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2009年 11月 08日

キブガンからの支援要請

ベンゲット州キブガンは、CGNの最初の植林事業のフィールドでした。この森林再生事業は2003年、キープ協会とともに国土緑化推進機構の助成を受け、ポブラシオン村のウブ集落、リプカン集落、アバス集落、マヨス集落、ポリス集落にて行ないました。その後、イオン環境基金の助成を受け、ポブラシオン村、そしてパリナ村、サグパッド村で、森林再生、コーヒーを中心としたアグロフォレストリー事業、環境に負荷の少ないライブリフッド事業としての養蜂指導などを2006年まで継続しました。

キブガンはフィリピンの「スイス」と呼びたいすばらしい景色の山の村です。その分、山の険しさもスイス並み。植林事業のモニタリングに行く度に、「何で植林場所はここじゃなくちゃいけないのだ!」とだれにともなく、ひとり不満を口にしたくなるような、険しい山道。多くの村や集落には今も道や電気がありません。

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    ↑向こう側の山が植林場所なのです


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    ↑こんな斜面に木を植えます。
     豆粒みたいな植林する人が見えますか?
     私はここまでたどり着くのが精一杯でした。


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    ↑苗木場も作りました。

 
事業の現地のカウンターパート団体は農民団体でしたが、本当にみなよくやってくれて頭が上がりませんでした。何10キロもする苗木を竹かごに入れ、背中に担いで急な山道を何時間もあるいて植林場所まで毎日毎日運んでくれました。CGNとしてもはじめての植林事業で、山岳部の村での植林事業がいかに厳しいものであるかを実感しました。

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         ↑こうやって苗木を伝統スタイルのかごに入れて山道を運ぶのです
 

「地球のために木を植える」というのは、日本ではなんともすがすがしい前向きのイメージですが、今日・明日の食べるものにも不自由している山岳地方の先住民族の村で、畑仕事の時間を裂いてすぐには金銭的な収入につながらない植林をしてもらうのは本当に大変なことです。「いくら次世代のため」と言ってもなかなかつらい仕事を率先してやってくれる人はいません。キブガンでの植林事業を通して、私たちが学んだのは、カウンターパートの団体のリーダーが森林再生の価値を理解してくれ、村人を動かしてくれなければ植林事業は不可能だということです。キブガンではパートナーシップを組んだ3つの農民団体は、いずれもすばらしいリーダーを抱えていて、そのうちの一人は、今、町長(Mayor)となっています。

今回の台風ペペンで、あの険しいキブガンの山が崩れたのでは? 私たちの植林場所が崩れたのでは? と気がかりでしたが、幸いにも死傷者の出た土砂崩れはなかったようです。しかし、このキブガンからの移住者が住んでいたラ・トリニダードのリトル・キブガンで100人近い人が亡くなる大きな土砂崩れがあり、世間の注目はそちらに集まってしまいました。バギオからラ・トリニダード経由でキブガンに行く道は橋が壊れてしまい、キブガンは今も陸の孤島と化しているため、情報もなかなか入ってきません。

そんな中、カウンターパートだった農民団体ELAMFLAのアウグスティーナとシアット町長から、台風ペペンの被害の報告が届きました。

・全倒壊家屋:11軒
・部分倒壊家屋:32軒
・2,608人の農民に被害、45,773,471.35ペソの農作物(野菜、米、サツマイモ、豆、サヨテ、バナナ、コーヒー)の被害
・10.82ヘクタールの養殖魚の被害。32,750ペソ相当
・行方不明あるいは死亡した家畜(牛、カラバオ=水牛、ヤギ、ブタ)245,000ペソ相当
・水道システム、道路(国道、農場から市場までの道、バランガイ道)、歩道、歩道の橋、建築物の被害87,635,000ペソ相当。


死傷者が出ていないので、ニュースにまったくなっていないキブガンでさえ、被害の大きさは想像を超えています。

キブガンの人たちが、今最も必要としているものは以下のものだということで、支援の要請がありました。

1.米、砂糖、LPGプロパンガスタンク、ロウソクなど。
2.道路の修復、水道システム、灌漑システム、壊れた家屋、養蜂所の修復のためのサポート

CGNからは、日本人スタッフの岡田さん(マッチャ)と二人のフィリピン人スタッフが救援物資を持ってキブガンに向かいました。1日目はキブガンまでたどり着くことさえできず、翌日早朝5時に再び出直し。ようやく、キブガンにたどり着きました。岡田が2日をキブガンで過ごし、今日、バギオに無事戻りました。キブガンでのレポートは、岡田さんがCGNボランティアブログでレポートしてくれています。

by cordillera-green | 2009-11-08 19:58 | 緊急支援


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