人気ブログランキング | 話題のタグを見る

Cordillera Green Network ブログ

cordillera.exblog.jp
ブログトップ
2018年 04月 01日

東ティモールのNGOとコーヒー交流

 コーディリエラ・グリーン・ネットワーク(CGN)は、NPO法人「平和環境もやいネット」のパートナーとして実施している「フィリピン北部山岳地方におけるアラビカ・コーヒーの品質向上のための基準作りと普及事業」(公益財団法人・日本国際協力財団助成)の活動として、20168月に3人のコーヒー農家さんとともに東ティモールの日系NGOとコーヒー農家への研修ツアーを実施した。

詳細はこちらのブログで。

 コーヒー栽培の実際について先輩格の東ティモールの農家さんやNGOスタッフから学んだことは多く、また、同じ農家としていろいろな面で共感を感じた有意義なツアーであった。とくに、コーヒーチェリー収穫後の皮むきのための手作りのデパルパーの作り方を、村の名人から手取り足取り教わったのは、かけがえのない経験だった。

 ツアーに参加した3人の農家さんたちは、帰比後それぞれ東ティモールで学んだデパルパー(皮むき機)を手作りし、2017年末から2018年あたまの収穫期では実際に使用した。山の村に流れている空気同様ゆっくりではあるが、東ティモールでの研修の成果は徐々に浸透し、広がりを見せている。



東ティモールのNGOとコーヒー交流_b0128901_22320806.jpg

 そして、フィリピンのコーヒー農家の東ティモール研修から1年余。今度は東ティモールのコーヒー生産に関わって草の根でコミュニティで活動している3つのNGOからスタッフが来比し、コーヒー栽培地を訪問してさまざまなアドバイスを与えるとともに、東ティモールのコーヒー栽培について紹介した。


フィリピンを訪問してくれたのは以下の4名。

●ピース・ウィンズ・ジャパンPeace Winds JapanPWJ)

Mr. Domingos Magalhaes

Field Officer/Coffee farmers (14 years)

Mr. Ademar Martins dos Santos

Field Division Manager

●パルシックParcis

Mr. Nelson Jase Fatima Alves

Processing Manager/Coffee farmer

●パーマティルPARMATIL

Ms. Adozinda Coutinho Barreto Soares

Project Coordinator and Trainer


 4人は東ティモールに帰国後、フィリピンでの経験に関する感想や、経験からフィリピンでのコーヒー事業や農家に対するコメントをお願いした。

 印象に残った場所や出来事を3つ挙げて、その理由を教えてください。

フィリピンの人々がよりよく暮らすために、大切だと思ったことがあれば教えてください。

③東ティモールの人々がよりよく暮らすために、大切だと思ったことがあれば教えてください。

④コーヒー育成に関して、講習で話したこと以外で、特に伝えたいことがあれば簡単に教えてください。

⑤ その他、感想があれば何でも教えてください。


以下は4名からの回答である。

Mr. Domingos Magalhaes(ピース・ウインズ・ジャパン(PWJ))

Mr. Ademar Martins dos Santos(ピース・ウインズ・ジャパン(PWJ))


東ティモールのNGOとコーヒー交流_b0128901_22385482.jpg
東ティモールのNGOとコーヒー交流_b0128901_22370316.jpg


1.印象に残った場所や出来事を3つ挙げて、その理由を教えてください。

キブガンでのワークショップが印象的でした。標高が1600mあり、とてもコーヒーにあった土地であったからです。将来的に高品質のコーヒーを作り出すことができる地域であると思います。

2.フィリピンの人々がよりよく暮らすために、大切だと思ったことがあれば教えてください。

コーヒー農園の管理をしっかりと始めることが大切です。また農園の拡張そして、化学肥料を使わないことです。

3.東ティモールの人々がよりよく暮らすために、大切だと思ったことがあれば教えてください。

東ティモールの農家はコーヒーがメインの収入源であり、問題なく暮らしています。例えばレテフォホという生産地では100%の農家がコーヒーを育てており、その収入源で暮らしています。

4. コーヒー育成に関して、講習で話したこと以外で、特に伝えたいことがあれば簡単に教えてください。

コーヒー農家とともに働くことが大切だと思います。政府との連携をしっかりと測り、特に農業省との連携が大切であると思います。そうすることによって農家へ情報が流れ、農家は多くの苗木を植える気になり、農場近くで化学肥料を使用することを控えることができると思います。

5.その他、感想があれば何でも教えてください。

CGNに対する提案は下記のものになります。

-農家のためにデモファームの建設

-苗木の移植とカットバックの推奨

-コーヒーを植えて、カットバックを行わない。トリニダッドの大学の近くのコーヒーの木を見た時に、問題なく生育しており、良い結実であった。

ベンゲットのコーヒー農家に対して言えることは、辛抱強く待つということです。農家と話している時によく聞いたことは、生産量が少ないということでしたが、それはまだコーヒーの木が若いからだと思います。


Ms. Adozinda Coutinho Barreto Soares(パーマティル)

東ティモールのNGOとコーヒー交流_b0128901_22375304.jpg


1.印象に残った場所や出来事を3つ挙げて、その理由を教えてください。

CGNとの旅行はとても印象的でした。ベンゲットの村々を周りとてもまとまっており、楽しくプレゼンテーションができました。若者たちも熱心に話を聞いてくれ、熱意を感じました。私が援助している東ティモールの方々にも共有しようと思っています。

2.フィリピンの人々がよりよく暮らすために、大切だと思ったことがあれば教えてください。

農家の結束力が大切です。実際にたくさんの農家さんがいてとても驚かされました。

3東ティモールの人々がよりよく暮らすために、大切だと思ったことがあれば教えてください。

東ティモールのコーヒー農家は独特なキャラクターがあります。お金のことだけを考えている農家もいれば、しっかりと地に足をつけて働いている方々もいます。満足のいく結果を出すためには、今後は品質を向上させていく必要があります。

4. コーヒー育成に関して、講習で話したこと以外で、特に伝えたいことがあれば簡単に教えてください。

私の提案できることは、コーヒー農家は最高品質のコーヒーを目指すべきだと思います。デモファームを作ると良いと思います。有機のコーヒーが良いと理解するために、有機と非有機栽培で行うと良いかもしれません。サヨテ栽培を行っている村で思ったことは、コミュニティの方達は将来の子供達のために考えていかなければならないと思います。コーヒー栽培を継続することがサヨーテ栽培よりも将来環境にも子供達にも良いことだと思います。もっとコーヒー栽培に関する技術を身につける必要があります。

5その他、感想があれば何でも教えてください。

インドネシア語では、しっかりと説明はできるのですが、私の英語力が足りなく、PWJスタッフとCGNに対して申し訳ない気持ちでいっぱいです。



Nelson Jose F. Alves (パルシック)

東ティモールのNGOとコーヒー交流_b0128901_22420185.jpg


フィリピンの農家さんは熱心に東ティモールの話を聞いてくれました。

ー第一日目カパンガン訪問

フィリピンの農家さんは木製のパルパーをしっかりと作成していました。

アフリカンベッドで乾燥させていた。

1212日収穫されたコーヒーはしっかりと熟しており完熟のみを収穫していた

コーヒーの木はまだ小さく生産量は少なかった。

グラニカという品種を知った

食事は、カパンガンの伝統料理、鳥とサヨーテを煮込んだもの、そしてコメ。お米から作ったお酒。

カパンガンのコーヒー農園へ訪問


-キブガンへ訪問

組合のメンバーは72世帯
メンバーの多くは女性で子供を抱えながらの参加

東ティモールのコーヒー産業並びにパルシックのコーヒーの活動について連絡した

気候は寒く、サヨーテの生産がメインの土地

コーヒーはまだ生育途中で、500キロ。ローカルのマーケットで販売する予定

キブガン訪問後トゥブライ所有の水洗工場に訪問

郡長とともに工場を見学した

工場はコーヒー農家が使用できるようになっており、高品質のコーヒーを産出できる。コーヒーを焙煎することができ、マーケットへの販売も可能


ーベンゲット州の農業省でセミナー

セミナーは8時から5時まで行われ、参加者はすべてのセミナーにしっかりと参加していた。

セミナー内ではディスカッション並びにオープンフォーラムも開かれ、英語とタガログ語で行われていた

CGNより感謝状を拝受した

マニラへ販売される野菜を集荷している大きなマーケットを訪問

珈琲屋を訪問し、コーヒー実から作ったお酒を飲んだ

巨大なマーケット施設SMを訪問


ー今回の渡航のまとめ

訪問したバギオでは、野菜の生産が多く、化学肥料をたくさん使っているようだった。人口が多いためそのようにしていると思われる 。車両の交通が多く、排気ガスの量が多い。コーヒー生産者は女性と老人のみであった。コーヒーを植えている人はあまり多くない。それよりも多くの時間をサヨーテに割いているようだ。サヨーテの栽培だけではなく、コーヒーの栽培にも時間を割けるようになると良い。


東ティモールのNGOとコーヒー交流_b0128901_22360854.jpg




by cordillera-green | 2018-04-01 19:27 | コーヒー


<< 「演劇ワークショップでアジアの...      アラビカ・コーヒー収穫ツアーの... >>