みを受け、森とともに生きるたくさんの知恵を持っていました。
「伝統的」といってもそんな昔ではなく、ごく最近までです。
 それが、市場経済の波が山奥深い山岳民の村にまで入り込み、現金を手に入れたいがために、森を破壊しはじめています。
 すさんでしまった人の心には、もう森の叫びが耳に入りません。

 CGNが環境教育にアートを取り入れているのは、環境問題の知識(「地球温暖化とはなにか」とか、「気候変動とはなにか」とか・・・)を教える前に、自然を感じる力を取り戻すことが大事だと考えているからです。自然をいとしく思い、自然の中にある木や花や草や小さな生物に愛情を感じる感性がよみがえってきたら、誰が山に、森に火を放つでしょうか。
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 森を守り、苗木を育てると同時に、人の心を育てなければ、環境保全活動にはならないのです。だから、CGNの環境保全のフィールド活動は、いつも環境教育とセット。それも、自然の息吹を感じられる感性を育てるためのアートを使ったプログラムをその土地にあった形にアレンジして環境教育に組み込んでいるのです。
なにより、なにかをクリエイトする(創造する)というのは、楽しいでしょう? その楽しさをとくに子供や若者たちに伝えたい。もともと、人は自然のものだけの中で暮らしてきたはずで、そのときは彼らの暮らしの中は多分「創造」と「想像」に満ちていたことでしょう。それが外からモノや情報が入ってきたと気に失われていき、いま、お金の魔力に取り付かれた人たちが口にするのは
「●●さえあれば、もっと便利で幸せなのに」
という、モノに対する欲求ばかり。お金がなくてモノがないから、自分達は「不幸」といわんばかり。でも、ちょっと前までは、工場で作られてきたものなんてひとつもなくても「想像力」と「創造力」で人々の暮らしはちゃんと営まれていたのです。「不幸」を感じるのは、人の気持ちが変わっていしまったから。
 私たち日本人の暮らしはホントウにたくさんのモノにあふれ便利になって、フィリピンの人には究極の「幸せ」に見えるかもしれないけれども、心に「不幸」を抱えている人もたくさんいます。それは多分やはり、「想像力」と「創造力」を失ってしまったからかもしれないな・・・と思っています。だから、「想像力」と「創造力」を取り戻すための、アートなのです。

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   ↑2007年の世界環境デーには、インドネシアから日本人アーティスト・廣田緑さんと
    陶芸家・ササンを招待して、「Whrer have all the monkeys gone?
    (サルはどこ行った?)」    という陶芸アート企画を山の村・キブガンで行ないました。


(反町が2007年のCGN主催の環境&アートプロジェクト「Where have all the monkeys gone?」のパンフに書いた「環境とアート」についての原稿はこちら


2009年1月に開催した「第2回コーディリエラ・ユース・エコ・サミット」にゲストとしてきてくれた、熊本県の菊池高原で有機栽培のお茶農園を切り盛りしている正木ラビちゃんが、CGNのフォレスターと一緒に植林地を見に行ったときのこと思い出しました。フォレスターのブルーノとジュニファーが、同行してくれたギタリストOTOさんのウクレレを借りて、とても上手とはいえない歌を植林した山で歌ったとき、
「苗木たちがとてもうれしいそうにソヨソヨした」
ってラビちゃんが言っていましたっけ。
そういえば、ラビちゃんのお父さん、正木高志さんが主催している環境NGOの名前は「森の声」でした。
そう、みんな、まず、森の声を聞きましょう!
そして木を植えましょう!

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   ↑第2回エコサミットでのOTOさん&ラビちゃん
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by cordillera-green | 2010-03-30 09:53 | 植林/アグロフォレストリー

乾季真っ盛り。コーディリエラの山では山火事が頻発してます

 先日、マウンテン州のバーリグという、州都ボントクのお隣のムニシパリティ(=郡)、そして、植林事業を進めているカリンガ州タブック町のマララオ村に行ったのですが、途中の山の様子は目を覆わんばかり。台風ペペン以来、ほとんど雨が降っていない乾季真っ盛りの中、焼畑のために入れた火が燃え広がったのでしょう。いたるところが茶色い森に姿を変えていました。野菜畑が燃えてしまったところも。台風ペペンの土砂崩れが、まるで傷跡のように残る森が、今度はかさぶたのような茶色のパッチで覆われていて、コーディリエラの森はまるで瀕死の重傷です。

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 とくに、ボントクからバーリグに向かう道沿いは、いたるところ煙がモクモクたちこめていました。運転手のジャクソン君が「これが本当のスモーキー・マウンテン」なんて冗談を言っていましたが、笑えないほど深刻な状況です。
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 同行してくれたバーリグ出身の農民マイケルさんは
「They are burning their life!」
とため息混じりに悲しそうにつぶやきました。
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     ↑マイケルさん。後方はマイケルさんのオレンジ(ポンカン)畑

そう、森は命の源です。
一刻も早く何とかしないと、山からは森が消え、川の水は干上がり、人々の暮らしにも影響が出ます。

ボントク地区を抜けてバーリグに入ると、まだ原生林が残っていて、その豊かさに本当にほっとしました。
このバーリグの深い緑を愛するマイケルさんたちからの誘いで、今回のバーリグ訪問が実現しました。CGNがコーディリエラ地方でも残りわずかといわれているバーリグの原生林を守るために何ができるか、これから地元の人たちと一緒に考えていきたいと思います。
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    ↑バーリグ郡Lias村には森の中にコーヒーの木が植えられていた。

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    ↑バーリグのこの森に、イサベラ州の穀倉地帯へ流れるシフ(Siffu)川と、
     カリンガ州タブックの穀倉地帯に流れるチコ(Chico)川の水源があるのです。
     守らねば!
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by cordillera-green | 2010-03-29 09:50 | 植林/アグロフォレストリー

BSUの奨学生たちとコーヒーの選別

 CGNのグリーン奨学金プログラムでベンゲット州立大学(BSU)で学ぶ学生たちは、多くがべンゲット州キブガン出身です。CGNの植林、およびアグロフォレストリー事業に積極的に参加してくれた村民から応募者を募ってきたからです。

 キブガンは政府がはじめたOTOP(One Top One Product=日本の一村一品運動ですね)プロジェクトで、コーヒーを選びました。それまでのキブガンはいたるところサヨテ農園。急峻な山でも育つサヨテ(はやとうり)は確かにキブガンの地形に合っていましたが、価格が安く、また重いので、重労働の割には収入が少なく、キブガン村民の暮らしは楽にはなりませんでした。また、単一作物による栽培が長く続いたため、土地が疲弊し、化学肥料の大量使用が必要になってきていたこと、また、病気が流行ったことなどが原因で、町は必死にサヨテに代わる効率のいい作物を探していました。
CGNがキブガンで植林事業を始めたころ、現在町長であるシアット氏が中心となり、まだあまり知られていなかったアラビカ・コーヒーの栽培を始めていました。CGNも協力を申し出て、CGNとしてはじめてのアグロフォレストリー事業で6000本のコーヒーの木を植えました。2004年のことです。

 そのコーヒーが、いま実をつけ始めています。今度はそのコーヒーをどうやってちゃんと収入につなげることができるかが問題になってきます。CGNでは、昨年キブガンで、コーヒーの品質や収穫後のプロセスの方法についてのセミナーなどを行いました。
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   ↑講師はRichard Abellon氏(写真はアンバサダー村アキキでのセミナー)
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   ↑セミナーの参加者はとても真剣です

 先日、ベンゲット州立大学で学ぶキブガン出身の奨学生たちにもぜ知ってもらい、将来コミュニティでその知識を生かしてほしいと、コーヒーの選別の方法の実践講習をやりました。もちろん、私も参加。
・虫食い豆
・未熟豆(黄色っぽい)
・発酵豆(黒っぽい)
・砕け豆(シェルと呼ばれる中身が空洞の豆)
そして、
・ピービーン(pea bean=豆が二つくっついていて丸くなっているもの)
を根気よくより分けます。
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   ↑リチャードさんが奨学生に丁寧に教えてくれます。

始めてしまうと夢中。お昼を食べるも忘れて選別し続けました。CGN事務所には現在300キロ以上コーヒーの生豆があるのですが、半日7人でやって選別し終わったのは慣れないせいもあって10キロほど。いやはや、たいへんな作業です。食卓にのぼるおいしいコーヒーの裏にはこんな作業があったのか、と作業後に味わうコーヒーにいままでよりちょっぴり深い味わいを感じました。

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by cordillera-green | 2010-03-28 21:11 | コーヒー

エコバッグ展 子供たちの新作続々

3泊4日の山岳地方の村々への旅から戻って、トリニダードのストロベリーーフェスティバルで開催中のエコバッグ展をのぞきに行ったら、子供たちが描いたとてもかわいいエコバッグが新たにたくさん並んでいて、とてもうれしくなってしまいました。ここにその一部を公開!

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    ↑ブース担当のジュンジュン君 

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    ↑ジュンジュン君もエコバッグ描きました。色使いがきれいだね。

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    ↑この女の子は毎日来ます。このエコバッグがお気に入り!

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    ↑今日はTV局(GMA)が取材に来ました。明日の朝7時のニュースでオンエアです!
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by cordillera-green | 2010-03-22 20:33 | 環境イベント

世界未来予想図・野菜クッキー販売開始!

 障害児のリハビリテーションを目的とするNGO「Heaven of Care Resource Center(HCRCI)」の活動をサポートしていただいている世界未来予想図実行委員会のご寄付によって始まったHCRCIのベーカリー・プロジェクト。さまざまなテスト商品作りを経て、刻んだオーガニック野菜を入れた野菜クッキーに商品をしぼって発売し始めています。

入っている野菜の種類は現在5種。
・かぼちゃ-フィリピン人には不評で、最近あまり作っていないそう。
・マルンガイ-チキンスープ「ティノーラ」や緑豆(モンゴ)スープに入っている丸い葉っぱです。鉄分&カルシウム豊富で、健康野菜として注目を浴びています。
・にんじん-なじみがあるし、食べやすいかも
・スピナッチ-日本語に訳すと「ほうれん草」ですが、日本のほうれん草とは違うハート型の葉っぱをした野菜。あくが強いです。クッキーにしても苦味が少しあるかな。
・ガーリック&オニオン とパッケージには書いてありますが、オニオンはオニオンリークでねぎのこと。大人の味。私のいちばんのお気に入りです。

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どれも栄養分たっぷりの野菜たちで、しかもオーガニック。
味も甘みを抑えてあり、前はふにゃふにゃだった歯ごたえもしっかり。もちろん添加物は一切なし。なかなかおいしいクッキーに仕上がりました。子供たちのおやつにはぴったりの健康クッキーです!

先日、HCRCIのアーリンのところにうかがったら、ちょうどクッキーを焼いているところでした.クッキー作りをしていたのは、障害児のお母さん一人とアイリーン。いまは火曜から金曜まで、毎日焼いているそうで、日替わりで障害児のお母さんたちが手伝いに来てくれているそうです。

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きっちり材料の重さも量り、クッキーがおんなじサイズになるように慎重に作っていました。
「もう少し厚めだったんだけど、歯の悪い年配の方からかみにくいって言われて、少し薄くしました。その分、いままで1パック5枚入りだったのを6枚入りにしたのよ」
とアイリーン。いろいろな方のアドバイスを聞いて、少しずつ改良を重ねている姿勢がすばらしいですね。
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 販売は、知り合いからの注文を中心に行なってきましたが、バギオ市のど真ん中・カテドラルの前のPorta Vaga駐車場の片隅にある、SHIMシスター運営のMountain Grown Natural Food ストア(前にブログで触れたトゥブライ郡アンバサダー村マモヤッグ集落のオーガニック農園の野菜もここで買えます!)でいよいよ、一般への小売も始めました。在バギオの方はぜひぜひお試しください!1パック27ペソで販売しています。日本へのお土産にも注文くださいね。
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   ↑シスター・ドロレスが一生懸命売ってくれています。

 日本では、世界未来予想図実行委員会・下條先生の柏崎市ナチュラル・メディカルで販売してくださっています!(販売でしてくださるところ募集中です!1パック200円-送料込みです)

 なお、世界未来予想図プロジェクトは、今年はタイがパートナーだそうです。タイ側のパートナーは、バームロムサイban rom sai(http://www.banromsai.jp)という、チェンマイでHIVに母子感染した孤児たちの施設を運営しているグループです。バームロムサイの子供たちの描いた未来予想図は、1月の柏崎での展覧会を経て、5月29日&30日、原宿のネスパス表参道での展覧会が決まったそうです。

お問い合わせは下記まで。
未来予想図実行委員会
945-0076 柏崎市小倉町11-16
電   話   0257-21-1625
ファックス   0257-47-7211
natural@kisnet.or.jp
詳細は世界未来予想図実行委員会のHPをご覧ください。

 タイの子供たちの描いた未来はどんなのでしょか?
 北ルソンの子供たちとはどう違うのかな??
 私も行ってみたい!
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by cordillera-green | 2010-03-22 14:25 | みんなの未来予想図

終わっていない台風ペペンの被災体験

台風ペペンでマウンテン州タジャンで起こった土砂崩れで土砂に埋もれ、両親と赤ちゃんだった弟を亡くしたものの、もう一人の弟とともに救出されたアーリナ。前回訪問したときは、切断した足からまだウミがあること、まだ、骨折した腰の骨の回復状態が思わしくなく立てないこと、もう一度手術をしたほうがいいとドクターにいわれたことなど、ケガの状態を話してくれました。土砂崩れから5ヶ月もたっており、世の中は一見何事もなかったかのように平静を取り戻しているのに、まるで時間が止まっているかのようなアーリナの状態に心が痛みました。

その後、CGNスタッフのリリーが訪ねたときの話では、手術をしたそうですが、切断した足の肉の再生状態が遅れていて、今回の手術では仮の処置しか取れなかったということ。切断面をカバーするために1年後ぐらいに再手術がまた必要だと言われたそうです。また、腰骨の骨折は止めていたボルトが出っ張ってきたため抜いたそうですが、いままで動かせていた切断していないほうの足も動かせなくなってしまったそう。
まだ、車椅子でも外出は難しい状態で、自分の足で松葉杖で歩く日は見えてきません。

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12月に被災地視察にいらしてくださった「ヒューマンシールド神戸」の吉村誠司さんは、今年高校を卒業するアーリナが進学したければ、サポートしてくれるとお約束くださり、アーリナはたいへん喜んでいました。

アーリナに
「卒業語の進路は決まった?」
と尋ねると、以前の「看護婦になりたい」という希望から
「コンピュータを勉強したい」
と、進路の希望が変わっていました。病院内を歩き回り、体力も必要な看護の仕事は、たとえ義足をつけて歩けるようになっても自分には無理だと言う判断にいたったのだと思います。
「コンピュータだったら座ったままでも働ける」

「でも、このまま車椅子だったら、大学やカレッジに通うのは無理だと思う。
「バギオは坂だらけだし、学校の校舎は階段で教室に行かなくちゃいけない。雨季で雨が降ったら外に出るのだってむずかしい。タクシーだってつかまらない。。。」

そうなんです。日本でさえ、障害者のために駅にエレベーターやスロープがついたのは最近なのです。フィリピンの田舎町・バギオで、それを望むのは無理というものです。
その分、人の心が、障害者に優しいのがフィリピンのすばらしいところ。
「大丈夫。きっと誰かが手を貸してくれるよ」

「誰かお見舞いに来てくれた?」
「うん、高校の同級生がセント・ルイス大学(SLU)の入試のためにたくさんバギオにやって来て、みんな寄ってくれた」
にっこり笑いながらも、ちょっとさびしそうでした。
高校では成績優秀だったというアーリナ。あの台風さえなければ、きっと彼女もその同級生たちのグループの一員。6月からは晴れてセント・ルイス大学(SLU)の1年生だったはずなのですから。
「SLUの入試はもう終わっちゃった。たとえ腰の骨が回復しても、SLUには行けないわ。。。」

 そんな、アーリナに朗報。CGNの外部スタッフでもある写真家・ロエルがPCを1台、彼女のために寄付してくれました! 知り合いのつてで、オーストラリアのコールセンターからPC10台の寄付を受けたロエル。出身のイフガオ州にまず3台持っていきましたが、寄付先であるはずの学校ではなく、違う場所に設置されていたこと。そこで、寄付先を探しているときに、CGNからアーリナの話を聞いて寄付を申し出てくれたのです。

PCを届けに行ったら、あんまりいいニュースがない中、アーリナすごくうれしそうでした。

どうもありがとう!ロエル!
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   ↑ ロエルとアーリナ。左は彼女の下宿先のおばさん

アーリナは、勉強していたタジャンの高校の卒業式に出席するために、今月下旬、あの事故以来はじめてふるさとに帰る予定です。
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by cordillera-green | 2010-03-21 14:13 | 被災地復興事業

エコ・バッグ展 ラ・トリニダードのストロベリー・フェスティバルに会場を移して開催中です

 コーディリエラ・グリーン・ネットワーク(CGN)がバギオ市のフラワーフェスティバル「パナグベガ」で開催していたエコバッグ・キャンペーン。バギオを「Clean&Greenに!」との思いをもつアーティストたちに絵を描いてもらったエコ・バッグの展覧会は、パナグベガのセッションロードの後、コンベンション・センター前に会場を移す予定で、とりあえず2日間展示をしましたが、市政府から場所代などを請求され、「話が違う!」と撤退。バギオ市のお隣、ラ・トリニダードで開催中のストロベリー・フェスティバルに飛び入り参加しています。
 (ストロベリー・フェスティバルの様子は北ルソン日本人会(JANL)のブログにも紹介されています)。

 すっかりコマーシャライズされてしまって、地方色のカケラもなかったパナグベガと違い、ストロベリー・フェスティバルはローカル色むんむん。アロヨ大統領がすすめてきた一村一品運動で、ラ・トリニダードの特産品に指定されたイチゴで作ったさまざまな製品をアピールしましょうというコンセプトがとてもクリア。ラ・トリニダードの各バランガイ(村)が、自慢の特産品を展示するブースも手作り感いっぱいです。お客さんはほとんど地元の人。歩いている人の速度もゆっくりで、販売されているものの値段もリーズナブル。コンパクトですが好感が持てるお祭りです。
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    ↑CGNはコーヒーなどを売る小さなブースもやっています。

 CGNのエコバッグ展は、ラ・トリニダードの特産品のひとつであるコーヒー関係の展示の一角を借りて開催中です。昨日までの展示場所を、今朝また移すというちょっとした変更はありましたが、パナグベガでハバギオ市政府やパナグベガ実行委員会と納得のいかない交渉を繰り返してきたCGNスタッフはすっかりたくましくなっていて、会場の移転ぐらいなんのその。見事に数時間でセットアップを終えました。

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    ↑こちらが間借りさせてくれたクリスティンさんのコーヒー関係の展示。

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    ↑こちらは昨日までの会場。たくさんの人が関心を持って立ち寄ってくれました。

 ストロベリー・フェスティバル会場では、「I shop with my Eco Bag!」のコンセプトに沿ったエコバッグ・ペインティング・ワークショップもはじめました。無地のエコバッグを買ってもらって、ボランティアのアーティストの指導を受けながら、好きな絵を描いてもらって「世界にひとつのあなただけのエコバッグを作りましょう!」というもの。
 初日からたくさんの子供たちが参加してくれて、素敵な絵を描いてくれました。

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      ↑この4歳の女の子の作品は確実にアーティスト以上!

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      ↑友人のジョニーの子供たち。
       「すごく楽しくかった」って言って、2日連続で来てくれました。

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      ↑こんな小さな子も参加してくれました。アバンギャルド!

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      ↑もちろん大人の参加も大歓迎です。

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       ↑お絵かきが大好きなうちのキッズももちろん参加。
        キカは2日間で、すでに4つ完成!

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       ↑我が家のボーイズも1枚ずつ仕上げました。

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      ↑ワークショップの作品も乾燥をかねて展示されて、会場はますますカラフルです。

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      ↑バギオで個展を開催したことのある
       現代美術家・廣田緑ちゃんも作品を提供してくれました!

ストロベリー・フェスティバルでの展示は今月26日までです。
ぜひお立ち寄りください。
 
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by cordillera-green | 2010-03-14 21:45 | 環境イベント

HANA ICHIMONMEマニラ公演-アジアで日本人が戦争の悲惨を伝えようとすること

 コーディリエラ・・グリーン・ネットワーク(CGN)は、2010年度の環境教育プログラムに向けて準備を開始しています。1月に開催した「第3回コーディリエラ・ユース・エコサミットCordillera Youth Eco Summit」のために行った山岳地方の村の環境問題テーマとした演劇プロジェクトを、来年度は少し形を変え、より多くの山岳民族の方たちに観てもらい、環境に対する関心を高めてもらいたいという発展型環境演劇プロジェクトです。
 現在、環境演劇ワークショップのファシリテーターの人選、環境セミナーのテーマの選定、参加者の募集、脚本のベースにできる民話の収集、ワークショップ会場の手配、そして、5月末に予定している山岳民族の村でのエコ・シアターキャラバン実施に向けて、地方政府への協賛のお願いや、会場のチェックなどにスタッフが動き始めています。

 演劇をツールとして「環境問題」を伝えるためには、舞台をどう演出していくかがとても大切です。前回のエコ・サミットでは、日本人舞台演出家の吉田智久さんが全面協力してくださり、第1回&第2回に比べれば、確実にレベルアップしたものの、ほとんど劇団というものの存在しないバギオ。CGNのスタッフが見たり触れたりしたことのあるのは民族舞踏ショーどまり! だれもまともに現代演劇を見たことがなく、吉田さんが指導してくださっていることが「いまいちよくわかっていないんじゃないかしら・・・」との懸念もありました。そういう私も、自主制作映画やラジオ&テレビ番組の制作には関わったことがあるものの、演劇の制作現場には参加したことがなく、役不足。とにかく、本番では吉田さんが一人10役ぐらいをこなすことになり、スタッフ一同、深く頭を垂れるしかありませんでした。

 吉田さんが日本に一時帰国した後、CGN環境教育チームも「まずは、人の芝居を観て学べ」というわけで、Sinag Arts Foundation代表の舞台照明家・松本SHOKO直みさんのお誘いを受け、マニラのPETA(Philippines Educational Theater Assosiation=フィリピン教育演劇協会)の劇場で行われた「HANA ICHIMONME=花いちもんめ」公演に行ってきました。この公演は、福岡とフィリピンの演劇人の交流と育成を目的としたプログラムのひとつだということで、公演そのものはもちろん、演劇を通した国際交流のあり方、そして昨年環境演劇ワークショップをファシリテイトしていただいたPETAの劇場を見たいという目的もありました。

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 演目の「HANA ICHIMONME=花いちもんめ」(宮本研作)がどんなお話なのか、まるで基礎知識のないまま行ったのですが、中国残留孤児問題の裏にある、戦時中の中国における子供の売買をテーマにしたたいへん重い作品でした。

 第二次大戦の激戦地だったバギオ&山岳地方をベースに活動する私は、山岳民の方から大戦中の日本兵の残虐行為から日本兵とのラブロマンスまで、さまざまな話を聞く機会に恵まれてきました。また、慰霊にいらっしゃる大戦で家族を亡くした遺族の方、大戦を生き残って戦後をさまざまな思いを胸に日本で生きて来た兵士の方と話す機会もたびたびありました。それゆえ、 「花いちもんめ」は、戦いの裏にある知られざる戦争の悲惨を伝える話としてたいへん心に残りました。実際に銃を持たなかった女性や子供たちも、戦争がゆえに、人間としてのモラルを超えた行為にいたらずを得なかったこと、それを胸に秘めて戦後を生きてきたふつうの人たちがどれほど多くいたかということ・・・・
 いま、そういう方の多くが人に言えずに来た思いを秘めたままこの世を去りつつあり、二度と戦争を繰り返さないために伝えていかねばならないことがたくさんあるのではないかと感じています。

 演出の山田恵理香さん(福岡の劇団GIGAの主宰者だそうです)と公演後少しお話させていただきましたが、「花いちもんめ」は、彼女が演出してきたいままでの作品とは、ずいぶん毛色の違う作品だそうです。山田さんの年齢ではなんとかテレビのニュースで盛んに報道されていた「中国残留孤児の親探し」が記憶の片隅に残っているものの、若い人はまったく知らないとのこと。
「演劇には忘れ去られようとしている忘れてはいけない情報を伝えるという役割もあるのではとはじめて感じました」とお話しされていました。
 そして、アジアの国でアジアと日本の間の戦争をテーマにした公演を行うことの不安についても。
 被害者であったアジアの人々が「どんな受け取り方をするか」。それは日本にいては想像もつかないことでしょう。限られた情報しか教育の中で与えられてきていない日本人には、アジアと日本との戦争をテーマにした作品のアジアでの公演の反応はおそろしくもあると思います。こちらに住んでいる私でさえ、戦後60年間、日本に対する恨みを募らせてきた人に会い、恐怖に身を凝らせたこともあります。
 それでも、観客であるフィリピン人の反応を慮りながら、この作品をフィリピンでの公演の演目に選んだ福岡演劇チームの、過去を振り返りながら、それを踏まえて新しい関係を構築したいという「意思」に拍手をおくりたいと思います。
 演じた女優さんたちも、はじめは戦争に対する知識や関心がそんなになかったのに、稽古を重ねていくうちに「戦争はぜったいあかん!」となったそうです。

 山田さん演出の「花いちもんめ」は、もともと一人芝居だったのを、3人の女優による芝居に書き換え、字幕ではなく、女優が要所要所、ボイスオーバーのようなかたちで、英語でせりふを加えるという形でした。英語、日本語両方耳に入ってしまう私には混乱してしまうところがありましたが、いっしょに行ったCGNフィリピン人スタッフは涙していましたから、日本語のわからない人もちゃんと舞台に集中させることのできるいい演出だったのだと思います。

 CGN、あるいは反町個人としてとしては、2007年の在インドネシアの現代美術家・廣田緑の個展「Back of Affection」と、昨年のバギオ市制100周年のJUN AMNTO&レイ・バキリンの即興パフォーマンス公演「Remains」(演出:吉田智久)のプロデュースにおいて、第二次世界大戦の記憶がテーマとなっていました。日本人としてのアイデンティティを確認しながら、ここバギオにおいて芸術プロデュースをしていくときには、大戦の話が関わってくることは否めません。今後のこの地における活動のあり方を考えたときにも、いろいろ勉強になる公演でした。

 ちょうど、やはり大戦を含むバギオにおける日本人の歴史をテーマとした、在バギオの北ルソン日本人会(JANL)制作の演劇作品「ケノン-世界平和と調和への道」のDVDが出来上がり、バギオや大阪での上映日程が決まったという連絡がありました。 この作品は、昨年9月ののバギオ市制100周年のために制作され、バギオ市コンベンションセンターで上演されたものです。日比の俳優が共演。原案&脚本はマウンテン州出身の演劇家、ベントゥーラ・ビトット氏、演出は吉田智久さんが手がけています。舞台を見逃した方は、ぜひ足を運んでください。制作&バギオで公演にはCGNも少し協力しています。

 日程など詳細はJANLのブログで。
 


 
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by cordillera-green | 2010-03-13 13:49 | アート

John Frank Sabado"Eco Warriors"展

 在バギオの国民的画家ベネディクト・カブレラBenedict Cabrera(通称ベンカブBenCab)のコレクションを展示したベンカブ美術館(bencab Museum)のGallery Indigoで、ベンゲット州マンカヤン出身のアーティスト、ジャン・フランク・サバドJohn Frank Sabadoの個展”Eco Warriors(=エコ戦士)"を開催中です。

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            ↑John Frank Sabado(Midland Courier Webより)

エコ戦士は、イフガオ族の木彫りのお米の神様「Bulol」がガスマスクをつけ、壊れたチェーンソーを手にしたモチーフ。コーディリエラの森林を行くエコ戦士を描いたコンセプチャルな作品が多数展示されています。
とにかく、ペンとインクの細かい筆遣いとその作品の多さと大きさに圧倒。

先日、別の展覧会のオープニングにジャン・フランクに会ったので、
「どれぐらいかけて描いたの?」と聞いたら、
「約1年」と。
ベンカブ美術館オープン時にもう準備をはじめたそうな。
どうりで、ここのところ彼の姿を見かけなかったわけです。

一緒に行ったバギオ訪問中の伊藤神父さまが、彼の経歴を見て、
「学校でまったく美術の教育を受けていないんですねえ」
と感心していらっしゃいましたが、
独学でここまで行くのは、才能としかいえません。

物静かなジャン・フランクの、アートに対する情熱とコーディリエラ地方の環境破壊への怒りを
ちょっとユーモラスなエコ戦士に託して描いた個展。
ぜひ足を運んでみてください(3月27日まで)。

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      ↑ベンカブ美術館前で。伊藤神父さまと

しかし、ベンカブ美術館はすばらしいです。建物もコレクションも。
(特にコーディリエラ地方のアーティストの作品は充実)
フィリピンいちの私設ミュージアムであることは間違いなし。
フィリピンいることを忘れてしまいます。
いったいどのくらいの広さがあるかという敷地もすごい。山岳民族の小屋から、池から、畑から、孔雀までそろっています。

ベンカブは、CGNをはじめた2001年の最初のプロジェクト「Cordillera Ecological Painting Competition」の審査委員長をしていただいて以来の知り合いですが、
こんな大きな夢をかなえちゃった心境というのはどんなものなのでしょうか?
ちょっと聞いてみたくなりました。

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        ↑Cafe Sabelの食事もおいしくて景色も抜群。
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by cordillera-green | 2010-03-10 13:44 | アート

台風ペペン復興事業-コロス集落・持続可能な農業推進プロジェクト開始

 コーディリエラ・グリーン・ネットワーク(CGN)は、昨年10月の台風ペペンによる土砂崩れで40軒が被害を受けたベンゲット州ツブライ町アンバサダー村コロス集落で、「SUSTAINABLE AGRICULTURE ASSISTANCE FOR THE TYHOON VICTIMS IN COROZ(=コロス集落における台風被害者に対する持続可能な農業アシスタンス)」事業を開始しました。

 コロス集落での台風被害の様子は以下のブログをごらんください。
   http://cordillera.exblog.jp/12356840/
   http://cordillera.exblog.jp/12514439/

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      ↑コロス集落に向かうハルセマ道の土砂崩れ現場は
       まだ災害外直後以降なんら工事が行われていません。
       土砂を掻き分けただけの状態。
       雨季の大雨や台風で、通行止めになるのは間違いありません。

 CGNスタッフによる現地調査インタビューでは、コロス集落の住民達がもっとも必要としているのは、収入源である畑を元に戻すための「野菜の種」「肥料」「農薬」「畑に水を引くためのホース」ということでした。
 ベンゲット州の農民のほとんどが化学農法を行っていますが、化学肥料や農薬を買うためにローンをしている農民が多く、台風などの災害で畑がダメになり収穫できないと、ローンが膨らんでいくという悪循環が生まれます。台風ペペンの被害ももその例にもれませんでした。多くの農民がローンの返済ができずに、利息を膨らませてしまいました。

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    ↑コロス集落の土砂崩れ現場は5ヶ月たったいまも何も手を加えられていません。

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    ↑道路も崩れたままなので、この先に住む人たちは交通手段がありません。
     政府の指導により40軒全員が、別の場所に移り住むことになりました。

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    ↑集落では焼き畑農業が行われていました。
     雨がまったく降っていないこの時期に山に火を入れるのは
     大規模な火災につながる可能性があり、たいへん危険です。
 
 CGNは、コロス集落での農業復興事業を

・今後起こりうる災害にたいして最小限の被害で抑えられるような強い環境を作る
・ローンに頼る化学農法から手間はかかるが、経済負担の少ない有機農法に転換、しライフスタイルを変換する

ためのいい機会と捉え、単に農民側からリクエストのあった「必要としているもの」を与えるだけでなく、セミナーやワークショップを通して、災害に強く環境負荷の少ない農業とライフスタイルの指導を行っていくことにしました。

 3月2日、事業の最初のプログラムとして、40軒の受益者向けのオリエンテーション&セミナーを行いました。内容はCGNの紹介に始まり、「気候変動」「地球温暖化」「エル・ニーニョ現象」など、台風ペペンと現在の水不足で、一般の農民にとっても他人事ではなくなった地球上で起こっている環境問題の解説、持続可能な農業の利点と紹介、斜面に植えれば土砂崩れの防止にもなり、かつ収入も望めるアグロフォレストリーの紹介など。
 一般の農家の人たちは、なかなか地球温暖化の話など熱心に聞いてくれることが少ないのですが、台風ペペンで深刻な被害を受けたコロス集落の人たちはたいへん熱心に耳を傾けていました。
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     ↑セミナーの進行は、アジア学院(栃木県)で持続可能な農業を学んだローデス。
    
 いままでの数回の現地調査では、住民側からの植林に対する要望はなかったのですが、今回のセミナーの後には、
「植林やアグロフォレストリーの指導もしてくれ」
「苗木も配布してほしい」
という積極的な意見が出ました。
住民自らが「変わろうとしている」という意思をたいへん心強く思いました。
 コロス集落での持続可能な農業(そしてアグロフォレストリー事業)が成功すれば、ベンゲット州のほかのコミュニティにとってたいへんいいモデルケースとなると思います。 
 来週からは、さっそく有機農業の実践指導を開始します。

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   ↑農業指導は、やはりアジア学院で学んだレナートがローデスとともに行う予定です。

 
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     ↑ローデスがアジア学院で有機農業を学ぶために留学していたときの
      同級生・伊藤幸史神父がバギオを訪問中で、
      コロス集落でのセミナーに参加してくださいました。
      写真は、コロス集落からの帰りに寄ったカソリックのシスターたちが運営する
      オーガニック・モデル農場を訪問したときのもの。
      こんなおいしそうなレタスがコロス集落でも採れる日が来ることを目標に
      がんばりましょう!
  
  
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      ↑シスターたちは、バギオ市内の有機野菜ショップで売る
プチトマトの出荷作業をしていました。
       見てください。このおいしそうなトマトの色!
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by cordillera-green | 2010-03-07 15:12 | 被災地復興事業