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2019年 07月 25日

演劇ワークショップでアジアの農村をつなぐ モノローグ⑥(ハピッド国立高校-ラムット)

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ハピッド国立高校のあるラムットは、低地の穀倉地ヌエバ・ビスカヤ州からラムット川を渡ってイフガオ州に入って最初の町です。山は少なく、険しい山と棚田のイメージのイフガオの中では異質な地理条件です。農家の人たちの生計手段は、トウモロコシ栽培、家畜の放牧、ティラピアの養殖などで、稲作は少ないようです。


ハピッド国立高校でこのプロジェクトを担当したベネリンは、美しい棚田の町マヨヤオのバランバン村の出身です。CGNが2009-2010年くらいにバランバン村の中学校で演劇のワークショップをやった時に、ベネリンの弟のヘイゾンが参加し、最年少ながら素晴らしい体の動きでファシリテイターとスタッフを魅了しました。2011年にCGNがさまざまな先住民族の高校生たちの混成チームで日本に演劇公演と環境教育ワークショップのために行ったときに、最年少で選抜されて参加したのがヘイゾンでした。

兄弟が多く貧しい農家の家庭の出身だったため、CGNは大学に行きたいというヘイゾンに奨学金サポートを始めました。姉のベネリンも優秀で向学心にあふれている教員志望ということで、CGNは姉のベネリンの大学の授業料のサポートもしました。ベネリンは無事教員試験をパスし、本当は故郷のマヨヤオで教員になりたかったそうですが、空きがあったラムットのハピッド高校で夢の高校教員生活を始めています。


イフガオ州教育省にこの演劇プロジェクト受益者となる高校を上げてもらったときに、実はハピッド高校は入っていませんでした。同じイフガオといっても大きく3つの言語があり、とくにアヤガン語を英語に訳してファシリテイターに伝えてくれる人がワークショップでは必要と思い、CGN奨学生だったベネリンに通訳できてもらったのですが、ワークショップ会場でベネリンはあっという間に通訳より演ずるほうに夢中になり、いつの間にか参加者の中心になっていました。

2018年10月の上田市の街中演劇祭の参加メンバーにも選ばれて、弟に次いで日本訪問も果たしました。夢に向かってベストを尽くし、確実に一歩ずつ歩んでいく誠実な姿勢は、イフガオでのワークショップから上田の公演での演技まで、すべてのステップで彼女の個性として輝いていました。










ジェリー・ブワイ

Jerry Buway

私はジェリー・ブワイです。農家であると同時に、牧草地で牛を飼育しています。牛が逃げていないことを確認するために、日に3回フェンスを確認しなければなりません。

私たち経験した問題は、牛が牧草地から脱走し、他の人の作物を荒らしたことです。そうなったら、私たちは牛が荒らしたものを弁償しなくてはならないのです、ほかの牧草地では牛がいなくなってしまい、どこにも見つからなかったということもありました。



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ロシータ・ブラユンガン

Rosita Blayungan

 私はロシータ・ブラユンガンです。いま59歳ですが29歳の頃より「バンカグ」と呼ばれるトウモロコシ栽培をしています。幼少期の頃から親にくっついて畑仕事をしていました。結婚してからもずっと農業で生計を立てています。

 私たちが実践している伝統的な文化に“ウブフUbfu”というものがあります。ウブフとは、人々がお互いに植え付けや収穫といった畑仕事をお金という報酬なしで助け合うというものです。誰かが手伝ってくれたらそのお返しにまた手伝うという伝統的な文化です。

 トウモロコシ栽培は、リスクのあるギャンブルのような仕事です。儲かるか損をするかわかりません。長い間の農業経験から、植え付け、収穫、マーケティングそれぞれの分野で問題を経験してきました。

 問題の一つは、何週間も雨が降らないこと、そしてネズミが作物を食べてしまうことで、収穫が減ることです。収穫が少量だと利益が減り、植え付けのために買い入れた借金返済が滞ります。台風が来た時は、収穫前のトウモロコシが破壊されました。このような出来事があっても私たちの家族は何とか生き延び、子どもを学校に送ることができています。どんなにたいへんでも私たちにはトウモロコシ栽培が生計手段なので、植え続けていくしかないのです。

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ベン・ブウェイ

Ben Buway

私はベン・ブウェイです。現在は45歳で30年間、稲作と「カイギン」や「マンウマ」と呼ばれる焼き畑に従事してきました。

私の長女は豆や白菜などの野菜栽培をしています。

稲作はたいへんが、実際のところは私たちの主食供給してくれています。

一般的な問題の一つはティカグと呼ばれる干ばつの被害に遭うことです。雨が降るのをただ待つしかないのです。

なぜなら、水を供給するための灌漑施設がないからです。

そんなわけで、収穫は少ししかありませんでした。

時々雨が降らない時は、稲ではなくバナナを植えたり、日常生活に必要なものを得るために、焼き畑をします。

もう1つの問題は私たちの稲に被害を及ぼす「ファヒクリ」というタニシやキウィット、その他の昆虫などです。

以前は有機肥料を使っていましたが、今では「アボノ=化学肥料」と農薬を使うようになっています。

焼き畑をしている私たちのもとに、村の代表と農業省、環境資源省のスタッフがやってきて、「アボノ=化学肥料」や農具、苗木を支給してくれたことがありました。収穫が終わった後には、植樹をするようにということでした。


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Jerry Buway

I am Jerry Buway, a farmer and at the sametime, I am raising cattle or cow in our pasture. I have to visit and check the fences three times in a day to make sure that our cattle did not escape.

The problems we had experienced was when our cattle went out the pasture; and destroyed the plants of other people. Sowe are responsible to change anything that was destroyed by our cattle. In some pasture area, cattles just disappear and nowhere to be found.


Rosita Blayungan

I AM Rosita Bulayungan, 59 years old and I’ve been farming “bankag” or planting corn for 29 years, since childhood, I used to go with my parents in the farm working until now that I’m married we still do farming as our source of income.

One tradition that we practice is the “ubfu”where in people will come to help in the farm to plant and harvest without wage. In return, we will also go and help them when they will perform “ubfu”.

Planting corn is like gambling that you have to take risk. It’s either you gain or you lose. With the years of experience in farming there were common issues and problems we encountered during the planting, harvesting and selling.

One problem was drought weeks without rain will wither the plant and mice eat the plants and the result is little harvest.In little harvest means a few to sell and not enough money to pay debt that was borrowed as capital in planting. When there were typhoons, it destroys the corns which are not yet ready for harvesting. With all these incidents, my family was able to survive and able to send our children to school and no matter how difficult, we will still plant corn for it is the source of our livelihood.


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Ben Buway

I am Ben Buway, 45 years old and almost 30 years in doing rice farming including “kaingin” or called “man uma”.

My eldest daughter is into gardening like planting beans, petchay and others.

Planting rice is hard but it actually sustains our basic needs.

One common problem I encountered is drought or what we call “tikag”, because I’ll just wait for the rain.

Moreover, there is no irrigation to supply us water.

Therefore, we have a few harvests.

Sometimes when there is no rain, I will not plant rice but banana or we go for kaingin to sustain our daily needs.

Another problem is the snails “fahikur”, “kiwit”and other insects which destroy our rice plants.

We had been using organic fertilizer before but at present we are using “abono”and chemical spray.

There was a time when our “barabgay” Chairman and staff from DOA and DENR came to distribute “abono”, tools used in farming and even seedlings for us who do kaingin to plant after the harvest or what we called “tree planting”.


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by cordillera-green | 2019-07-25 23:13 | 環境教育


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