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ふるさかはるかさんの個展「Twinkles in mountains」

サバンガンでの環境教育ワークショップのファシリテイターとして来比して下さっている大阪の木版画家・ふるさかはるかさんの個展が明日からバギオ市役所前の「Cefe by the Ruin」で開催されます。明日は6:30PMから版画のデモンストレーションとオープニング・パーティです。展覧会は12月15日まで。土絵具を使った柔らかいトーンの山をテーマとしたていねいな作品たち。ぜひ、足をお運びください。

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Twinkles on mountains

~The woodblock prints with earth colors~

ふるさかはるか(木版画家/空中山荘主人)

身近にとれる土から絵の具をつくるなど、自然素材の観察から生まれる木版画を制作する。武蔵野美術大学油絵学科卒業後、長沢アートパーク水彩多色摺り木版画制作研修(淡路島)アシスタントを経て、2002年より活動を開始。アトリエ・ストゥンダース(フィンランド)、アートセンター・マーツェ(ノルウェー)など極北での滞在制作・発表をはじめ、国際版画会議サウザン・グラフィック・カウンシル(アメリカ)、インパクト4(ドイツ/ポーランド)、海外の大学などにて水彩木版画技法のデモンストレーションや作品発表を行う。2006年美濃・手すき和紙基礎スクール修了。2010年「やっぱり本が好き!国際ブック・アート・ピクニック」(大阪・中之島図書館ほか)コーディネーター。元・大阪府立高校美術非常勤講師。主な個展:2002年ヴァーサ図書館(フィンランド)2003,2007年ギャラリーなつかb.p(東京)他。

http://harukafurusaka.net


I work on the theme of life on mountain using soil as colors. I pick up soil from mountains. All of them has different local colors. Soil has both energies to grow lives and to return dead to nature physically. I think about the correlation between our lives and nature when I make soil colors from mountains. To draw the image of the correlation, I often quote the metaphor of Buddhist philosophy called "Indra's net"*, which indicates infinitely repeated mutual relations.

My woodblock prints are made from natural materials. I curve the woods and print them on Japanese handmade papers with soil colors and pigments. I'm happy if the prints will give you an opportunity to feel your life and nature.


*Indra's net
Indra's net is the infinite net of the Vedic god Indra, whose net hangs over his palace on Mount Sumeru, the axis of Vedic mythology. Indra's net has a multifaceted jewel at each vertex, and each jewel is reflected in all of the other jewels infinitely.

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by cordillera-green | 2012-11-13 22:57 | アート

サバンガンでの環境教育ワークショップ。エコアート・フェスのポスターも貼られ、盛り上がってきています!

先週は大阪の版画家ふるさかはるかさんによる土絵具を使った版画教室。小学校で2日間は自分で漉いた手漉き紙にイモ版、ハイスクールでは木版画の本作り、丁寧に丁寧にプロセスを踏んで、世界に一つの抱きしめたくなるような作品が出来上がりました。
同時進行は、小学校でのバギオのジャンクアーティストRomel Pidazoのゴミで作るリサイクルアート。そして、かまぼこアートセンターからの3人目の来訪者・深澤孝史さんの保育園での物々交換アート。
いやはや多彩なプログラム。様々な切り口で、アーティストの方々が知恵を絞った手法により、「環境」をキーワードとしたサバンガンの子どもの元気がいっぱい詰まったアート作品が続々生み出されています。
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そのアート作品を展示・発表する「エコ・アートフェスティバル」。
ここにきて地元の人のアドバイスで「Kawwanan nan Batawa」というタイトルに変更。意味は同じで「環境への思いやり」ですが、言い回しがこちらの方がふさわしいそうな。カンカナイ語なのでさっぱりわからず、言われるままです。。
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完成したポスターは早くも、サバンガンのすべての学校に掲示されました。
サバンガンの学校でもこのイベントに対する期待は徐々に盛り上がりつつあります。

今週からは、パフォーミングアーツのワークショップが目白押し。あさってには大阪から笛のミュージシャン・山本公成さん、京都からコンテンポラリー・ダンサーの荻野ちよさんがファシリテイターでやってきます。

参加のファシリテイターの方々は以下。
山本公成&星子 Kosei & Hoshiko Yamamoto(Japan)
花崎攝 Setsu Hanasaki(Japan)
志村朝夫 Asao Shimura(Japan)
Jun Amanto(Japan)
ふるさかはるか Haruka Furusaka(Japan)
山本麻世 Asayo Yamamoto(Japan)
荻野ちよ Chiyo Ogino(Japan)
深澤孝史 Takafuki Fukasawa(Japan)
寺澤伸彦 Nobuhiko Terasawa(Japan)
小池芽英子 Meeko Koike(Japan)
Alma Quinto(Manila)
Waway Saway & Talaandig Indigenous artists (Bukidnon)
Romel Pidazo(Baguio)
Rey Angelo Aurelio(Baguio)
Jason Domling(Baguio)
Rocky Cajigan(Baguio)
Vince Navarro(Baguio)
Carlo Villafuerta(Baguio)
Alex Tumapang(Baguio)
Dom-an Macagne(Sagada)
Gawani Domogo(Sagada)
Bong Sanchez(Sagada)
Dan de los Reyes(Baguio)
Tara Natividad(Baguio)

エコアートフェスに参加のボランティア・アーティストの方たちもいます。
Binangi(Tadian)
Yasu(Japan) & Gelo(Baguio)
JP Alipio(La Trinidad)
福本真由子Mayuko Fukumoto(Japan)
山形敦子Atsuko Yamagata

加えて、バギオからボントクに向かうハルセマ道を北上しながらアートするという「AX(iS) Art Project」がどうやら24日にサバンガンに奇襲をかけそうな気配。。何が起こるか楽しみです。


(反町眞理子)
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by cordillera-green | 2012-11-12 00:41 | 環境教育

ワワイ・サワイ再び

 前回のブログで紹介したワワイ・サワイとタアラアンディッグ・アーティスト・グループは、ソイル・ペインティングだけでなく、音楽でも知られています。
「音楽のワークショップもよくやっているよ。2行作曲ワークショップ(Two Line Composition)」って言うんだ。「僕のワークショップでだれでもみんな作曲家さ!」
 
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   ↑ナマテック小学校でのソイル・ペインティング・ワークショップでのワワイ

 またまた、スタッフの強烈なリクエストにお応えして、11月24日、25日の「カワン・ディ・バタワ エコアート・フェスティバル」で、ソイル・ペインティングワークショップに加え、「エコ歌2行作曲ワークショップ」のファシリテイターとしてワワイとグループに再び来てもらうことになりました。
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  ↑6枚もアルバムを出しているそうです。

 そういえば6月のKapwa先住民族会議のときにワワイ達が持ってきていた民族楽器は実に見事なものでした。コーディリエラ同様に竹製の楽器ですが、やはり民族が違えば楽器も違うというわけで、種類も音も微妙に違いました。それらの楽器に丁寧にほどこされた模様の細工の細かさは嘆息ものです。
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    ↑タラアンディッグ族の民族楽器を使った音楽活動も各地で行っています。

 6年ほど前、ワワイはバイクに乗っていて交通事故に合い、もうすぐ両足切断という状態だったとか。肺がつぶれ瀕死の状態の中で、「足は切っていいけど、骨は捨てないで。笛を作るから」と医者にお願いしたのだそうです。ソイル・ペインティングのワークショップの時も手作りの竹の横笛を持参。子供たちに癒しの音色を聞かせてくれて、ワークショップをやっていない時もワワイの周りは子供たちがいっぱいでした。
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    ↑いつも子供たちに囲まれているワワイ

「招待してくれてありがとう。でも、もう一番下の子が恋しいよ」
 6人の子どものお父さんであるワワイ。奥さんはシンガポールにメイドさんとして出稼ぎ中で、母親と父親両方の役を担っているとか。DATUの称号をいただいているコミュニティ・リーダーで、フィリピンの先住民族文化に詳しい人ならだれでも知っているワワイの家でさえ出稼ぎに出なくては6人の子どもを育てられない。。。。コーディリエラ地方同様のミンダナオの先住民族の暮らしの厳しさを聞きました。

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バギオからサバンガンまでの道すがら、ミンダナオの僕らのところにはないという花を見つけてはその種や球根集めに一生懸命のワワイ。「僕らのアートセンターをいろいろな花でいっぱいにするのだ」
と、ピースパワーを撒き散らかし、出会った人すべてをすごく幸せにしてくれました。
「友達になってあげるよ」
とワワイに言われ、不覚にも泣きそうになった反町です。

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ますます楽しみな「カワン・ディ・バタワ エコアート・フェスティバル」です。
詳細はこちら。
http://cordillera.exblog.jp/19357180/






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by cordillera-green | 2012-11-10 12:54 | 環境教育

「木を見て森も見る」

「Kawwan di Batawa(=caring of the environment) Community Art Festival」と全体のアートフェスティバルのタイトルも決まり、9月よりほぼ毎週のように開催されている環境教育ワークショップもいよいよ終盤戦にさしかかりました。
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この環境教育ワークショップでは、フィリピン国内と日本から様々なタイプのアーティストたちが大自然に恵まれたコーディリエラの山岳地域を訪れ、村の多感な小学校や高校生を対象に彼らの五感をフルに刺激する「アート」というユニークな手法で子どもたちに発見と感動を与え続けています。
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普段CGNでは現地の住民に根付いた活動を主に行っているため、関わるスタッフもフィリピン人がほとんど、招待するゲストもフィリピン人を起用する場合が多いのですが、今回のワークショップでは日本からのゲストも多く招待し、CGNがこのアートフェスティバルに対してかける想いも大きいものであります。
ともすれば、山の人たちの暮らしは文明国日本に比べれば遅れた国だと思う人もいるかもしれません。ところが日本人が物質的に豊かになっていく中で失ってきてしまった大切なものが彼らの暮らしの中にはまだたくさん残っているのです。しかし、この村にも市場経済や都会からの様々な情報流入が徐々に始まり、自然と生活を切り離して発展してゆく生き方に目を奪われ始める人も…そんな彼らに日本人が教えられることなんて何もないという考えもありますが、逆に発展と情報の中で招いた失敗や気づいたことを伝えることができるのも日本人、またフィリピン人同士では気づかない発見や影響力を与える力も外国人の私たちの役割かもしれません。あらためて、ここフィリピンで日本人が関わる役割は大きく責任も重大なので気を引き締めて取り組まないといけないと再確認。
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そんなわけで、この素晴らしい調和の暮らしの中にすべてが集約されているということをもう一度、ただの説明だけではなくて感覚的で体験的なアートを通して現地の方たちと共に私たち日本人も学んでいく、それがこのアートフェスティバルの趣旨でもあり正にタイトルの
「Kawwan di Batawa(環境への思いやり)」です。
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今回のワークショップは、東京より現代ヴィジュアルアーティストの寺澤伸彦さんに来ていただきました。
対象はピンガッド・バオ・アンガン小学校の生徒たち約30名。
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寺澤さんとの事前打ち合わせでは、一体どういうことが彼らにとっての環境教育になるのだろうと一緒に考えました。他のアーティスト(ファシリテーターも兼ねる)が行ってきたように、環境や自然の素材に近づいていくやり方もいくつか考えたのですが、確かにそれも大事だけれど今回は美術のもつ普遍的な観点から自然環境に迫る手法によって、子どもたちが今まで知らなかった発見を体験し、これからの人生において自分たちでしっかり考えられる力をつけられるようにワークショップをしようということになりました。
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コンセプトは「木を見て森も見る」です。
とはいってもそれがちゃんと子どもたちに伝わるかは事前にはわかりませんので、最初はスタッフ一同ドキドキの来校でしたが、そんなことはお構いなしに元気な小学生たちは興味津々で一行になついてきます。
余談ながら、このフィリピンのいくつかの学校では、しばしば日本政府が学校の建設を援助するために協力した証を見つけることができます。
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しかし実際には、この村で日本人を目にすることはほとんどないので、彼らは色んな質問や興味を私たちに投げかけてきます。しかし、子どものワークショップ経験も豊富な寺澤さんはここで一気に打ち解けることをしませんでした。「子どもの集中力は限られているから一度崩壊するとなかなか修正できないから」と適度に子どもたちをあやしつつ生徒が見守る中、ワークショップの準備を進めます。
そして時間になると、ワークショップが開始しました。
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まずはその場の空気を感じ、無言でみんなの気持ちを集中させます。こういった「間」を使えるのは日本人の特性かもしれません。みんなが落ち着いたところで言葉少なめに自己紹介と、今回のワークショップのプログラムを発表します。
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しかし、ワークショップで行う作業は説明しますが、ここではまだ、これから何ができるのか?については「シークレット」です。「Very Cold」というシンプルなヒントだけ与えて子どもたちの想像力と興味を引き立てます。
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ワークショップで行う作業は10名ずつ1時間ごとに交代しながら、あらかじめ寺澤さんが下絵を描いた枠の中を塗り絵のようにして鉛筆で色を塗りこんでゆくというものです。説明は最低限、塗り方のポイントと、してはいけないルールだけを話します。単純な作業の繰り返しの中で、みんなでルールを守りながらひとつの作品を完成させてゆく。そんなメッセージを過不足なく丁寧にアドバイスしながら、退屈そうな子どもには時にテーブルに座って作業することを促したりたりしながら、みんなの創作意欲を継続させながら共同作業に取り組んでいきます。
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鉛筆で色を塗っていくだけ、一見こんな単純な作業と思うかもしれませんが、ところが僕たちの予想以上に彼らはこの作業に没頭していきました。
初日は2日間で仕上げられるのか?と思うほど(畳一畳ほど)の面積の絵が1日目で既に半分以上の成果でした。
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塗る人、枠だけを塗って他の人と分担作業をする人などなど…そしてうまく塗れている人にはみんなの前で褒めると他のみんなは自分だけでなく周りのやり方も意識します。刺激されて全体でどんどんいい形に作業が進んでいきます。
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中でも面白かったのは、自分の塗る順番ではない時に、自分のノートを引っ張り出し同じような塗り絵を作り、練習するかのようにそれを塗り始めた子どもたちが出てきたことです。
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そんなこんなで休憩時間まで熱心に塗り続ける子もいたり、2日目には時間ごと10名ずつの参加のはずが、それ以上に参加者が増えてしまい、予定時間のより早く作品が完成しました。
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そして、いよいよ完成作品をみんなで鑑賞。
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近くではただボーダーの線しか見えなかったはずの絵が、教室の一番後ろから見ると「雪山で雪かきをしている男」の絵が浮き出てきました。
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「見えた!見えた!」と口々に言い合いながら、わからない人にもわかる人が説明したりしてみんなで苦労して描いた一枚の絵をやっと見ることができ、自然に拍手が起こりました。
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完成した絵は、この地域の人たちにとっては日常でもある山の絵であるのですが、この絵のように日本にもフィリピンと同じように美しい山があること(この地域にはカラウィタン山という人々が畏敬の念を持つ山がある)、そして日本の山にはフィリピンでは降らない雪が降り積もることを紹介することで、彼らにとって未知の世界への想像力をかき立てました。
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そして締めの言葉で最後に講師が言ったこと
「美術作品を作るのは小さなことをコツコツとしていく大変な作業です。作業の中ではわかりにくいことでも、全体を意識しながらしっかり積み重ねていけば大きな絵が完成します。そして、美術には色んな全ての要素が含まれています。自然も同じです。みなさんもそれに気づいてそれぞれの美を大切にしてください」これはズバリこの山の中の森でも起ころうとしている環境にも当てはまる言葉だと思いました。講師はあえてそのことを説明するまでには至りませんでしたが、彼らがもう少し大きくなった時に、初めての「美術」体験を思い出すことで、自分たちが行うことが全体の環境へ影響することに気づくきっかけになることに期待したいと思います。

(竹本泰広)

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by cordillera-green | 2012-11-03 22:24

幻の壺を求めて-アートを活用した環境教育ワークショップ

実施中の「アートを活用した環境教育ワークショップ」(地球環境基金助成)では、日本のアーティストの方々もたくさんファシリテイターとして参加してくださっています。
コーディリエラ地方の文化に深い尊敬の念を抱き、何度もこの地を訪れ、先住民族の伝統文化を学ぶ一方で、若者たちのためのワークショップを継続して下さっている日本のベテラン・アーティストの方々(山本公成さん、JUN AMNTOさん、花崎攝さん)に加え、今回は「新たなる世界にチャレンジしたい」と、私の学生時代からの友人の美術家・小沢剛君の紹介でかまぼこアートセンター(なんのこっちゃという方はこちらをご覧ください)の若いアーティスト5名も参加してくれることになっています。
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その第一弾として来てくれたのが山本麻世さん。
http://www.asayo-yamamoto.com/
ロープなどを素材としたインスタレーションアートで世界各地で活躍中の造形作家の麻世さんですが、今回は「環境」がテーマということで、粘土アートのワークショップをやってくれることになりました。会場のダータ小学校のあるダータ村が昔、素焼きのポット(壺や鍋、水瓶などに使われていたそう)づくりをしていたということから、子供たちが村の自然と同時に歴史を知ることにもなるというワークショップです。
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まずは今はすっかり失われてしまった粘土探しから始まります。
小学校の先生たちが口々に
「私たちが小さいときはまだ素焼きポットづくりをしていて、私たち子どもが粘土も取りに行かされていたのよ。重くてつらい仕事だったわ」
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   ↑昔の思い出を話す先生たち

「なぜ、村ではポットづくりがなくなったの?」
「安いアルミの鍋が入ってくるようになって、煮炊きにはそれを使うようになったの。粘土を探してからそれを1日かけて杵と臼でこねる作業がまた大変。それで徐々に誰もやらなくなってね。私も子供のころ手伝わされたけど、二度とごめんだわ。村に何人かポットづくりをしていたおばあさんたちがまだ生きているから、行程など話してくれるはずよ」

なるほど。
で、まずは子供のころの記憶を手繰り寄せてくれた先生たちの先導で粘土探しに野原へ向かいました。
「この辺りだったと思うのだけど。。」
見当をつけて、シャベルで掘り続けること1時間余り。ようやく粘土らしい土発見。米を入れるサックに詰めて学校に持って帰ります。
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石や砂利を除いて水を足してみんなでコネコネ。
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会場の図書館の中では収まらず、廊下へ、そして校庭へと拡張。。
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ここでも子供たちの創作パワーはとどまらず、壁にも進出。
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思い思いの作品が出来上がりました。
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翌日、麻世先生のところには
「うちの近くにもあったよ、粘土~~!」
とたくさんの子どもたちが粘土を持ってきてくれました。
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ところで、この村で創っていたという壺はどこかに残っていないのかしら?
と、聞きまくりましたが、
「みんなアンティーク商に売ってしまった」
「割れちゃった」
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とななかな現物にお目にかかれず。

最終日の出発間際、子供たちのおやつを作ってくれていたおばさんが
「壺ならうちに一つあるわよ。水瓶で使っているの」

さっそく、おばさんのうちに案内してもらいました。
あったあった歴史ものの壺。
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「アメリカに移住した親戚がこの村に帰ってきてね、まず、この瓶の水が飲みたいっていうのよ。やっぱりこの瓶の水が世界で一番おいしいって。」
いただいたコップ一杯の水はとてもやわらかい味がしました。
ダータ村の失われてしまった文化を惜しみながらの一杯でした。

(反町眞理子)
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by cordillera-green | 2012-11-03 14:11 | 環境教育