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Cordillera Green Network ブログ

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2011年 10月 24日

CGNのCSR事業が国際ビジネス大賞(スティービー・アワード)を受賞なのですが・・

 今年設立10年目のコーディリエラ・グリーン・ネットワーク(CGN)ですが、PMFTC(Philip Morris Philippines Manufacturing Inc.)と実施しているCSR事業「北ルソンのタバコ農民のための植樹事業」が国際ビジネス大賞」を受賞しました。
 国際ビジネス大賞というのは、スティービ・ーアワードという名で知られ、日本事務局もしっかりあるなかなか権威ある国際的な賞のようです。
日本事務局のHPによると
「スティービーアワードはビジネス界のオスカー 。 ビジネス現場での優れた業績を評価し、世間に広く紹介することがスティービー アワードの使命です。」
とのこと。
 個人、企業、チーム、製品、コーポレート メディア ( Web サイトやビデオの制作など) など数十のカテゴリーがあり、そのうちの企業・団体カテゴリーの「Environmental Responsibility Program of the Year in Asia, Australia and New Zealand」(環境責任プログラムーアジア、オーストラリア、ニュージーランド地域)というカテゴリーでの受賞です。40か国の3000以上のエントリーの中からの受賞といおうのだから、誇るべき受賞です。

受賞者リストはここ。英語です。
http://www.stevieawards.com/pubs/iba/awards/408_2648_21072.cfm
もちろん、この賞は企業・団体やその活動に対して与えられるもので、今回の賞の対象は事業主であるPMFTCが受賞したもの。しかし、2007年から現場でコミュニティ・オーガナイズと苗木作りと植樹の指導、それにCGNがかかわり始めた2006年以前の植林事業のモニタリングを担当してきたのはCGNです。2008年からはバギオ市の老舗NGO「Jaime V.Ongping Foundation-JVOF)」も、コミュニティ・オーガナイズの一部で参加。資金を出している企業と事業の実施を担当する二つのNGOの共同事業という形をとってきました。

 ところが、今回の受賞のニュース。CGNには来なかった!私は、たまたま買った地方紙に見たことのある顔の写真を見つけ、それがPMFTCのマネージャーChiris Nelson氏。よくよく記事を読んでみたら、この国際的なビジネス大賞を受賞したという記事で、パートナーのNGOの名前として書かれているのは「Jaime V.Ongping Foundation-JVOF」のみ。まるで彼らの功績の受賞のような書き方で、さすがの私も頭に血が上りました。たぶん記事はOnping Foundationのプレスリリースでしょうが(いくつかの地方紙にほぼ同じ記事がのっていましたから)社会貢献事業にかかわる非営利団体が、どうしてこういう売名行為に近いような記事を胸を張って配信できるのか理解不能です。

 もちろん、私たちCGNの活動は地位や名誉のためではないのですが、この事業の下で働いている当本当まじめで口下手でシャイなフォレスターたちのことを思うとたいへん悔しい思いがしました。現場に行ったら、野宿同然の環境で1週間も2週間も帰れないようなことがざらにある厳しい事業なのです。
 PMFTCの事業担当者は受賞を現場のCGNのスタッフとわかち合うべきだし、Onping財団はこういった事業の受賞を政治的な道具に使うべきではないと思います。Onping財団はプレジデントが元市長の父親だったりで、政治的な立ち回りがたいへん上手。もちろんNGO活動といっても行政と手を組まねばならないことも多々あるのですが、政治家と手を組んでそのイメージアップや資金稼ぎの道具に使われてしまうのでは、どこがNGOか!という感じです。

昨日発行のこの町で一番の購買数を誇る地方紙に同様の記事が掲載されたことから、今日は朝から何人かの「あの記事はどういうことなのだ!?」という怒りのテキスト(SMS)が届いています。

 しかし、一方、本当にたくさんのNGOが世の中にはあって、CSRで企業が組もうというNGOはやはり宣伝や広報が上手なところになるかもしれません。これからの世の中、ますます、企業の社会貢献が欠かせなくなっていくことでしょうし、今年10年目を迎えたCGNも今後事業を継続・拡大していくには、営業や広報活動にもっと力を入れていかなくてはいけないなと反省もしました。

 なにはともあれ、初の国際賞受賞に乾杯!

CGNのCSR事業が国際ビジネス大賞(スティービー・アワード)を受賞なのですが・・_b0128901_1912840.jpg


CGNがこの事業で植えてきた苗木の数は以下です。
2007-302,000本/120ha
2008-500,000本/200ha
2009-240,000本/100ha + 2000本の竹
2010-250,000本/120ha + 2000本の竹

いや、本当に地道に働いているNGOです。私たち。
がんばらなくっちゃ。

by cordillera-green | 2011-10-24 19:16 | 植林/アグロフォレストリー


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