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奨学生たちとKIWASさんのプレイベート水源訪問

 フィリピンの学校は10月の頭から11月の頭まで、セメスター・ブレイクといわれる休暇。11月1日のAll Saints Day(万聖節)は日本のお盆のようなもので、みな故郷に帰ってお墓詣り。なので、このセメスター・ブレイクは、お盆休みのようなものです。
 CGNのグリーン奨学金プログラムで学ぶ53名の大学生たちも前期の期末試験を終えてホッとして休暇に入っています。みながふるさとに帰省する前に、レクリエーションと奨学生間の交流、それに学校では教えてくれない課外授業と環境教育のプログラムを2日間行いました。実はカリンガ州タブックのカリンガ・アパヤオ州国立大学(KASC)で学ぶ学生対象には9月の連休中にプログラムを終えていて、今回はベンゲット州国立大学(BSU)で学ぶ19名、イフガオ州国立大学(IFSU)1名、ビガンの北フィリピン国立大学1名、アブラ州バンゲットのアブラ科学技術研究所1名、そしてカリンガでのセミナーに参加できなかったマララオ村の3名の25名が参加しました。

 1日目はいわば個人起業ワークショップとリーダーシップ・セミナー。とにかく失業率の高いフィリピン。せっかく奨学金をもらって大学を卒業しても就職できるとは限りません。ショート・カット(近道)しての海外出稼ぎばかり夢見てないで、地元にある資源を利用して小さなビジネスを起こすという手もあるよ!という提案です。「豊かな自然に恵まれたふるさとを持つあなたたちの身の回りは宝の山ですよ。それらを生かしてどうやってお金に結びつけるかは、工夫次第やる気次第・・・」といった意図のセミナーです。

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↑キワスさんの家のティラピアの池です。

 2日目は天然温泉で知られるアシン・ロードの温泉のちょっと手前TadianganバランガイのキワスKiwasさんのお宅と山を訪問。キワスさんとは7月の天然資源省の環境パートナー授賞式で一緒に表彰されたことから知り合いになりました。その時のCGN以外の受賞者はアパヤオ州ルナの住民組織LAPARENESI,アブラ州のPamora農場、そしてベンゲット州からは二人の個人が受賞。
「市民団体やNGOでなくて個人で受賞するっていうのはどういういうこと?」
と奨学生と一緒にお訪ねしお話を伺うことにしたわけです。

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 キワスさんはイバロイ民族で現在86歳、奥様は85歳。40年間アメリカで米軍の機械工として働き62歳で早期退職。80年代にふるさとのTadiagngan村に戻ってきました。道路沿いに大きな家を建て、裏山から水を引き、悠々自適な老後生活。そこに1990年のマグニチュード7.8のバギオ地震が起きたのです。地形が大きく変わり、裏山の水源も一カ所を除いて土に埋もれてしまったそうです。
 実は地震前までは裏山は売ってしまおうと思っていたというキワスさん。この地震の経験を経て考えが大きく変わりました。
「水源を守らなければならない」
 アメリカにいた40年の間に伐採が進んでいた裏山に木を植え始めました。埋もれた水源も掘り起し、コンクリートでタンクを作り、コミュニティに引く水を供給し始めたのです。
 キワスさんの家の敷地にはガチョウの泳ぐ池にティラピアの養殖池。なんとプレイベートプールまでありました。水があるということは、なんと豊かなことでしょうか。
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↑こんな山道を登って水源を訪問。全部で4つのタンクが5ヘクタールの敷地にあります。

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↑このコンクリートタンクの中には清らかな水が湧き出ていました。

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↑これが訪ねた4つ目の水源。周りには植林したマホガニー、メリーナなどが育っていました。

 だれもが羨むキワスさんの大豪邸。噂を聞いたバギオ市の有名政治家たちは、この庭を借り切ってクリスマスパーティや、ウェディングパーティなどを行うこともあるそうです。
 しかし、キワスさんは奨学生に繰り返し語っていました。
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 「私はアメリカで40年間、奴隷のようにあくせくと働いてきました。アメリカで仕事を得るということは企業や組織のためにお金を稼ぐということ。それができなくなったら”ただの用無し”でしかないのが、アメリカの社会なのです。もちろんアメリカでは仕事が見つかればローンを組んで家も買えます。引退した後も年金がある。でも、ここで仕事が見つかったならそれを捨ててまで海外に出稼ぎに行くことはないですよ。ここの仕事をキープしなさい」
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「ここに来た人は”’ココナツがたくさんあるね”って簡単に言います。ココナツは平地の植物。ここに植えて実がなるまでに9年かかりました。この場所も一夜にしてできたわけじゃありません。毎日少しずつ少しずつ働いてこういう場所を作り上げてきたのです」
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↑これが個人のお宅です。リゾートホテルみたい。

「Be Ambitious!(大志を抱きなさい)。 Be patient(辛抱強くありなさい)。夢をあきらめてはいけないですよ」
キワスさんは何度も何度も奨学生たちに繰り返していました。
まだ10代の奨学生たちにキワスさんの気持ちが伝わったかな?
学生たちだけでなく、同行したスタッフもボランティアもたくさん学ばせていただき、また、素敵な庭と手作りの心のこもった料理を楽しませていただいた1日でした。

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↑一緒に来たキカは、あまりの傾斜に
「もうママに誘われても山には二度と行かない」とおかんむりです。

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↑プレイベートプールで遊ばせてもらったうえ、

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↑養殖池で釣りまでさせてもらってお土産にティラピアをいただいちゃいました。

写真はCGNのWEBアルバムにもアップしています。
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by cordillera-green | 2011-10-30 17:21 | 奨学金

CGNのボランティア、アートコンペでグランプリ!!

 バギオは雨期が明けて気持ちのいいすがすがしい天気が続き、雨期の間にたっぷり湿気を含んだ布団やカーペット、ソファの虫干しの様子が自宅のベランダから見渡せます。私もカビだらけになった「カラバオ・ママ」のかごなどの虫干しを楽しんでいます。
 そんな中、CGNとその周辺はいろいろニュース続き。今度は、CGNボランティアのフィリピン大学バギオ校芸術学部4年生のヴィンス(この間までVince Torebio 改名して今はVince Navarro)君が、44th Shell National Student Art Competition Awards の2部門で受賞のニュース。このコンペは、ガソリンスタンドのシェルが主催しているもので、学生に対象を絞ったコンペではフィリピンで最も権威あるもの。ヴィンス君、水彩部門で審査員特別賞(Honorable mention),カレンダー部門でグランプリという、エントリーした二つの作品とも受賞する快挙です。
 いや、めでたい、めでたい。
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 実のところ、フィリピンのアート界を牛耳っているのは、お金持ちのボンボンが多いというのが現実。アートは働くなくても食うに困らないお金持ちの「道楽」みたいなところも、貧富の差の大きいこの国では否めません。
 そんな中、シングルマザーの貧しい母親に育てられ、小学校の時から市場でレジ袋を売り始め、その後、バーハム公園で観光客相手の花売り、ハイスクールでは近所のパン屋で買った「パン・デ・サール」をクラスメートに売って自活し、ハイスクール2年生(13歳)からは、親元を離れ、住込みのハウスボーイ(メイドボーイ)としてなんとか生き延びてきたヴィンス。花売り時代に目にしたポスターコンテストの賞金額を見て古着屋の片隅で古びたクレヨンを初めて買い、絵を描いてみたのがアートの道に入るきっかけだったそう。遊びに行くお金もなく、家族もなく、生き延びるに精一杯の日々の中で、絵が彼の生きがいになっていきました。そんなギリギリの生活の中でも将来に対する夢を捨てず、働きながらバギオ・シティ・ハイスクールでの勉強を怠らず、見事!!フィリピン大学バギオ校の入試にパス。大学では奨学金も得て、夢の芸術学部で大好きな絵を描き続けることのできる毎日だったそうです。

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 その彼が4年生の今、この権威あるコンテストでのグランプリ。シャイで、まじめで、控えめで、小さなコンテストで賞を得ても決して偉ぶらず、いただいた賞金や賞品は母親やまだハイスクールの弟にほとんど送り、「お世話になっているから」と甘やかされっぱなしのうちのキッズにまでおすそわけのお土産を買ってきてくれる心優しきヴィンス君です。
 実はヴィンス君はうちの子供たちのアートの先生でもあるのですが、子供たちは彼のことが本当に大好きで、毎週末、レッスンのためにうちに来てくれると、学校での宿題やら友達のことやら、何でも相談にのってもらっているみたいです。長男・嵐君は学校から出た宿題で、ヴィンスにインタビューし「貧困からの脱却」を題したレポートを提出して先生に褒められていました。いや、少しはヴィンスを見習ってくれ。

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 ↑ヴィンス兄ちゃんは、キカちゃんの最高の友達です!

 ほんとうに、おめでとう!! 賞金稼ぎの生活のためのアートじゃなくて、本物のアーティストへの第一歩だね。夢のアートの先生目指して、がんばれ!ヴィンス!

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  ↑「眞理子さんにお世話になっているので今度の受賞があった」
   と、絵をプレゼントしてくれました。うれしいねえ。なによりです。大切にします。


若干19歳のヴィンスの人生、全国紙にまで取り上げられてしまいました。
Budding artist with a social conscience
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by cordillera-green | 2011-10-28 08:29 | アート

マララオ村小学校で環境教育プログラム

 前回のブログで上半期を終えたとお知らせしたカリンガ州マララオ村での植林事業。3年目を迎えて、事業は直接受益者の住民の方だけでなく、村に住んでいるみんなに知れ渡っています。一つずつある高校も小学校も、事業への参加へとっても熱心。
 今回はアートを使った環境教育プログラムをマララオ小学校で実施。なんで、お父さんやお母さんが一生懸命木を植えているのか、やっぱり子供たちにも伝えなくっちゃ。
 それにしても子供たちの表情は豊かです。

まずは環境教育アニメを上映。ユネスコ・アジア文化センター(ACCU)制作のMina`s Villageシリーズです。
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見てください。この真剣な子供たちの表情!
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苗木作りもフォレスターが指導します。
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土にかえるゴミ。リサイクルできるゴミ。なかなか土に還らないプラスチック製のゴミなどの仕分け方法を教えながら、ゴミアートを、フィリピン大学バギオ校芸術学部のヴィンス君が指導
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ジェロも演劇を使った環境教育。小学生対象はあまり経験がなかったみたいですが、すごく楽しかったみたい。Anak di Kabiligan シアターグループのロジャーも前期と後期の間の休暇を利用してアシスタントで参加してくれました。
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ジェロには、改めて環境演劇に焦点を絞ったワークショップのリクエストが。 
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今回のセミナーの講師陣です。ジェロ、リリー、ヴィンス、ロジャー。
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休暇中でフィリピン大学バギオ校芸術学部のキセルも記録係とアシストで同行してくれました。
さすが芸術学部、素敵な写真をたくさん撮ってくれました。
いつもこのくらいの人数のスタッフを連れていけると、みな余裕があっていいなあ。
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キセルの子供たちの写真を何枚かご紹介。
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キセルの取ってくれた写真はfacebookの彼女のアルバム「Tabuk, Kalinga: Tale of the Binunger」にもアップされています。
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by cordillera-green | 2011-10-25 17:00 | 環境教育

CGNのCSR事業が国際ビジネス大賞(スティービー・アワード)を受賞なのですが・・

 今年設立10年目のコーディリエラ・グリーン・ネットワーク(CGN)ですが、PMFTC(Philip Morris Philippines Manufacturing Inc.)と実施しているCSR事業「北ルソンのタバコ農民のための植樹事業」が国際ビジネス大賞」を受賞しました。
 国際ビジネス大賞というのは、スティービ・ーアワードという名で知られ、日本事務局もしっかりあるなかなか権威ある国際的な賞のようです。
日本事務局のHPによると
「スティービーアワードはビジネス界のオスカー 。 ビジネス現場での優れた業績を評価し、世間に広く紹介することがスティービー アワードの使命です。」
とのこと。
 個人、企業、チーム、製品、コーポレート メディア ( Web サイトやビデオの制作など) など数十のカテゴリーがあり、そのうちの企業・団体カテゴリーの「Environmental Responsibility Program of the Year in Asia, Australia and New Zealand」(環境責任プログラムーアジア、オーストラリア、ニュージーランド地域)というカテゴリーでの受賞です。40か国の3000以上のエントリーの中からの受賞といおうのだから、誇るべき受賞です。

受賞者リストはここ。英語です。
http://www.stevieawards.com/pubs/iba/awards/408_2648_21072.cfm
もちろん、この賞は企業・団体やその活動に対して与えられるもので、今回の賞の対象は事業主であるPMFTCが受賞したもの。しかし、2007年から現場でコミュニティ・オーガナイズと苗木作りと植樹の指導、それにCGNがかかわり始めた2006年以前の植林事業のモニタリングを担当してきたのはCGNです。2008年からはバギオ市の老舗NGO「Jaime V.Ongping Foundation-JVOF)」も、コミュニティ・オーガナイズの一部で参加。資金を出している企業と事業の実施を担当する二つのNGOの共同事業という形をとってきました。

 ところが、今回の受賞のニュース。CGNには来なかった!私は、たまたま買った地方紙に見たことのある顔の写真を見つけ、それがPMFTCのマネージャーChiris Nelson氏。よくよく記事を読んでみたら、この国際的なビジネス大賞を受賞したという記事で、パートナーのNGOの名前として書かれているのは「Jaime V.Ongping Foundation-JVOF」のみ。まるで彼らの功績の受賞のような書き方で、さすがの私も頭に血が上りました。たぶん記事はOnping Foundationのプレスリリースでしょうが(いくつかの地方紙にほぼ同じ記事がのっていましたから)社会貢献事業にかかわる非営利団体が、どうしてこういう売名行為に近いような記事を胸を張って配信できるのか理解不能です。

 もちろん、私たちCGNの活動は地位や名誉のためではないのですが、この事業の下で働いている当本当まじめで口下手でシャイなフォレスターたちのことを思うとたいへん悔しい思いがしました。現場に行ったら、野宿同然の環境で1週間も2週間も帰れないようなことがざらにある厳しい事業なのです。
 PMFTCの事業担当者は受賞を現場のCGNのスタッフとわかち合うべきだし、Onping財団はこういった事業の受賞を政治的な道具に使うべきではないと思います。Onping財団はプレジデントが元市長の父親だったりで、政治的な立ち回りがたいへん上手。もちろんNGO活動といっても行政と手を組まねばならないことも多々あるのですが、政治家と手を組んでそのイメージアップや資金稼ぎの道具に使われてしまうのでは、どこがNGOか!という感じです。

昨日発行のこの町で一番の購買数を誇る地方紙に同様の記事が掲載されたことから、今日は朝から何人かの「あの記事はどういうことなのだ!?」という怒りのテキスト(SMS)が届いています。

 しかし、一方、本当にたくさんのNGOが世の中にはあって、CSRで企業が組もうというNGOはやはり宣伝や広報が上手なところになるかもしれません。これからの世の中、ますます、企業の社会貢献が欠かせなくなっていくことでしょうし、今年10年目を迎えたCGNも今後事業を継続・拡大していくには、営業や広報活動にもっと力を入れていかなくてはいけないなと反省もしました。

 なにはともあれ、初の国際賞受賞に乾杯!

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CGNがこの事業で植えてきた苗木の数は以下です。
2007-302,000本/120ha
2008-500,000本/200ha
2009-240,000本/100ha + 2000本の竹
2010-250,000本/120ha + 2000本の竹

いや、本当に地道に働いているNGOです。私たち。
がんばらなくっちゃ。
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by cordillera-green | 2011-10-24 19:16 | 植林/アグロフォレストリー

マララオでの植林事業3年目・上半期に23500本を植えました!

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 3年目を迎えた「マララオ・カランギン・レパント地区水源の森林再生のための植林事業」は9月まで上半期を終了です。樹がなくて(だから植林しているのですが)、吹きっさらしで、自然災害の影響をもろに受けやすいコミュニティゆえ、事業の過去2年間でも台風や洪水の被害を受けて、せっかく植えた苗木がダメージを受けることもたびたびありました。今年もいくつか猛烈な台風が襲来し、バギオで気をもみながらスタッフからの連絡を待ちましたが、大きな被害はなかったそう。上半期までに植えた30,500本の苗木はおおむね順調に育っているようです。
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 しかし、この事業地の人たちの辛抱強さにはいつも感服しています。コーディリエラ山岳地方の一部ですが、お隣イサベラ州との境で(事業一部はイサベラ州です)平地なので、ものすごく暑く、見渡す限りの禿山で、気が遠くなりそう。そんなところでものすごく頑張って植えた苗木が昨年の台風では根こそぎ飛ばされ、被害調査に行った私のほうががっかりしているのに
「大丈夫ですよ~~。また植えればいいだけですから」
といともあっさり。フィールドでの作業はまったく参加していない私のほうが逆に慰められたりしました。
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↑重たい苗木を運ぶの何しろ重労働なのです。

 でも、、苦労して植えた苗木は1本でも多く生き延びて元気に育ってほしい!と、3年目の今年度は、「グリーン・ベルト」と呼ばれる防火帯を作ることにしました。苗木が育たない主な原因の一つが乾季に怒る山火事だからです。グリーンベルトは、約8M幅で5キロにわたって草を刈り、そこにカカワッティという早く育つ樹を密集させて植え、万が一山火事が起きてもそこで火が止まるようにというものです。地元の東カリンガ国立高校の全校生徒200名も参加して山火事が頻発する乾季が来る前に植樹作業を終えようとがんばっています。9月末までに植え終えたカカワッティの苗木の数は23500本!
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↑こんな風に草を刈ってせまい間隔で植えます。

 水源地にも今年も苗木を植えています。約8ヘクタールに3,000本のフタバガキ科の苗木、3000本のティビッグの苗木の植樹を終えました。
 
 この事業はイオン環境基金の助成を受けていて今年で3年目。来年3月末までに、事業の管理・運営を事業地のパートナー団体「Eskan Kabiligan Organization(EKO)」にすべて移管する予定。その後も、住民の方たちが自主的に事業を継続拡大していくために、EKOメンバーの中から環境教育やアグロフォレストリーの指導をできる人材を育てようと、講習会もEKOメンバーに講習の場を与えるなど、事業終了に向けて工夫しながらプログラムを組んでいます。
 前向きでまじめで辛抱強いマララオの人たちだから、緑がよみがえるい日もきっとそう遠くはない未来と信じています。
 
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↑木陰で休憩。
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↑苗木もすくすく育っています。

マララオでの事業の写真はこちらにもあります。
https://picasaweb.google.com/101439197484450138832/MalalaoProject20112012
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by cordillera-green | 2011-10-24 16:17 | 植林/アグロフォレストリー

イフガオ国立大学でのエコキャラバン・大盛況!

 先日お知らせした、イフガオ州国立大学(IFSU)創立記念日に企画されたエコ・キャラバン。無事終了しました。ものすごく楽しみにしていたのに、いろいろと片付かない事務仕事があって結局私は参加できませんでした。トホホ・・・残念。
IFSUでコーディネイトしてくれた青年海外協力隊員(JOCV)の木村暁代さんからは
「伝統がありながら、まだ2年目の総合大学の創立記念日にふさわしい若々しいイベントだったと思います。今回、よりたくさんの学生たちと一緒にいろいろなアクティビティを作り上げていけたことがとても良かったと思いますし、学生たちの反応の良さも予想以上でした。それから素敵なスタッフ、たくさん派遣してくださってありがとうございました!。」とのありがたい感想。

「アボンー小さな家」の今泉光司監督も作品を携えて参加してくれたり、充実のプログラムでした。戻ってきたスタッフのみんなも、新しい経験をたくさんして晴れやかな表情。サポートしてくれたJICAやボランティアのみなさん、本当にどうもありがとうございました。
以下、さっそく届いた木村さんからのレポートです。

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Eco Caravan 2011
@ Ifugao state University Foundation Day


目的:イフガオ州国立大学創立記念日に際し、学生(小学生・高校生・大学生)、教員、地域住民を対象とした文化フェスティバルを開催する。環境NGOコーディリエラ・グリーン・ネットワーク(以下CGN)、在比日本人組織「北ルソン日本人会(JANL)」とともに文化交流・環境教育プログラムを開催し、日本、フィリピンの友好を深めるとともに、学生、教職員、地域住民の環境問題に対する関心や理解を高める。


●環境演劇ワークショップ (Enviromental Theater Workshop)
対象:イフガオ州国立大学の学生40名、イフガオ州国立大学付属高校の生徒10名
講師:Ray Angelo E Aurelio、Lidya de Castro (IFSU Teacher)
日時:2011年10月11日~10月14日(4日間)
演劇未経験の学生を対象にイフガオの伝統文化や環境問題をテーマにした演劇を作り上げるワークショップ。
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●日本文化紹介/環境教育「風呂敷ワークショップ」(Cultural Exchange with JOCV)
対象:イフガオ州国立大学 日本語クラスの学生40名
講師:フィリピン、マレーシアのJOCV8名
期間:2011年10月11日
フィリピン、マレーシアのJOCV8名による「風呂敷ワークショップ」。日本に古くから伝わる様々な風呂敷のいろいろな使い方や結び方を紹介し、プラスチックの買い物袋などむだな包装を減らすことを呼びかけた。日本語の会話練習や歌の練習なども行なった。

●環境映画フェスティバル (Enviromental Film Showing)
対象:イフガオ州国立大学の学生、教職員、地域住民 のべ200名
期間:10月12日~10月14日(3日間)
日本、フィリピンを中心に世界各地の環境問題をテーマにした劇映画やドキュメンタリーを集め上映した。
上映作品:
12日
「Sevan Speach」「いのちの食べかた」「Light and Shadow of pesticides –Japanese Experience」「Moving Mountain」「船、山にのぼる」
13日
「レイチェル・カーソン、沈黙の春」「Light and Shadow of pesticides –Japanese Experience」    「For Living on the Planet Erath」「ABONG small house」
14日
「Mountain of Water:the terraces and traditions of the Ifugao」「Sage Hunter」
「No more tiger in the yard」
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●映画による環境教育セミナー (Enviromental Educational seminner)
講師:今泉光司
対象:イフガオ州国立大学の学生、教職員、地域住民100名
期間:10月13日
フィリピン在住映画作家である今泉光司氏を招き、映像作品の鑑賞を通し環境問題について考えるセミナーを開催。教育学科、政治学科の生徒を中心に、多くの学生、教員、地域住民が参加した。
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●紙漉きワークショップ (Rice straw paper making workshop)
講師:Poleen Carla Rosito
対象:イフガオ州国立大学の学生30名
期間:2011年10月12日~10月15日(5日間)
現金収入の手段の限られている山間部の村での生計向上につながる稲わらを使った紙漉きのワークショップ。企画・運営は学生団体USSGにより、自主的に行われ、材料費などはUSSGが負担した。CGNの道具類の貸出提供により、USSGはワークショップ終了後も自主的に紙作りを継続中。
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●民族楽器作りワークショップ (Bamboo Instrument making Workshop)
対象:イフガオ州国立大学付属高校の生徒50名
講師:Ruel B Bimuyag,Delfin B Trres,Florenda L. Pedro,Jerica P Gaddang, Myla Cadipuhan
期間:2011年10月13日
竹で作る伝統的な楽器の制作と演奏の音楽ワークショップを行なった。CGNからのメイン講師らのほか、イフガオ州国立大学教育学部の学生たちがアシスタント・ファシリテーターとして高校生の指導にあたった。

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●環境演劇上演会(Environmental Theater Showcases)
対象:イフガオ州国立大学の学生、教職員、地域住民400名
舞台監督・演出:Ray Angelo E Aurelio
出演:イフガオ州国立大学の学生90名、イフガオ州国立大学付属高校の生徒10名、Delfin B Trres(音楽),Florenda L. Pedro(舞踊)、JOCV4名
期間:10月14日
4日間に及ぶワークショップの成果として作り上げた演劇3本を上演。JOCVが指導する日本語クラスの学生による日本語曲「夢の世界を」の合唱やJOCVによるイフガオ曲「Ite-tem」などの余興も行なった。

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●フィリピン・日本友好写真展/東日本大震災写真展 (Philippines‐Japan friendship Photo Exhibit)
対象:イフガオ州国立大学の学生、教職員、近隣住民
期間:10月13~14日(2日間)
日本人写真家・直井保彦によるイフガオとカリンガの写真15点と、フィリピン人写真家Mr Kidlat de Guiaによる日本の写真15点、計30点の展示を行なった。また、在比日本人組織「北ルソン日本人会」の協力により東日本大震災の被害を伝える日本ビジュアル・ジャーナリスト協会(JVJA)提供の写真35点の展示を、映画上映会場である視聴覚教室と演劇上演会場の講堂2ヶ所で行なった。
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支援: Japan International Cooperation Agency(JICA)
    Ifugao State University
企画:Cordillera Green Network Inc.
    Ifugao State University 
協力:北ルソン日本人会(JANL)(写真展事物提供)
    在フィリピン日本国大使館(写真展展示物提供)
    本田孝義
   
写真提供:木村暁代
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by cordillera-green | 2011-10-17 21:40 | 環境イベント

WE21コーヒーの森プロジェクトの参加者④

⑨カタラリーナ &フレッド・ナバス
Catalina&Fred Nabus

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フレッドさんはベンゲット州イトゴン郡ガマッダンのイバロイ民族の62 歳です。トゥブライ郡コロス集落出身のカタラリーナ・ モレルさんと19 歳で結婚しています。
7 人の子どもを授かり、5 人は結婚し2 人はまだコロス集落から4 ㎞離れたトゥブライ郡アコップにある国立高校で勉強中です。
フレッドさんの最初の仕事先は、ベンゲット州イトゴン郡にあるフィレックス採鉱会社で、ダイアモンド掘削
の部門で閉鎖までの16年間働いていました。そして次に、ベンゲット州イトゴン郡のバギオ・ゴールド採鉱会社へ移り、会社が閉鎖されるまでの4 年間、またダイアモンド掘削工として働きました。そうしたダイアモンド掘削の仕事を経て、彼は今度は農業に従事しました。農家の仕事をしている間、彼はアコップにあるトゥブライ郡多目的協同組合連合(TFMPC)の簿記担当の職に申し込んでみました。彼は無経験でしたが、全てのことは学び身につけることができるという主義で、幸運なことに仕事をえることができたのです。TFMPC の簿記担当者であった間、彼はまたバディアティング・バギティク多目的協同組合の簿記担当にも申し込みました。さらに、彼はTFMPC の売店を運営しましたが、ナバスさんによると、それはTFMPC の運営者の金
銭的利害から残念ながら破産してしまったそうです。彼はTFMPC の簿記係としての10 年間、この分野の専門になり、そして今、バディアティング・バギティク多目的協同組合の簿記係として、およそ10 年間の
あいだ働いています。 簿記の仕事が忙しくない時は、彼は家具を作る仕事をすることもあります。 彼の1 番目と4 番目の息子は家具を作る技能を引き継ぎ、それによって生計を立てています。
妻のカタラリーナは雨季の時には農地で働いています。 また彼女は、金を抽出するために川でも働いてい
ます。 金の抽出における彼女の1 ヶ月の収入は、金の量が約2~4g で2,600~5,000 ペソに相当します。 彼女は、生活や子どもが学校へ行くお金を確保するために、働くことによって夫を助ける必要があるのです。
台風が集落の一部を川まで押し流したとき、利用していない土地の一部もアルノ川に押し流されてしまいました。ですから迷うことなく、土地の一部を保つために、彼は何らかの木を植林することを望んだのです。現在、彼の妻はコロスの他の女性たちとともに、CGN によって支援された有機モデル農場を維持管理を行っています。

提供されたコーヒー農園の所在地:
土地面積 (㎡): 5,000 ㎡
栽培している作物: バナナ、ヒマワリ

⑩パブリン・リクタ
Pabling Lictag

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彼は64 歳でベンゲット州イトゴン郡カミリン出身のイバロイ民族であり、ファナ・リクタ(62 歳)の夫です。
また、3 人の子供と2 人の孫をもち、コショウ、さやえんどう、インゲン豆を育てる農家です。 彼は19 歳から農家をしており、また石工として建設の仕事もしています。 パブリンさん1960 年代にトゥブライ郡サントニーノに鉱山があったころ、1年間溶接工として働いていました。鉱山が閉鎖され始めたとき、彼は解雇された労働者の最初のグループの1人でした。
現在まで、彼は農家と石工の仕事を続けています。彼の妻のファナは農場の仕事を手伝っていて、200 ㎡の農地の準備と作付けの後、彼が建設の仕事をしている間に水遣りと草むしりなどをしています。もし整地業者から大規模な土地の仕事の依頼があれば、時には彼女は賃金労働者となって働きます。
子どもたちは、高校卒業後若い時に結婚しました。現在夫婦は孫たちと一緒に暮らしています。両親は仕事を求めてに海外へ行っています。
現在のところ、家族は約80 のコーヒーの成木を所有しています。これは家族用に彼らの両親が以前裏庭
に植えたものです。長い間、コーヒーの市場規模は小さく、かなり安価なために、農園を広げるつもりはありませんでした。トゥブライ郡政府は特にコロス集落でアラビカコーヒー栽培を奨励し、彼らは成果を確信して郡政府配布の苗木の支給を受けましたが、まだ、コーヒーの苗木は不足していたので、CGN によるアグロフォレストリー事業への参加を希望しました。パブリン・リクタさんは高齢になってきており、このコーヒー農場が、3 年後、妻との暮らしの糧になると信じています。


提案された農園の所在地: トゥブライ郡コロス集落アンパル
土地面積 (㎡): 5,000 ㎡
栽培している作物: カラー(花)、マンゴー、 ロノ

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以上、4回にわたって、WE21ジャパンとのコーヒーの森づくり事業の参加者のご紹介をしてきました。
コロス集落に住んでいる人の多くが何らかの形で近郊にある鉱山採掘会社にかかわり、また、今も、集落の下方にある川の砂利に含まれる砂金を採ってわずかな現金にしていることがうかがえます。サント・ニーニョ鉱山に限りませんが、大資本による採掘会社は、地元の住民を鉱夫などとして採用しますが、その雇用は決して安定したものではありません。会社の経営状態によっていつでも一方的な解雇は可能であり、住民の生活は安定しません。また、環境汚染に対する配慮が鉱山会社にはなく、金の製錬に水銀、サイナイドなどの有害な薬物を使い、そのまま垂れ流し、周囲の土壌や川の汚染を引き起こしてきました。こういった採掘会社の存在にコロス集落の人は長い間、翻弄されてきたことがうかがえます。
豊かな鉱物資源をコミュニティに持ちながら、その豊かさが人々に全く還元されないばかりか、貧困と環境汚染を生み出してしまう構造に怒りを覚えます。

それに加えてコロス集落を襲ったのが台風ぺペンによる大規模な土砂崩れです。地盤沈下や地盤の不安定さは、近隣の鉱山開発の間接的な影響であるといわれ、それが、台風の大雨によって一気に大きな被害に結びつきました。
鉱山開発の陰で、忘れ去られた小さな貧しい集落だったコロスには一気に注目が集まり、台風後、一時的にたくさんのボランティアが訪れ、食料や古着の寄付がありました。もちろん行政も住民を更なる災害の被害から救うために再定住プロジェクト、土砂崩れを防ぐ植林事業などを開始。また、CGNを含むいくつかのNGOが、長期的な復興事業に乗り出しました。

台風被害から2年がたち、住民の方たちはようやく混乱から落ち着きを取り戻し、新しい住居を建てながら、大会社の都合に左右されない地に足の着いた暮らしへの礎づくりに関心を持ち始め、そのために動き始めたところだと思います。
CGNは、日本の心強いパートナーWE21ジャパンと連携を取りながら、コロス集落の人々の復興に長いスパンで取り組んでいきたいと思っています。
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by cordillera-green | 2011-10-12 14:43 | 植林/アグロフォレストリー

WE21ジャパン コーヒーの森づくり事業 参加者紹介③

⑥ミシェル & ローランド・ダンギビス
Michelle and Roland Dangbis

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34 歳のミシェルさんと39 歳のローランドさんには4 人の子どもがいます。ミシェルさんはイトゴンのイバロイ民族で、ローランドさんはコロスの生まれです。両親からの金銭的な援助をこれ以上受けられず、学校に通い続けることができないとわかった後、2 人は19 歳と22 歳のときに結婚しました。
彼らは、ネーナ・ダンギビスさんとサミュエル・ダンギビスさん夫妻の息子であり、義理の娘です。
ローランドさんは本来農民ですが、台風ペペンが彼らの灌漑の水源を破壊してしまった後は、大工仕事をすることになりました。トゥブライ郡の自治体による補助もあり、台風ペペンによって家を失ってしまった家族のために家を建てなければならないので、大工仕事は今とても需要があります。彼らは、台風で家が完全倒壊した13 家族のうちの1 家族です。彼らはコロスのバディティングにある親戚の家に移動しました。
ローランドさんは家族の家を建てられるように努力しており、食料を得るために働いています。彼らの両親も彼らが家を建てられるように手助けをしています。
以前は幼い子どもたちの育児をしていた主婦であるミシェルさんは、日雇い労働の仕事をすることによって、夫を支える方法を見つけました。彼女は時々、畑や農場に2 歳の子どもを連れて行き、働いている間、そばにおいておきます。彼女の給料を少量の食料を買う足しにするなどして、夫を助けているのです。
ミシェルさんはCGN が開催するすべてのセミナーに積極的に参加しており、また、将来両親から相続することになっている未使用地にコーヒーの植え付けをしたいと考えています。今すでにコーヒーを収穫し販売しているダミロさんのコーヒー農園を見て、彼女は刺激を受けました。ミシェルさんは将来の家族のさらなる生計手段として、コーヒー農場の運営を計画しています。

提供されたコーヒー農園の所在地: コロス集落カワ(彼らの両親が住む土地の隣)
土地面積 (㎡): 5,000 ㎡
土地の植物: ロノ、草類、自生の木々(カラサン)

⑦ネーナ&サミュエル・ダンギビス
Nena and Samuel Dangbis

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ダンギビス夫婦はイバロイ民族であり、ベンゲット州トゥブライ郡コロス集落の生まれです。彼らには9 人の子どもがいますが、そのうち6 人は結婚しており、家族とともに暮らしています。3 人の子どもはまだ両親に養われています。
コロスの他の若者と同じように、子どもたちは中学校までしか出ておらず、1 人は小学校までしか出ていません。息子のうちの1 人はバプティスト教会で宣教師になるために勉強し、アメリカ人のバプティスト派の牧師からのサポートを受けていました。この息子はバプティスト派の牧師になりましたが、今は両親の農作業を手助けする必要があるため帰省中です。
夫婦は農家であり、金採取の労働者であり、裕福な農家の農地でも賃金労働者として働いており、時には建設の仕事で砂利の運搬のために雇われたりもしています。雨季の間には水があるので、小規模ですが農作物の栽培もしています。夏の間は、夫婦ともに集落の下方にあるカンパル川で金採取を行っています。サラクサク(コロスのそばの山)の鉱山採掘者たちの廃棄物がここに捨てられているのです。夫婦は15 日間で少なくとも赤金を1gの取り出すことができました。これは1,300~1,400 ペソになります。また、彼らは乾燥させたベンゲット松の葉の収集・販売に従事しており、1袋100 ペソで販売します。さらに彼らはNGO「AKAP」からマイクロファイナンスによる融資を受けています。AKAP から家族あたり5 匹の豚と飼料に値する22,000 ペソが貸され、豚を売った後にこの額に1%の利益分を含めて支払うことになります。
この家族は裏庭に何本かの収穫できるコーヒーの木を所有していますが、自分の家で消費するためのものです。彼らは自治体のコーヒー支援事業で180 本の苗木を植えましたが、それは十分ではなく、所有している活用していない広い土地にもコーヒーを植えたいと思っています。

提供されたコーヒー農園の所在地: トゥブライ郡コロス集落サヤタン
土地面積 (㎡): 5,000 ㎡
土地の植生: カラ、バナナ、数本のベンゲット松(コーヒーと混栽予定)、ロノ、
アルヌスと混栽されるロノの草類

⑧ティト・マテオ ベアトリス・マテオ
Tito and Beatrice Mateo

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69 歳と62 歳の農家であり金採取の労働者です。9 人の子どもがいましたが、現在3 人だけ生きており、すでに結婚しています。6 人の子どもはインフルエンザ、水疱瘡、事故、高血圧で亡くなりました。3 人の子どもは小学校を卒業しましたが 金銭的な問題と、地理的に集落からとても遠いのもあり、中学校には行きませんでした。
現在、夫婦は2 人だけで暮らしています。
この夫婦はカンパル川で働いており、石と砂を運びだしそこから金を取り出すということをしています。2009 年の台風ペペンによって地域が混乱した時に、金の採取を始めました。彼らの農地に水を供給する地域の主要水源が壊されてしまい、マテオさんの家族はもう自分たちの農地で働き続けることができなくなってしまったのです。
雨季の間、彼らは200 ㎡の土地で働きます。白菜とズッキーニと豆を植えて集落のなかで売り、余った分はバギオの卸売市場に送ります。時々、マテオ婦人は裕福な農民の大規模農地の手入れする仕事をします。これが夫婦の生き残るすべです。
彼らがコーヒーの植え付けを計画したのは、野菜よりも長く生えているからです。それに、彼らが収穫できる
までには長い時間がかかるにしても、野菜よりも農地への投資が少なく、農地を維持するのも少ない労力で済むのです。マテオ婦人はコーヒーには薬のような価値があると信じています。彼女は、彼らのコーヒーは食料品店のインスタントコーヒーと違って、自然に作られているので、コーヒー豆から焙煎したコーーヒを飲んでいるコロスにいる高齢者は長生きしているということに気付きました。対照的に、コーヒーは高血圧を引き起こすという別の情報もあります。彼女はまたコーヒーには健康促進の効果があることも付け加えました。

提供されたコーヒー農園の所在地:
土地面積 (㎡): 5,000 ㎡
土地の植物: コーヒーと一緒に植えられるカラサン、
ひらけた土地にアルヌスと一緒に植えられるロノと草類
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by cordillera-green | 2011-10-10 14:42 | 植林/アグロフォレストリー

インターン亀井君のコーヒー植林体験記

 先日のブログでご紹介したインターンの亀井遥海君が帰国し、CGNのニュースレターのために寄稿してくれましたので、以下にご紹介します。すっかりこの世界にどっぷりつかってるので、たまにフレッシュな若者が来てくれて活動に参加してくれると、CGNスタッフも事業地の住民の人にとってもとてもいい刺激になります! インターンご希望の方はお問い合わせくださいね~~。単発のボランティアもご相談ください。

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 2011年夏期ボランティアインターンとしてお世話になった亀井です。普段は工学部で化学を専攻しています。よく聞かれたこと、「…これ君の専門に関係あるの?」
 はい、正直関係ありません。自分の視野を広げたい!と思って望んだこのインターン中、ずっと学ばせてもらってばかりだった若輩者ですが、このような記事を書くスペースをいただきました。
 滞在は3週間という非常に短い間でしたが、CGNの主な活動、植林・アグロフォレストリーのお手伝い、環境教育、奨学金事業など様々な内容を少しずつ体験しました。その中でも僕にとってメインの活動だった、トゥブライ町コロス集落におけるコーヒー植林体験について書きたいと思います。
 コロス集落にあるコーヒーモデル農場は、バギオから車で1時間程度、事業地の中でもお手軽にいけるスポットだそうです。しかし初めての訪問のときには、トゥブライの郊外的風景からいきなり異国に誘いこまれたような気がしました。鉱山発掘によって切り出された鈍色の崖また崖、森が薄くジオラマのようにも見える山々、果たしてこれは道なのか?というほどのオフロードを通って現場についた頃には、車酔いのするひ弱な大学生にはもうお腹いっぱいです。
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 さて現場につき、チキンとヤギが走り回る集落の中、いつもニコニコと出迎えてくれるデイケアの先生フェリーさんご家族と団欒してから、いよいよ植林。穴掘り、苗の運搬、コンポストから作った有機肥料を加えて、苗に土をかぶせます。文字にすると単純なようですが、予定総数2000本という量。それも軽く登山と言えるような急な斜面での作業で、運搬から何からすべて手作業ですから、“皆で楽しく植林イベント!”なんて名目で片付く仕事量ではありません。バギオの大学生や、現地の人々がお手伝いに来てくれることもありましたが、基本的には受益者の方たちとフォレスターのリリー、CGNスタッフだけで行っていました。それも作業はお天気まかせ、雨が降れば木陰に隠れたりカピタコ(コーヒー飲みましょ!)タイムに入ったりと、とてもシステマチックとはいえない人間らしいリズムで、植林は進んでいきます。
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そんなわけで、作業自体は大変ですが、標高の高い晴れやかな空気と、現地の人の和やかな雰囲気のなかの清々しく仕事ができました。しかし、帰りの夕立で僕はいつも不安になります。不安定な道路は雨の夜道をいっそう不安にさせ、雨による土砂崩れで道が封鎖され立ち往生になることも少なくありませんでした。ちょうど遭遇した台風の際には、コロス周辺で土砂災害があり、何キロも離れた病院まで徒歩でけが人を運んだそう(2年前の台風で、コロスは土砂崩れによりある区域において居住を禁止されるほどの被害を受けています)。あの霧雨の中の心細さが、耳で聞いたどんな情報よりも緊迫して今のベンゲット州が直面する問題をダイレクトに教えてくれました。
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 このコロス集落の植林事業に参加して、ボランティア/草の根で活動するという意義について考えさせられました。先のような土砂災害の防止や水源の確保、また同時に貧しい農家の人の継続的な収入のため、コーヒーを植林するというCGNの活動は、本当に素晴らしいものだと思います。ただそれは文字どおり実るまでに時間がかかり、即物的な富を分け与えて満足するような簡単なものではないし、マクロに見た事業の必要性と、現地の人のニーズを符合させなくては事業は継続していきません。実際に労働として森を守っていかなければならないのは現地の人です。他のCGNの事業地であるカダクランの山奥のバランガイなど、原始的ながら豊かな自然に囲まれて資源が循環するコミュニティーとくらべて、都市と山岳の狭間にあるコロスでは(失礼ですが)本当の困窮というものを感じ、今の生活で精一杯だとしても仕方がないようにも見えてしまう。
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   ↑コロスは再定住事業が進行中で、建設ラッシュ。

 では何が豊かさを可能にするのかといえば、人と人との団結の中に見いだすしかありません。馬鹿みたいに月並みですが本当にそう感じました。反町さんやリリー、他のフォレスターがやってきたように長い期間をかけて住民と一緒に木を植えていくこと。その作業の中で自分たちの故郷と歴史を守ろうという意識をともに築くこと。本当に根気のいる仕事だと思う、でもそうして得られた住民方との信頼関係を、行く先々、節々に感じました。  また、コロスの小学校に環境教育のお供としてお邪魔したとき、集落の規模からは考えられないような子ども達の熱気がありました。あのパワーがコロスにすべて還元されたらどんなに心強いか。人と人とのつながりが希薄になっている日本に対して、今、熱い進歩を、賢く冷めた頭でつくりだせるような人々の団結が、フィリピンのこの地で実現することを夢見てしまいます。
 勝手手前なことを長々と書いてしまいましたが、 “リッチな日本社会”生活に薄々の違和感を感じていた無知な工学生の僕にとって、日本がもっている美点と足りないものを発見できたこの経験は本当に得難いものです。口だけでなく、実際に土にまみれることができたのは幸せなことでした。半端な労働力の僕に一から現状を教えてくれ、笑顔でいろんな場所につれていってくれたスタッフの皆と、何から何まで面倒を見てくださった反町さんに深く感謝します。

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↑パット・アコスタさんの有機農場をビコールにいる協力隊の服部美紀子さんや、
JICA木酢事業担当の中島君などと訪問。予約制のお昼もいただきました。
「今まで食べたサラダで一番おいしい」
とはるうみ君。
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by cordillera-green | 2011-10-08 12:25 | 植林/アグロフォレストリー

台風被害のイフガオで、今こそ環境教育

 フィリピンを1週間で二つの大きな台風が襲い、マニラ北部のブラカンなどでは大洪水で、大きな被害が出ました。知り合いの事務所のブラカンに住むスタッフは3日間を屋根の上で過ごしたとか。
 ニュースはもっぱらマニラとブラカン周辺の被害を伝えていますが、北ルソンの被害も甚大。特にイフガオ州では、世界遺産の棚田に向かう国道の橋が落ちて、渡し船と竹橋で急をしのいでいるとのことです。
 昨日のInquireにも写真入りで記事が掲載されていました。まだ、いたるところで道路の閉鎖はまだ続いており、陸の孤島と化している村がたくさんあるそう。なにしろ、電気も携帯電波もなくなってしまったので、「一体どこで何が起こっているのかが把握できないのが問題」というのが政府関係者のコメントです。
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 そのイフガオでCGNは久々の環境教育プログラムをイフガオ州国立大学で企画しています。10月14日の大学の創立記念日の関連事業として大学に海外青年協力隊員として駐在している木村暁代さんのコーディネイトによるものです。日程は来週に迫っているのですが、インターネットはほとんど通じなくなり、携帯電話でもテキストメッセージも届いたり届かなかったりという状態で、プログラムを実施できるのか心配していましたが、今日ようやく木村さんからGOサイン! CGNスタッフはスパートをかけて準備を開始しました。

 おもなプログラムは以下の通りです。
‐環境演劇ワークショップ11-14日
‐環境演劇公演 14日(大学のLamutキャンパス) 15日 キアガン
・環境映画上映会 12日&13日 ※13日はアボンの今泉光司監督のトークも
・日比友好写真展 12日~
・稲わら手漉き紙ワークショップ 12日
・竹楽器作りワークショップ 13日

 ううむ盛りだくさん。環境演劇ワークショップには、5月に日本に行った環境演劇グループ「アナク・デ・カビリガンAanak di Kabiligan」のメンバー4人がサポートで参加。また、稲わら紙漉きワークショップの現地コーディネイターも「アナク~」のメンバーです。撒いた種がコーディリエラのあちこちで芽吹いているようでうれしいですね。
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by cordillera-green | 2011-10-05 18:20 | 環境教育