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2009年 10月 15日

台風ペペンの山岳部での被害が次々に明らかに。 取り残されつつある山岳民族の人たち。

 マニラ方面からバギオに続くケノンロードとマルコス・ハイウエイが開通したことで、バギオの住民たちは冷静さを取り戻しています。昨日SMのスーパーマーケットに買出しに行きましたが、「食料が不足するのでは!?」と不安にかられた大半の人たちは、すでにたっぷり食材を買いだめたようで、いつもよりすいているくらいでした。 もちろん、卵などまったくない食材もまだありますし、野菜の値段も高かったですが、前日に比べれば状況は改善。ほぼ、通常の暮らしが戻りつつあるかに見受けられます。

 しかし、お隣のラ・トリニダードから山岳地方に向かうハルセマ・ロードは以前不通。かなりの距離が交通止めで、しかも、道路沿いの土砂崩れはちょっとやそっとで修復できるレベルではないらしく、しかも閉鎖された道路のあちら側は、まだ電気も復旧していないとのこと。たった3台のヘリコプターが、土砂崩れでけがした人たちを山から運び、トリニダードから土砂崩れにあって亡くなった人の遺体を故郷の山の村に運んでいます。

 私のところには、ハルセマ・ロードの不通で町との物流が完全に途絶えている、マンカヤンとブギアスを拠点とするNGO「HCRCI=Heaven of Care Resourece Center」、そして、アトックの地方政府の臨時トリニダード・オフィスとして自宅を開放しているNGO「イヤマンIyaman」から、緊急援助を求めるメールが入ってきていました。
 物流の途絶えたハルセマ・ロードの向こう側は、米をはじめとする深刻な食料不足、また土砂崩れでケガをした人たちに対する治療の薬も不足しているとのこと。ロウソクモなく夜は真っ暗闇です。
 まったくニュースになっていませんが、イヤマンの事業地のアトックのパスドン村でも大規模な土砂崩れが起こり、10軒の一般の家、カソリック教会、バランガイ・ホール、クリニック、学校、6ヘクタールの田んぼが崩れ去ったとのこと。村の人たち約70人で、7人の重症のケガ人を天棒にくくりつけ、徒歩でバギオの病院まで2晩かけて運んできたそうです。ようやく運んできたケガ人の治療のための薬を買うお金もなく、イヤマン代表のクリスティンは、あちらこちら走り回ったらしいですが、どこもかしこも被災者を抱え、CGNに助けを求めにきました。

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ハルセマーロード29km地点で、アトック病院のけが人をバギオ病院に運ぶ人たち。


 


 


 CGNでは、皆様から送っていただいている寄付金の一部を、コミュニティに根ざして地道な活動を長く続けているHCRCIとイヤマンに託すことにしました。HCRCI代表のアイリーンとイヤマン代表のクリスティンとは古くからの知り合いであり、彼女たちの活動には日ごろから敬意を抱いていました。十分信用もできます。
 CGNは副代表のジャン・タクロイBSU教授がマウンテン州タジャンに支援物資をもって向かう予定でいます。ハルセマ・ロードがまだ不通の場合は、イフガオ州のバナウエを通って迂回してでも現地に行きたいとのこと。タジャンでは、すべての犠牲者の遺体が昨日午後に収容されたとのこと。今朝のWEBニュースには、大量の木製の棺が手作りされている写真が掲載されていました。悲しいかな。

 それにしても、フィリピンのメディアは冷たい。すべてはマニラ中心です。バギオからマニラに向かう道路については刻一刻と開通の状況を報道していましたが、山岳民族の村に通じる生命線のハルセマ・ロードについてはほとんど報道しません。パスドン村のように、政府発表やメディアに被害の状況が伝えられていない土砂崩れのケースが山岳地方にはどのくらいあるのでしょうか。

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ハルセマ・ロード31km地点の土砂崩れ。


 




 


 どうやらアロヨ大統領もヘリコプターでおととい13日にバギオに来たらしいですが、804枚の毛布と500の食料パックと170の水用コンテナーと、26家族分の葬式代50万ペソを、ラ・トリニダードのプギスのリトル・キブガンの人たちがの避難所に寄付し、そそくさと次の被災地・パンガシナンのダグパン市に発ったということでした。

 ちなみに、15日付けのローカル日刊紙「Sun Star」によると、コーディリエラ地方の直接の被災者(けが人、家屋の崩壊)の数は、44,698家族、219,447名。約83の避難所が家を失った人と亡くなった人の遺体収容所として稼働中。今のところ確認された亡くなった人の数は251名、確認されたけが人は110名となっています。


 ハルセマ・ロードの完全な復旧には2-3ヶ月かかるのではないかという話も聞きました。弱い立場にある山岳民の人たちが国の救済策から忘れ去られることがないよう願うばかりです。CGNでは、被害にあった山岳民族の人たちが、元の暮らしを取り戻すことができるようになるまで、復旧のために草の根での支援を続けていきたいと思っています。引き続き、復旧のためのご寄付を募集しておりますので、よろしくお願いいたします。
ご寄付の送り先はこちらをご覧ください。

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          ↑バギオ・ジェネラル・ホスピタルに運ばれたパスドン村のケガ人たち。

お見舞いに行ったCGNスタッフの岡田によると全身、骨折、傷、打ち身で見るに絶えない状態だそうです。
病院はケガ人であふれ、手術室も、入院のためのベッドもいっぱい。信じられないような惨状だそうです。
病院を訪ねた岡田の書いた、CGNスタッフブログもご覧ください。


(写真はアトック地方政府の提供です)

by cordillera-green | 2009-10-15 14:42 | 緊急支援


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