2010年 12月 11日
コーディリエラ・グリーン・ネットワーク(CGN)は、アートを通した国際交流NGO「スンダランド・アート・ネット」(名古屋市・代表:廣田緑)、財団法人キープ協会(山梨県北杜市)と共同で、ルソン島北部イフガオ州の世界遺産の棚田の村(フンドアン郡ハパオ村・バアン村)において、棚田の保全と日比友好のための「棚田コミュニティ・アート・プロジェクトin ハパオ&バアン村」を12月17-19日に開催します。 イフガオ州の棚田の急峻な山岳部を切り開いて作られた景観と、森からの一筋の泉の水をすべての棚田にいきわたらせる灌漑技術は、「世界で8番目の不思議」と呼ばれています。しかし、山の中の棚田での農作業は機械化ができず、すべてが手作業で行われる重労働であるため、近年、棚田の村を捨て、町に移住する若者があとを絶ちません。棚田の村では高齢化が進み、耕作が放棄される棚田も増えています。また、棚田に水を供給する森林の消失も著しいスピードで進行しており、乾季には水不足から稲作が不可能な棚田も出てきました。そのため、2001年にはその存続が危ぶまれるとして、世界危機遺産に指定されています。 また、イフガオ州は第二次世界大戦末期に日本軍が撤退し、山下奉文将軍が降伏した地とも知られていて、敗戦色が強まる中で多くの日本兵が亡くなっていて、日本との歴史的関係の深い土地でもあります。 今回のアート・プロジェクトでは、地元で「ウドンUdong」と呼ばれる棚田の稲わらの一部を材料とした手漉き紙作りと、その紙を使った手工芸品(ランタン、凧、カード作り)作りのワークショップを、村の子供たちを対象に行います。手漉き紙の指導には、ベンゲット州カパンガンに暮らす手漉き紙職人・志村朝夫氏があたります。手工芸品作りの指導は大阪のAManTO天然芸術研究所とフィリピン大学バギオ校芸術学部の教員と生徒が担当します。 また、造形作家の廣田緑氏が、志村氏の工房で作られた100枚の稲わら手漉き紙を素材に「大戦で亡くなった日本とフィリピン、そして世界中の人々への鎮魂と平和への思い」を作品にし、バアン村の棚田にインスタレーションします。12月18日の日没後、廣田氏の作品を舞台に、日本とフィリピンの民族音楽のミュージシャンが即興で演奏し、日本人コンテンポラリー・ダンサーのJUN Amanto氏が鎮魂と慰霊のパフォーマンスを行います。 12月19日には、北ルソンのコーディリエラ山岳地方6州の若者たちによる劇団「Anak di Kabilinga(山の子供たち)」が、環境保全をテーマとした民話と「コーディリエラ版・民衆の敵」の上演を、ハパオ村小学校にて行うほか、18日と19日の2日間、現代美術家のカワヤン・デ・ギア氏(バギオ市)と水町克氏/スタジオKURI(山梨県北杜市)が平和のための作品を、コミュニティ内で展示します。 参加予定のアーティストの方々は以下の方たちです。 廣田緑(造形作家) 志村朝夫(手漉き紙作家) KURI(Katsu & Miho)(音楽ユニット) JUN Amanoto(コンテンポラリー・ダンサー) 南沢靖浩(シタール奏者) 山本公成(ソプラノサックス、笛) 福本卓道(尺八奏者) AManTo 天然芸術研究所 キドラット・タヒミック(映像作家) カワヤン・デ・ギア(現代美術家) 水町克/スタジオKURI(現代美術家) エドガー・バナサン(民族音楽家・竹細工アーティスト) アレックス・トマパッグ(民族音楽家) BINAGI(マウンテン州タジャン民族音楽グループ) 直井保彦(写真家) ファラ・マヌエル(マルチ・メディア・アーティスト) Anak di Kabilingan(山の子供たち)シアターグループ (マウンテン州、カリンガ州、イフガオ州、アブラ州、ベンゲット州、アパヤオ州の若者たちによる環境演劇グループ) フィリピン大学バギオ校芸術学部 助成: 国際交流基金 地球環境基金 あいちモリコロ基金 協力: AManTO 天然芸術研究所(大阪市)/イフガオ州フンドアン郡政府/バアアン村/ハパオ村/バアアン小学校/ハパオ小学校/フィリピン大学バギオ校芸術学部/ スケジュール: 12月7-10日 稲わら手漉き紙ワークショップ 「棚田の村と原始の森にイーグルが戻ってくる日」 稲わら手すき紙作りワークショップ by 志村朝夫(手漉き紙作家) 会場:バアアン村小学校&ハパオ村小学校 12月17日(金) 稲わら手漉き紙ワークショップ 「棚田の村と原始の森にイーグルが戻ってくる日」 3pm:ランタン作りワークショップ By AManTO天然芸術研究所(大阪市) ハパオ小学校Hapao Elementary School 12月18日(土) 稲わら手漉き紙ワークショップ 「棚田の村と原始の森にイーグルが戻ってくる日」 9am-12:ランタン作りワークショップ 1-4pm:凧作りワークショップ By AManTO天然芸術研究所(大阪市) 会場:バアン村小学校 7pm アート・インスタレーション&パフォーマンス 「森のささやき・精霊の舞」 廣田緑(現代美術家) JUN Amanoto(コンテンポラリー・ダンサー) KURI(Katsu & Miho/音楽ユニット) 南沢靖浩(シタール奏者) 山本公成(ソプラノサックス、笛) 福本卓道(尺八奏者) エドガー・バナサン(民族音楽家) アレックス・トマパッグ(民族音楽家) ほか 会場:バアン村棚田Rice terrace in Baang 12月18-19日 コミュニティ・アート・インスタレーション ●幸せの白い鳥アートプロジェクト by水町克/スタジオKURI ●アートインスタレーション by カワヤン・デ・ギア 会場:バアン村とハパオ村内 12月19日1pm 稲わら手漉き紙ワークショップ 「棚田の村と原始の森にイーグルが戻ってくる日」 9-12am :凧の絵付けワークショップ 1-5pm: 木版画カード作りワークショップ Byファラ・マヌエル&フィリピン大学バギオ校芸術学部 1PM エコ・ツーリスム講習会「Development on Eco Tourism 」 By ルエル・ビムヤッグ 会場:ハパオ村小学校 7PM Anak di Kabilingan シアターグループ環境演劇公演 ゲスト: kuri , Jun Amanto’s group , BINAGIほか 参加アーティストの一人・廣田緑氏が、こまめにプロジェクトの一部始終をアップしてくれますので、詳細はぜひぜひこちらを参照ください。
by cordillera-green
| 2010-12-11 23:37
| 環境イベント
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