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2018年 10月 01日 ( 2 )

台風22号(フィリピン名:オンポン)による フィリピン・ルソン島北部山岳地帯の農業被害と支援のお願い

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「コーディリエラ・グリーン・ネットワーク(CGN)」はフィリピン・ルソン島北部のバギオ市に拠点を置く、山岳地方の自然と先住民の暮らしを守るフィリピンで法人登録した環境NGOです。CGN2001年の設立以来、水源共有地の植林、アグロフォレストリー(森林農法)による森林再生と住民の生計向上、環境教育などの活動を、コーディリエラ地方と呼ばれるルソン島北部の山岳地方で行ってきました。

https://cordigreen.jimdo.com/

●台風22号の被害状況と報道

 2018915日にルソン島北部に上陸した台風22号(フィリピン名:オンポン)は、短時間での大量の雨と暴風により、各地で土砂崩れなどの被害が起きました。

 今回の台風被害で日本を含む海外、そして国内でも大きく報道されているのは、ベンゲット州イトゴン町での小規模鉱山開発地域における土砂崩れです。100人くらいの採掘従事者とその家族が犠牲になり、今も救出活動が続いています。イトゴン町は、バギオのお隣でバギオの中心から30分ほど。報道関係者がバギオからアクセスしやすいこともあり、大きく報道され、SNSで犠牲者の家族への寄付が大々的に告知されています。現場で救出作業に従事する人への炊き出しなど、様々なボランティアも動いています。

 フェイスブックで見る限りは、DSWD(社会福祉省)はもちろん、バギオ下院議員事務所、ドゥテルテ大統領からのお見舞い品など、多くのサポートが入っているように見受けられます。

まにら新聞の日本語記事:http://www.manila-shimbun.com/category/nature/news240147.html


●CGNのアグロフォレストリー事業のコーヒー栽培地の被害

 CGNでは山岳地方の緑化と先住民の貧困対策を同時に行うことを目的として、アラビカ・コーヒーの栽培を中心としたアグロフォレストリー(森林農法)事業を、山岳地方各地で2005年以来継続してきています。

 そのうちの一つ、ベンゲット州トゥブライ町では人的被害はなかった一方で、コーヒーの木を含む農業被害はCGNと横浜の認定NPO法人WE21の共同事業地の一つであるコロス集落を見ても深刻です。 

 コロス集落での台風22号(フィリピン名:オンポン)の被害レポートは以下のCGNのブログをご覧ください。

https://cordillera.exblog.jp/28668668/

ベンゲット州トゥブライ町の農政課ジェフリー・ソテロ氏からの農業被害についての報告は写真のとおりです。この報告よれば、農作物や施設の被害などで、およそ9千万円の被害額と見積もられています。

 CGNインターンが台風から2週間後の被災地の様子をカパンガン町サグボ村に行ってみてきました。

その様子はこちらのブログで。


●CGNの被災地復興支援

 コーディリエラ山岳地方は台風や大雨被害が多いところで、とくに2009-2010年と2年続いた台風では被害は今回以上で、どちらかというと緊急支援に腰の重い方であるCGNも、在フィリピン日本大使館の草の根無償支援協力から1000万円ほどのサポートを受けて緊急支援をした経験があります。

 この地で長く活動している草の根のNGOとしては、過去の経験を踏まえ、緊急支援にスピード感が大切なことは重々承知しながらも、なかなか情報の入りにくい山岳地方の被害状況を見極め、行政や外部の支援の入りにくい地域の中期の農業復興支援を地道にして行きたいと思っています。

 フィリピンも都市部はどんどん豊かになっていて、緊急時の食料や古着などの支援は、被害状況が明らかになりさえすれば自助努力でできるところがあると思います。 その一方で、こういったサポートは日本と同じで「熱しやすく冷めやすい」傾向があり、報道が下火になり、都市機能が完全に元に戻った時点で、まだ復興過程にある被災地の事を忘れてしまう傾向は否めません。


●支援の内容

 CGNとしては、収獲期を目前にまだ青いコーヒー・チェリーが強風で落ちたり、コーヒーノキが根元から倒たり、枝が折れたりしてしまった、山岳部のコーヒー栽培地での以下のようなサポートをしたいと考えています。

ーコーヒーの木の折れた枝や幹を手入れするための剪定バサミや剪定のこぎりの支給

ー破損した苗場用日よけネットの支給

ー農作物の植え替えのための種と肥料の支給

ー被害を受けた農園での作業をサポートするコミュニティ・ワークのためのボランティアの食料の支給


●寄付金のお振込み先と問い合わせ先

[お振込み先]

●ゆうちょ銀行 

金融機関コード:9900

店番号:019

店名:〇一九(ゼロイチキュウ)店

預金種目:当座

口座番号:0051319

口座名義:コーディリエラ・グリーン・ネットワーク


●広島銀行 

普通預金 

店番097(向島支店むかいしましてん) 

3077610
名義:コーディリエラグリーンネットワーク日本事務局事務局長竹本泰


【フィリピン国内口座】

Bank of the Philippine Islands(BPI)

Baguio Session Road Branch(0057)

Account Number: 0573-3058-76

Cordillera Green Network Inc Scholarship Fund


[連絡&問い合わせ先]

CGNフィリピン・オフィス>

担当:反町眞理子 / 古城日向子

25 J. Felipe Street, Gibraltar, Baguio City,

2600, Philippines

Tel: +63-(0)74-423-0839

cordigreen@gmail.com


CGN日本事務局>

竹本泰広

722-0062

広島県尾道市向東町8885-12

Tel:070-5661-0186


どうぞよろしくお願いいたします。


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by cordillera-green | 2018-10-01 14:26 | 緊急支援

台風22号被害視察 in サグボ村

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コーディリエラ・グリーン・ネットワーク(CGN)インターンの古城日向子です。

オンポン台風(台風22号)が去ってから2週間が経ちました。

Facebookでの被害状況を知らせるレポートや寄付の呼びかけ、写真のシェアなどは格段に減ってきています。人々の関心はいつも”その時”に限られます。私だっていろんなことを忘れてしまいがちです。特に自分がいる場所から遠ければ遠いほど気にかける時間が減ります。それが悪いことではないし、それぞれが気にかけていることがあるのだからそれでいいのだとも思います。

そんな中、バギオにある英語学校WALESの日本人マネージャー金子遼平さんや生徒さんから、
「たまたま滞在しているバギオで起こった台風被害、自分たちでできる古着などの寄付を通して被災地サポートができないか」
という申し出をいただいて、山の村の台風の被害とニーズ調査に行くことになりました。
 行ったのは5年前からCGNのコーヒー栽培事業地であるカパンガン町サグボ村。CGNにコーヒーの選別作業アルバイトに来てくれているヴァージニアちゃんの故郷ということで、今回は彼女に案内してもらいました。

バギオからのジープは、1日に1本しかなく朝7時半のジープに乗るために5時起きで出発!まずは、マーケットでお昼ご飯の材料の買い出しをします。村で調理してもらうときは、生きた鶏を買っていくのがマナーみたいなところがあって、さっそくチキン売り場へ。私も生きたチキンを買うのは初めてでした。

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こんな感じでチキンが入ったカゴが大量にあります
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1kg240ペソのチキンを計量中
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購入後、チキンは段ボール箱へ。私たちのお昼ご飯になってくれてありがとう。

こうしてジープ乗り場へ。サグボ村まではジープで2時間半ほどで到着します。サグボに近づくにつれて道がガタガタくねくねになり、土砂崩れの影響も見えやすくなります。サグボ村に着くと、ヴァージニアちゃんのお父さんとかわいい弟くんがお迎えに来てくれていました。そこからダユコン集落までは、歩いて30分ほどです。

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久しぶりの家族タイムに喜ぶ弟くんがとってもきゅーと!

道の両脇には、サヨテ畑が広がります。サグボ村のメインの収入源は「サヨテ(はやとうり)」ですが、台風の影響で一つ残らず吹き飛ばされ、サヨテのカラカラになった蔓だけがゆらゆらと揺れています。
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本当は一面に緑の蔓が広がっていたサヨテ畑

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カラカラの蔓さえ吹き飛ばされたサヨテ

ここには、ダユコン・ファーマーズ農業組合Dayukong Farmers Agriculture cooperative という組合があります。

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組合の建物に集まる組合メンバーの方々

 組合をまとめているジャネットさんを中心に、今回の台風の被害状況をお聞きしました。先ほどの写真からもわかるようにサヨテはすべて吹き飛ばされたと何度も言っていました。今後どうしていくのか聞いたところ、とにかく早く育つ作物であるチンゲンサイ、マスタード、豆、ネギなどに植え替えるそうです。サヨテ畑だったところを耕し畝をつくりはじめていました。すでにサヨテ以外の作物を植え始めている農家さんもいます。サヨテは、植えてから収穫までに6〜7ヶ月かかるので、いまはとにかく自分たちが食べていけるように、早く育つ野菜を育てる方針だそうです。
また、コーヒーに関しては60%(推定)がダメになってしまったとジャネットさんは言います。また、コーヒーチェリーも葉っぱも吹き飛ばされて裸になったコーヒーの木や、根元から曲がったり、完全に折れてしまっているコーヒーも見受けられました。現在、ダユコン集落では25家族がコーヒー栽培を行なっており、昨年の収穫量は1家族平均40kgだったそうです。しかし、今年はそのうちの25%が減りそうだと言っていました。

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曲がってしまったコーヒーの木

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倒れこんでいるコーヒー

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手前の赤いTシャツの方がこの畑の主のジュリー・タカップさん。

ジャネット・リガオさん(黄色のTシャツ)が持っているのは完全に折れてしまったコーヒーの木


ニーズを聞いてみたところ、自分たちの食べるものと、とにかく早く育つ作物の種が必要だと言っていました。組合に貯金がないので、種を買うのも難しい状況です。また、ここの集落には田んぼがなくコメの自給ができません。そのため、現在食べているお米はバギオの学校に借金をして借りている状況だそうです。米は一袋50Kgで2700ペソだそうです。こんな状況でもお米を支給されていないことには驚きです。支援物資が集まる地域とそうでない地域の格差を感じる瞬間でもありました。
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正直、そのお金を返せる見通しは立てられそうにありませんでした。というのも、これまた衝撃でしたが組合メンバーの借金リストというのがマニラペーパーに大胆に書かれて壁に張り出されているのです。全然笑い事ではないのですが、あまりのフィリピンのおおっぴらぶりに正直笑ってしまいました。ジャネットさんと笑いながらジャネットさんの名前を探すと、1900ペソとありました。二人で目を合わせて笑ってしまいましたが、私の心の中は結構な焦りが...金額はそれぞれでしたが、いちばん高い人で2700ペソ、日本円にして5000円ほどです。村の人にとってこの金額はかなり大きい額です。しかも、それは台風前の借金リストであり、サヨテがひとつ残らずなくなったいま、この村の収入はほぼゼロに等しい状況です。しかし、村の人々はそんな状況に絶望するのではなく、今日という日も笑って私たちに優しく話したり、おいしい料理をつくってくれます。こんなにも心に余裕のあるフィリピン人が羨ましくもあり、見習いたいくもあります。

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みんなでフィリピンペースでがんばりましょう!

私たちにダユコン集落でつくっているジンジャーティーを持たせてくれました。どこまでも本当にサラマッポ。
今回の私たちのもうひとつの目的は、古着プロジェクトの相談でした。CGNは古着の寄付を受け取り、村に届けるプロジェクトを定期的に行なっています。このダユコン集落で古着を必要としているかを確認したく村にやってきました。今回の台風被害でおそらく当分の現金収入を見込めない、また近くに古着屋もないので大変ありがたいということでした。早急に古着を届けるプロジェクトの案を練って伺いたいと思います。

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ダユコン集落に連れてきてくれてありがとう!ヴァージニア!

実は同い年のヴァージニア今回でうんと仲良くなったね!


CGNでは台風被災地の農業復興支援の寄付金募集をしています。詳細はこちらから。



(インターンひなこ)



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by cordillera-green | 2018-10-01 14:12 | 緊急支援