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Cordillera Green Network ブログ

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2008年 11月 28日

CGNの播いた種

 観光省コーディリエラ地方支部(DOT-CAR)主催の観光イベント「WOWフィリピン」が先週末に行われ、コンベンション・センターで行われていた「Cordillera Theatrical Cultural Performance」なるものを覗きにいきました。
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 なんだか昨年12月にコーディリエラ・グリーン・ネットワーク(CGN)が行った「コーディリエラ・ユース・エコサミット」の環境コミュニティ・シアター・フェスティバルにそっくりな企画。
考えてみたら、昨年、「少しでも集客になるかしらん」と思って、DOT-CARに、「WOWフィリピンのプログラムに加えてくれませんか」と、企画書を持って頼みに行きました。そのときDOTのディレクターには「いい企画ネエ」とお褒めの言葉をいただき、「カラフルで素敵なポスターじゃない」と部下のスタッフをわざわざよんで見せてくれ、「私たちでさえ、アブラやアパヤオから参加者を招待するのが大変なのよ。がんばっているわねえ」と感心され、その後、すっかりWOWフィリピンのプログラムのように新聞などに掲載してくれたのです。どうやら、今年は、DOTの自主企画ということですっかりパクられてしまったようです。違うのは、テーマを環境に限定していないことと、コンテスト形式で、1位、2位と順位をつけて賞金を出していたことでしょうか。
 幸いにも、今年度の私たちのエコサミットはイフガオ州とカリンガ州での開催なので、バッティングすることがなくほっとしましたが、なんだかがっかりしてしまって、いくつかのグループのパフォーマンスだけ見て帰ってきました。その感じでは、カルチュラル・ショーが中心で、演劇的な要素がないな、ということ。演劇ってなんだか基礎さえわかってないないな、ということ。
 あとで、聞いたところ、高校部門の優勝はベンゲット州カバヤン、カレッジ部門の優勝はイフガオ州のハパオで、いずれも昨年のエコサミットに参加したグループだったそうです。
 昨年のエコサミットではCGNは山岳地方の5つのコミュニティに、演劇ファシリテーターを派遣し、高校生たちに環境をテーマとした作品を制作してもらいました。マウンテン州のタジャンやアブラ州のブクロクのように、もともと演劇グループがあったところもありましたが、カリンガ州パシルのように、エコサミットのために新たにオーディションを行なって演劇グループを作ってゼロからのスタートを切ったところもありました。
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 WOWフィリピンで受賞したベンゲット州カバヤンの演劇グループは、2年ほど前にCGNが行った環境演劇ワークショップをきっかけにできたグループ。イフガオ州ハパオの「Theatro Kabakab」は、だいぶ前にマニラのPETA(フィリピン教育演劇協会)が演劇ワークショップを一度だけ行ってそのときにグループができたものの活動が停止状態だったのを、エコサミットで活動を再開したものでした。
 私たちが主催したイベントの1回だけ公演活動ではなく、参加してくれたグループがその後も自主的に活動を続けて、環境へのメッセージをいろいろな場で発信し続けてくれているのはとてもうれしいことです。
 昨年、ハパオに指導に行った演劇ファシリテーターのフェルディはハパオグループの受賞を聞いて大変な喜びよう。自分の手を離れた子供の成長を喜ぶお父さんの顔をしていました。「今年度のエコサミットの指導もがんばるぞ」とやる気満々です。
 企画を盗まれるのは悲しいことですが(フェルディによるとこの国ではよくあることらしいです。そういえば今年のアースデイでも同じ問題が起きました。お役所は、企画ベタで、NGOの企画をパクるのが得意!)、それだけ、いい企画だったということですよね。これからも、1回限りでなく、長く長く参加者が自主的に継続してくれるようなインパクトの強い企画を立てて実現していきます!

by cordillera-green | 2008-11-28 21:49 | 環境イベント


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