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カテゴリ:コーヒー( 14 )


2020年 03月 30日

世界の人びとのためのJICA基金のサポートで、サグボ村に小さなコーヒー精製所ができました!

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2019年度、コーディリエラ・グリーン・ネットワーク(CGN)は、京都のNGO「マナラボ 環境と平和の学びデザイン」の現地パートナー団体として、「世界の人びとのためのJICA基金」のサポートを受け、「小規模農家によるコーヒー生産のための加工・運営指導プロジェクト」を実施しました。

 「世界の人びとのためのJICA基金」は、JICAホームページによると、「国際協力にご関心のある市民の皆様、法人・団体の皆様から寄附金による基金で、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向け、本基金を活用した開発途上国・地域の人びとを支援する活動に対して事業計画案を募集」するものです。2019年度の申請案件の中から、通常枠ではマナラボを含め7件の活動が採択されました。 

 JICAというとODAなどの海外での大規模なインフラ整備プロジェクトなどを連想すると思いますが、この基金はJICAの「市民との連携」事業のなかでも国際協力の経験のない個人や市民団体でも応募ができるものです。事業期間は1年間で上限100万円までと、JICAのさまざまな枠組みの中では小さいものですが、はじめて国際協力にチャレンジしようという人には、格好のプログラムと言えるかもしれません。

  

 2020年度のJICA基金活用事業募集のチラシの「チャレンジ枠」の解説には、こうあります(すでに、2020年度の募集は締め切られています)。

 ポイント開発途上国・地域における貧困削減や人々の生活改善・向上に直接的に貢献 しうる活動であれば、分野の指定なく提案可能。 特に、社会課題解決のための新たなアイディア・アプローチを歓迎!

 ポイント国際協力活動実績が2年未満の団体・個人が募集対象なので、国際協力活 動の経験がないor浅くても申請OK

 ポイント国際協力活動の経験がないor浅くても、 専門家から事業計画策定・実施・振り返りのタイミングで アドバイスをもらえる機会が必ずある!

 国際協力活動をしたいけど、自前の資金では足りない。でも、助成金申請って難しそう、と尻込みをしている人が挑戦してみるのにはとてもいいと思います。助成金申請で最大の難関と思われる会計処理の仕方や報告書の作り方なども、フォーマットと手引きに従って順番にすすめていけば、経験がなくても自力で作成できる仕組みになっています(面倒ではありますが)。

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 今回のマナラボとのプロジェクトは、CGNがコーヒーのアグロフォレストリー栽培を指導している場所の一つ、カパンガン町サグボ村で実施しました。サグボ村はマナラボ代表の飯塚さんが事務局長を務めていた「NPO法人 環境平和もやいネット」が、2017年度に緑の募金公募事業でアグロフォレストリーによる植樹を行った場所です。CGN2012-2014年度にサグボ村のビレン地区などで、3万本以上のコーヒーの苗木を植えました(イオン間環境基金助成)。 

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 植樹したコーヒーノキがようやく本格的な収穫期を迎えているにもかかわらず、収穫後のコーヒーの実を精製する機器がないという窮状をマナラボに相談したところ、サグボ村をサポートしましょう! と、このプロジェクトを立ち上げてくれました。事業名は「小規模農家によるコーヒー生産のための加工・運営指導プロジェクト」。要は、小さな農家さんたちがグループで使える小さな精製所を提供して、おいしいコーヒーを作り、少しでも多くの収入をコーヒーから得られるようにお手伝いをしましょう!というものです。サポートするコーヒー栽培農家さんは、サグボ村のビレン集落周辺の農家が加盟しているダイヨコン農業組合の人たちとしました。

 

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 プロジェクトでは以下の3つの活動を行いました。


1. 小さな精製所づくりと精製機器の支給

 小さなマニュアルの果肉除去機(パルパー)を3台支給しました。収穫後のコーヒーのチェリーをウオッシュド(水洗式)という方法で精製するために必要な機器です。これがないと、皮むきの作業を杵と臼でやらねばならなく、大変な重労働です。水を使う作業ですので、同時に水のタンクも支給しました。

 コーヒーチェリーを水につけて浮いてくるものをのぞいたり、皮をむいたパーチメントを洗ったりするための容器(タライですね)、そのパーチメントに付着しているミューシレージとよばれるネタネタの粘質を取り除くために発酵させる蓋つきの容器(大きめの蓋つきポリバケツみたいなもの)も支給しました。

 さらに、発酵したミューシレージを洗い流した後のパーチメントを乾燥させる乾燥箱(トレイ)と、乾燥台に使うプラスチック製のシートなどの資材も支給しました。

 最後に、それぞれの農家さんたちが収穫したチェリーや精製したコーヒー豆を正確に測り記録をつけるための、計りとノートも寄付しました。計りとノートは、ダイヨコン農業組合のコーヒー豆を毎年継続して輸入してくれている京都のフェアトレード会社「シサム工房」さんからのフェアトレード・プレミアム(奨励金)で購入したものです。

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2.精製技術トレーニング

 機器支給と同時に、支給した機器を使って品質のよいコーヒーを作るためのトレーニングを開催しました。技術指導には、アジア各国のコーヒー新興国で農家目線できめ細かい栽培指導を行っている山本博文さんが、忙しい合間を縫って2度も足を運んでくれました。

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3.組合の組織強化セミナー

 支給された機器は、組合が共同で使用する必要があります。ダイヨコン農業組合は、コープストア(組合のショップ。日用品や食料品を販売しています)の経営が主な活動です。今回新たに加わるコーヒーの精製を組合として行うための組織強化プログラムを行いました。組織をどのように潤滑に運営していけばいいか、いま現在の組織のあり方には何が欠けているか、どうすれば組織がさらにサステナブルなものになるか、マーケットを広げるための国際フェアトレード認証申請のためには何が必要かなどについて講習会を開催しました。

 講師には、フィリピンの政府機関である組合開発機構(CDA)の百戦錬磨の専門家さん、そして・フェアトレード・ネットワーク・アジア太平洋地区Network of Asia & Pacific Producers (NAPP)の東南アジアの生産者認証担当で各国を飛び回っているエリカ・シアソン女史が来てくれました。

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 2019年度事業というものの、JICAとマナラボの間で契約書を交わすまでに思った以上に時間がかかり、実質的には事業は収穫期直前の10月下旬にスタートとなりました。そして20202月末にはできるだけすべてのプログラムを終了してほしいとのことで、正味3カ月という短期決戦事業。事業調整を行うコーディネイターとしてCGN新人スタッフのバージニアを配置しましたが、ほんとうに期間中に終了できるかひやひやの3カ月でした。

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 以下は、プロジェクト後半戦の内容の一部(前半のプログラム詳細についてはこちら)を紹介します。

 201911月の収穫開始時の山本さんによる精製技術トレーニングで、ダイヨコン農業組合のコーヒー農家さんたちは栽培地の分布の仕方によって4つのグループに分かれることが決まりました。

1.組合のコープストアがある地区(農家11人)

2.ロウワー・ビレン地区(農家10名)

3.アッパー・ビレン地区(農家8名)

4.ランディン地区(農家13名)

 それぞれのグループ別にリーダーを決め、毎日のように農家のメインの生産物であるサヨテ(はやとうり)収穫に忙しい中、グループごとに週に1回のコーヒー収穫日を決め、その日に精製作業を共同ですることを話し合いました。

 やはり4グループともサヨテの集荷がない週末から月曜にコーヒーを収穫して作業をする曜日と決めていました。プロジェクトの調整スタッフは毎週末のように事業地に赴き、トレーニングで教わった手順に従って精製がされているかをモニタリングしました。

 でも、結果から言うと、栽培農家それぞれが収穫したものをチェリーの状態でほかの農家の豆を混ぜて一緒に精製するのには抵抗があったようです。やはり自分の豆は自分の豆として最後まで別にしておきたいという気持ちが強かったよう。まだ生産量が少ない農家も多く、共同作業の必要性を一部の生産量の多い農家さん以外は実感していないのかもしれません。また、チェリーの状態で集めたときに計った記録が、最後に精製・乾燥させたあとまで、そのままのパーセンテージになるのだよ、という算数がピンとこなかったかな。生産量が多い人と少ない人がいるのに同じように作業をするのが、割が合わないと感じた人もいたかもしれません。あるいは、自分の農園のコーヒーを味わいたい!という気持ちが強かったということも考えられます。今後の事業計画の立て方の参考となりました。

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*

 20202月に再び山本博文さんに来比をお願いし、農家さんたちが精製と乾燥を終えた17種類のコーヒーを、カッピングというちょっと本格的な世界共通の評価方法で、農家さんたちと一緒にチェックしました。

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 いつもいつも、とても褒め上手の山本氏ですが、心から「おいしい!」を連発。

 農家のおばちゃんたちの中には、「砂糖を入れないコーヒーなんて苦くって飲めたもんじゃないわ」と、テイスティングに挑戦するものの、「苦い!」と顔を思いっきりしかめて笑いを誘っている人も多くいました。しかし、コーヒーの輸出先の国々では、こんな風にコーヒーの香味の評価がされるのだということを、栽培農家さんに知っていてもらうのはいいことだと思います。

 普段、農家さんたちがおいしく飲んでいるコーヒーは、焦げているんじゃない?というくらい深く鍋で焙煎し、たっぷりと砂糖を入れてヤカンで煮だしたもの。それがこの地域でのコーヒーの飲み方です。農作業で疲れたときには甘いコーヒーがいちばんなのです。

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 「先進国と呼ばれる国々の大都会のおしゃれなカフェで、ちょっともったいぶって、目の飛び出すような値段をつけられ、ありがたがって飲まれているコーヒーは、お砂糖入れずに浅めに焼いて煮だしていないコーヒーなんですよ~~」「そういう飲み方に適したコーヒーのほうが、高く売れるものなんですよ」と伝えることが、この農家さんたちへのカッピング・ワークショップの目的のひとつです。農家の皆さんに「浅い焙煎のお砂糖抜きのコーヒーをおいしいでしょう!」と押し付けるつもりはカケラもありません。

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 山本さんは、17種類を1杯ずつテイストし、一つずつについて栽培農家さんに、

「このコーヒーは柑橘系のきれいな酸味がありますねえ」

「こちらはナッツみたいですねエ」

「あれ、これはなんか草っぽいかな?」

と感想を伝え、もっとおいしい(買ってくれる国の人たちがね)コーヒーにするには、精製過程でどんなことに気をつけたらいいかをアドバイスしてくれました。

 

 別の日には、ベンゲット州のそのほかの生産地の栽培農家の人も招待し、その農家さんたちのコーヒー豆も交えてのカッピングをしました。ダイヨコン農業組合の代表の人たちは、ほかの生産者のコーヒー豆との香味の違い、精製方法の違いなどを、農家さん同士の交流を通して学びました。

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 こうして丁寧に作られた今年コーヒー豆ですが、事業のプログラムがなんとか滑り込みセーフで終わったのち、3月に入ってからCOVID-19(新型コロナウィルス)の感染拡大で、CGNの拠点のあるバギオ市もサグボ村もすべての動きが止まっており(町も村もほぼ封鎖状態です)、ダイヨコン農業組合の倉庫で出荷を待っている状態です。

 一刻も早く感染拡大が止まり、皆さんのお手もとにコーヒーが届きますように。

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Thank you for the photos ©SDS Multimedia


by cordillera-green | 2020-03-30 17:52 | コーヒー
2019年 12月 20日

マナラボとの世界の人びとのためのJICA基金事業「小規模農家によるコーヒー生産のための加工・運営指導プロジェクト」

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コーディリエラ・グリーン・ネットワーク(CGN)は、2019年度,「世界の人々のためのJICA基金」事業を受託した京都のNGO「マナラボ 環境と平和の学びデザイン」の現地パートナー団体として、「小規模農家によるコーヒー生産のための加工・運営指導プロジェクト」のお手伝いをしています。

事業地はベンゲット州カパンガン町サグボ村。

CGNは、20122013年度にこの村のビレン地域で水源保全と再生事業を実施し、1年目30,320本、2年目42,940本の植樹を行いました。住民たちの生計向上に貢献することで緑化事業を促進しようと、植樹樹種に1年目には12,500本、2年目には18,720本、計31,220本のアラビカ・コーヒーの苗木を植樹しました(イオン環境基金助成事業)。


20152017年度に日本のNPO法人「平和環境もやいネット」のパートナーとして実施した「フィリピン北部山岳地方におけるアラビカ・コーヒー品質向上のための基準作りと普及事業」(日本国際協力財団助成)では、2016年にサグボ村のコーヒー栽培農家の一人、ダニーロ・リガオさんが東ティモールへのコーヒー研修に参加しました。

さらに、2017年度には「マナラボ」と協力し、サグボ村のティモック=プスプソック地域で「森林農法の普及と森林再生事業」(緑の募金公募事業)を実施し、アラビカ・コーヒー7,200本を含む13,200本の苗木を植樹しました。また、同じ年に京都のNPO法人「フェアプラス」とフェアトレードショップ「シサム工房」の協力を得、「フィリピン・ルソン島北部における環境に配慮した持続可能なコーヒー生産とフェアトレードによるマーケティング能力向上事業」(地球環境基金助成)を行い、将来のフェアトレード認証取得に向けての具体的な準備として組織強化のためのセミナーを年間を通して実施しました。この事業でビレン集落を拠点とするダイヨコン農業者組織は、組合として国の組合開発機構(CDA)に登録ができました。

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 最初の植樹事業から6年がたった昨収穫期(2018年11月-20191月)、サグボ村ではコーヒーの収穫がようやく本格的になりました。何ごとも目の前に起こってからでないとなかなか重い腰を上げない慎重派の山岳民族の人たち。ようやく、「収穫したコーヒーの加工はなかなか大変だぞ」と本気で困った気配です。そこで「マナラボ」と協力し、コーヒーチェリーの加工をグループで協力して行うことで、生産の効率を高め、品質を上げ、確実に生産者の収入向上につなげるための事業を開始することにしたわけです。


2019年10月に開始された「小規模農家によるコーヒー生産のための加工・運営指導プロジェクト」では以下の内容で事業を進行中です。

1.品質を上げるのに最低限必要な資材の支給

2.それらの機材を使った品質のいい豆を作るための加工技術トレーニング

3.生産者のグループが共同して支給された機器を使用し管理することができるように、組織強化のためのトレーニング

 

収穫期が始まった2019年11月、収穫に間に合わせるために加工機器を支給すると同時に、日本からコーヒー栽培専門家の山本博文氏をお招きし、ベンゲット州トリニダード町在住のコーヒー専門家のリリー・ハミアス氏とともに、加工技術のトレーニングを行いました。

山本氏はCGNの事務所のあるバギオ市に到着後、事業地・サグボ村の事前視察、購入予定の資材のチェックを行い、講習会1日目にのぞみました。

以下、山本氏の講習会についてのレポートです。

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山本氏は収穫後のコーヒーチェリーの加工方法について、参加した農家さんにわかりやすくていねいに説明します。山本氏がコーヒー栽培の指導に訪れた経験のあるミャンマー、東ティモール、インドネシア、ラオスなど、そのほかのアジアの国々の例を引いて、大きな加工機械を使用せずにコミュニティ単位で品質の良いコーヒー豆を生産する方法について解説しました。

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加工の方法の概略は以下です。

収穫したコーヒーのチェリーは、まず1か所にまとめて、緑の未熟のもの、熟しすぎて発酵が進んでいるものを除きます。赤くきれいに熟したものだけを選んで、重さを計ります。もちろん、チェリーを持ってきてくれた農家ごとに、ちゃんと何キロ持ってきたかを記録します。そして、その豆を大きなタライのような容器に入れ水を加えます。浮いたチェリーは取り除きます。浮いたチェリーは、虫が入っていたり、中がスカスカだったりで、生豆にまで加工したあとに、結局選別で取り除くことになる欠点豆となります。この段階で取り除くことで、のちの作業が軽減されることになるのです。

赤い果皮を取り除いたのちコーヒー豆には、まだパーチメントという殻がついています。そしてその殻にはミューシレージ呼ばれるヌメヌメの粘液質のものがついています。「ウオッシュド」と呼ばれる加工手法では、このミューシレージを発酵させて取り除きます。

まず、果皮を取ったパーチメントをもう一度水につけて浮いてくる豆を取り除きます。そして水を捨て、そのまま蓋のある容器に入れて一晩(12-24時間)おきます。ミューシレージには糖分が多く、自然発酵して、ヌメヌメの部分が固まり始めます。発酵状態が適切かどうかは、何かの棒をつきさして抜いてみて、その棒の穴が崩れずそのまま穴の形が残ることで判断してほしいと、山本氏は農家には指導しました。

この発酵度合いがコーヒーの味に影響を及ぼすので、小規模な農家さんたちがそれぞれ作業する時に、同じような発酵度合いに揃えることが必要です。発酵時間を時間で指定すると、発酵槽が置かれている場所の温度、湿度などによって発酵度合いにばらつきが出てしまいます。そのため、身近な道具を使ってそれぞれが発酵度合いを判断できる方法を教えているのです。

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日本の人は時間にとても正確で、時計なしでは生きていけそうもありませんが、山の人たちは、あまり時計をあてにしません(どこもかしこも止まっている壁掛け時計だらけです)。明るくなったら起きて畑仕事に行く。日が暮れかかったから作業を切り上げる。いつもお日様と一緒に暮らしています。時計や温度計に頼らず、「加減」を見るのがとても上手だなあと思います(文字通りいい「加減」なときもありますが)。「○○時間!きちんと発酵!」なんて指定をすると、負担に感じてしまう人もいそうです。山本氏が村の人の暮らしにあった指導者方法ができるのは、2年余フィリピンに暮らし、コーヒー農家とともに栽培に携わってきからこそなのです。 

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  午後には、実際の加工方法について、実習が行われました。講習内容がちゃんと頭に入っているか、参加者の人たちに自主的にやってもらい、加工のステップごとに、その作業の意味について山本氏は参加者の説明に答えながら教えていきます。


「なぜ、熟したものだけを分離する必要があるのか?」

山本氏は「未熟な実と熟しすぎた実はコーヒーの味に影響する」と説明。


次に「なぜ日陰で発酵させなければならないか」

山本氏は、「微生物が適切に働くために、日陰で発酵させる必要がある」と説明します。さらに「空気が入り、24時間以上たったあとに発生する微生物が引き起こす悪い発酵を防ぐために、ふたをする必要がある」と説明しました。


発酵がいい具合に終了したことを確認する手段についても、実際にやってみて参加者の人たちはみな納得した表情です。棒をさして確認する以外の方法も教えてくれました。容器の中で発酵させているパーチメントの上に手を置く。もし多くの豆が手にくっついてきた場合は、発酵が終了しているのだそうです。

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 参加者はみなでわいわい、「あら、こうだったかしら?」「間違ってるよ。順番」と、午前中の講習内容を思い出しながら自分たちの手で作業をしてみます。山本氏は、間違いは正すものの、楽しそうにその過程を眺めています。自分たちの力でやってみることで、ちょっと複雑な加工作業の工程を体で覚えてほしいということですね。


発酵が終わった後の工程についても、山本氏からわかりやすい説明がなされました。ヌメヌメが固まった状態のパーチメントを洗い流し、その後、乾燥作業に入ります。プロジェクトで支給された乾燥箱に乾燥を開始した日付のタグをつけて管理します。アフリカン・ドライベッドといわれる乾燥棚を作り、風通しのいい場所で乾燥します。にわか雨に備えて、乾燥棚にはビニールシートを備え、いつでもカバーできるようにします。

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コーヒー豆の理想とされる水分率は10~12%です。山本氏は豆を均一に乾燥させるためには、1時間に1回程度かき混ぜてほしいと説明しました。乾燥の度合いを確かめるには、水分計がない場合は「歯で噛んでみて確かめてみましょう」。これも加減を図るのが上手な山岳民族の人々。噛んでみた感触で、今やだいたいの水分率がわかるようになっています。

乾燥がすんだら、重さを計ってから保管します。コーヒーパーチメントを保管する際は、空気を循環させないように、サグボの人々がサヨテ(はやとうり)の出荷に使っているビニール製の丈夫な透明袋に入れ密閉します。そして冷暗所に1か月程度寝かせてから出荷するのが理想だといいます(実際にはその間にバイヤーが現れたら売ってしまうことがほとんどです)。


山本氏は参加者からの質問に答え、加工方法のみならず苗床からコーヒーの木の成長まで、そしてコーヒーの木の手入れとメンテナンスまで、栽培方法について幅広く説明してくれました。とくに、ダイヨコン農業組合は組合としてコーヒーの苗木生産を始めたばかりで、丈夫で収穫量の多い品質の高いコーヒーの苗を生産する方法についての質問が飛び交いました。

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コーヒー栽培は種まきに始まります。種子は、日陰のある上げ床に植え、細かい土で覆う。そしてシダのような葉やサトウキビの葉、農場の近くにある他の利用可能なもので覆うことが必要だそうです。種から芽が出て、種が持ち上げられ「ホーステイル」(馬のしっぽのようなので)と呼ばれるステージに成長した時、ビニールポットへ移植します。種まきから移植までには12ヶ月かかります。

ポットに苗木を植えて68か月経過して成長した苗木は、いよいよ栽培予定地の山の斜面に移植できます。コーヒーの苗木の生育にはシェイドツリー(日陰樹)と呼ばれる日陰を作る木が必要になるので、それを確認することが必要です。シェイドツリー(日陰樹)がなく、1日中直射日光にさらされた苗木は枯れてしまいます。コーヒーに適したシェイドツリーは、アルヌス、カリエンドラの木など。この地域に多いベンゲット松の木は適していないそうです。松の木は、非常に高い酸性を持つため、コーヒーの木のシェイドツリーには適していません。植え替えの際にはコーヒーの苗の根をまっすぐに植えることも、コーヒーノキが健康に育つには欠かせない要素だそうです。植え替え時に掘る穴の直径と深さは最低60cmは必要だということです。

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講習会2日目はサグボ村のティモック&プスプソック地域に赴き、収穫後のチェリーの加工技術の講習とトレーニングを行いました。この地域は、2017年にマナラボが「森林農法の普及と森林再生事業」を行った場所です。その事業で植えたコーヒーの苗木はまだ収穫期を迎えていませんが、来たるべき収穫に備え、加工技術についての講習を行いました。

この地域には、今年6月に新しくプスプソック消費者組合(Puspusok Consumers Cooperative)が、国の組合開発機構(CDA)に登録しました。組合として小さな店舗を共同で経営するための組合設立だそうですが、来たる収穫の本格化に備えて、加工についての知識を得たいという熱意がメンバーにはあります。山本氏による講習内容は、前日のダイヨコン組合と同様でしたが、積極的な質疑応答が行われました。

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講習会3日目は再びビレン集落のダイヨコン農業組合に会場を移します。

まずは、コーヒー加工資材の支給を行いました。

この事業で支給した資材は以下です。

―コーヒーチェリー皮むき器

―スチール製の水タンクとさび止めの塗料

―発酵などの加工に使う容器

―乾燥箱

―乾燥台のためのスクリーン、ネット、プレスチック・シート

―はかり(フェアトレードショップ、シサム工房から支払われた奨励金(プレミアム)で購入)

―タグをするためのマスキングテープ、データをそこに書き込むためのマジックペン

ー各加工所のリーダーが持ち込まれたチェリーなどの記録を取るためのノート

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サグボ村ベレン地域ではコーヒー栽培地が広い地域に分散しており、また、コーヒー栽培農家が運搬のための車両を持っていないということで、資材を設置する加工センターを集落内の4か所とすることが提案されていました。事前の事業地訪問で講師の山本氏、ハミアス氏とCGNスタッフはその4か所を訪問し、加工に必要な水、乾燥に必要な土地、そして施設や機器を管理することができる組合メンバーがいることを確認しました。


4つの地域は以下です。

1.ダイヨコン農業組合ホール:周辺の11人のコーヒー栽培農家

2.ビレン集落 ボビーさん:8人の栽培農家

3.ロウワービレン集落 アナさん:10人の栽培農家

4.ビレン集落ランディンlanding メイラさん:13人の栽培農家


加工技術のトレーニングもばっちり(たぶん)。加工に必要な資材も届き、その設置場所も決まり、それぞれのミニ加工センターを使うグループ分けもできました。

さて、いよいよここからが難関です。どのようにしてその施設を管理運営していくかです。グループのメンバーたちが協力し合い、公平に、品質のいい豆を作るための組織づくりになるわけです。山本氏はミャンマーで何もないところから3年をかけて小さなコミュニティでコーヒー生産者の組織を立ち上げた経験があり、そこでの経験を引用しながら指導をしてくれました。


加工作業は各グループ週1回集まって行うことになりました。グループに分かれて、リーダーを決めます。そして、それぞれのグループごとにメンバーたちがコーヒー収穫に時間をさける曜日を決めました。その日に集中してみなで集まって作業をするということです。収穫と加工の曜日は以下に決定。

1ダイヨコン:収穫は毎週金曜日の午後であり、翌日土曜日の朝に加工

2ビレン :収穫は土曜日で、プロセスも同日

3ロウワー・ビレン :収穫は、毎週土曜日で加工も同日

4ランディン:収穫と加工は、毎週月曜日


それぞれの地区のリーダーは品質管理責任者でもあり、各農家から持ち込まれたコーヒーチェリーの記録(日付、名前、重さ)を取ります。そして、コーヒーチェリーの加工のプロセスが、指導されたように適切に行われているかをモニタリングすることになりました。

各加工所で加工されたコーヒー豆は乾燥されたパーチメントの状態で、組合の拠点であるダイヨコン農業組合のホールに持ち込まれます。組合の現在の事業のメインは組合ストアの運営ですが、その運営とコーヒー豆のトレーディングは別会計にしたいとのこと。全体の品質管理責任者は、CGNの事業で東ティモールにコーヒー生産の研修にいったことのあるダニーロ・リガオさんに決定しました。

さっそく翌週から、決められたスケジュール通りに加工所を使ってみようということになりました。

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さて、収穫は最盛期を迎えています。コーヒー加工所はうまく機能しているでしょうか。事業担当のバージニアとリリー・ハミアス氏は毎週サグボ村に足を運んで、収穫と加工の現場でモニタリングと指導を継続しています。どんなおいしいコーヒーが生まれるか楽しみです。


なお、事業では、マーケティングに向けての組織強化の講習会を1月に開催予定です。

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講習会のそのほかの写真は以下のリンクにあります。


 



by cordillera-green | 2019-12-20 15:17 | コーヒー
2018年 04月 01日

東ティモールのNGOとコーヒー交流

 コーディリエラ・グリーン・ネットワーク(CGN)は、NPO法人「平和環境もやいネット」のパートナーとして実施している「フィリピン北部山岳地方におけるアラビカ・コーヒーの品質向上のための基準作りと普及事業」(公益財団法人・日本国際協力財団助成)の活動として、20168月に3人のコーヒー農家さんとともに東ティモールの日系NGOとコーヒー農家への研修ツアーを実施した。

詳細はこちらのブログで。

 コーヒー栽培の実際について先輩格の東ティモールの農家さんやNGOスタッフから学んだことは多く、また、同じ農家としていろいろな面で共感を感じた有意義なツアーであった。とくに、コーヒーチェリー収穫後の皮むきのための手作りのデパルパーの作り方を、村の名人から手取り足取り教わったのは、かけがえのない経験だった。

 ツアーに参加した3人の農家さんたちは、帰比後それぞれ東ティモールで学んだデパルパー(皮むき機)を手作りし、2017年末から2018年あたまの収穫期では実際に使用した。山の村に流れている空気同様ゆっくりではあるが、東ティモールでの研修の成果は徐々に浸透し、広がりを見せている。



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 そして、フィリピンのコーヒー農家の東ティモール研修から1年余。今度は東ティモールのコーヒー生産に関わって草の根でコミュニティで活動している3つのNGOからスタッフが来比し、コーヒー栽培地を訪問してさまざまなアドバイスを与えるとともに、東ティモールのコーヒー栽培について紹介した。


フィリピンを訪問してくれたのは以下の4名。

●ピース・ウィンズ・ジャパンPeace Winds JapanPWJ)

Mr. Domingos Magalhaes

Field Officer/Coffee farmers (14 years)

Mr. Ademar Martins dos Santos

Field Division Manager

●パルシックParcis

Mr. Nelson Jase Fatima Alves

Processing Manager/Coffee farmer

●パーマティルPARMATIL

Ms. Adozinda Coutinho Barreto Soares

Project Coordinator and Trainer


 4人は東ティモールに帰国後、フィリピンでの経験に関する感想や、経験からフィリピンでのコーヒー事業や農家に対するコメントをお願いした。

 印象に残った場所や出来事を3つ挙げて、その理由を教えてください。

フィリピンの人々がよりよく暮らすために、大切だと思ったことがあれば教えてください。

③東ティモールの人々がよりよく暮らすために、大切だと思ったことがあれば教えてください。

④コーヒー育成に関して、講習で話したこと以外で、特に伝えたいことがあれば簡単に教えてください。

⑤ その他、感想があれば何でも教えてください。


以下は4名からの回答である。

Mr. Domingos Magalhaes(ピース・ウインズ・ジャパン(PWJ))

Mr. Ademar Martins dos Santos(ピース・ウインズ・ジャパン(PWJ))


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1.印象に残った場所や出来事を3つ挙げて、その理由を教えてください。

キブガンでのワークショップが印象的でした。標高が1600mあり、とてもコーヒーにあった土地であったからです。将来的に高品質のコーヒーを作り出すことができる地域であると思います。

2.フィリピンの人々がよりよく暮らすために、大切だと思ったことがあれば教えてください。

コーヒー農園の管理をしっかりと始めることが大切です。また農園の拡張そして、化学肥料を使わないことです。

3.東ティモールの人々がよりよく暮らすために、大切だと思ったことがあれば教えてください。

東ティモールの農家はコーヒーがメインの収入源であり、問題なく暮らしています。例えばレテフォホという生産地では100%の農家がコーヒーを育てており、その収入源で暮らしています。

4. コーヒー育成に関して、講習で話したこと以外で、特に伝えたいことがあれば簡単に教えてください。

コーヒー農家とともに働くことが大切だと思います。政府との連携をしっかりと測り、特に農業省との連携が大切であると思います。そうすることによって農家へ情報が流れ、農家は多くの苗木を植える気になり、農場近くで化学肥料を使用することを控えることができると思います。

5.その他、感想があれば何でも教えてください。

CGNに対する提案は下記のものになります。

-農家のためにデモファームの建設

-苗木の移植とカットバックの推奨

-コーヒーを植えて、カットバックを行わない。トリニダッドの大学の近くのコーヒーの木を見た時に、問題なく生育しており、良い結実であった。

ベンゲットのコーヒー農家に対して言えることは、辛抱強く待つということです。農家と話している時によく聞いたことは、生産量が少ないということでしたが、それはまだコーヒーの木が若いからだと思います。


Ms. Adozinda Coutinho Barreto Soares(パーマティル)

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1.印象に残った場所や出来事を3つ挙げて、その理由を教えてください。

CGNとの旅行はとても印象的でした。ベンゲットの村々を周りとてもまとまっており、楽しくプレゼンテーションができました。若者たちも熱心に話を聞いてくれ、熱意を感じました。私が援助している東ティモールの方々にも共有しようと思っています。

2.フィリピンの人々がよりよく暮らすために、大切だと思ったことがあれば教えてください。

農家の結束力が大切です。実際にたくさんの農家さんがいてとても驚かされました。

3東ティモールの人々がよりよく暮らすために、大切だと思ったことがあれば教えてください。

東ティモールのコーヒー農家は独特なキャラクターがあります。お金のことだけを考えている農家もいれば、しっかりと地に足をつけて働いている方々もいます。満足のいく結果を出すためには、今後は品質を向上させていく必要があります。

4. コーヒー育成に関して、講習で話したこと以外で、特に伝えたいことがあれば簡単に教えてください。

私の提案できることは、コーヒー農家は最高品質のコーヒーを目指すべきだと思います。デモファームを作ると良いと思います。有機のコーヒーが良いと理解するために、有機と非有機栽培で行うと良いかもしれません。サヨテ栽培を行っている村で思ったことは、コミュニティの方達は将来の子供達のために考えていかなければならないと思います。コーヒー栽培を継続することがサヨーテ栽培よりも将来環境にも子供達にも良いことだと思います。もっとコーヒー栽培に関する技術を身につける必要があります。

5その他、感想があれば何でも教えてください。

インドネシア語では、しっかりと説明はできるのですが、私の英語力が足りなく、PWJスタッフとCGNに対して申し訳ない気持ちでいっぱいです。



Nelson Jose F. Alves (パルシック)

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フィリピンの農家さんは熱心に東ティモールの話を聞いてくれました。

ー第一日目カパンガン訪問

フィリピンの農家さんは木製のパルパーをしっかりと作成していました。

アフリカンベッドで乾燥させていた。

1212日収穫されたコーヒーはしっかりと熟しており完熟のみを収穫していた

コーヒーの木はまだ小さく生産量は少なかった。

グラニカという品種を知った

食事は、カパンガンの伝統料理、鳥とサヨーテを煮込んだもの、そしてコメ。お米から作ったお酒。

カパンガンのコーヒー農園へ訪問


-キブガンへ訪問

組合のメンバーは72世帯
メンバーの多くは女性で子供を抱えながらの参加

東ティモールのコーヒー産業並びにパルシックのコーヒーの活動について連絡した

気候は寒く、サヨーテの生産がメインの土地

コーヒーはまだ生育途中で、500キロ。ローカルのマーケットで販売する予定

キブガン訪問後トゥブライ所有の水洗工場に訪問

郡長とともに工場を見学した

工場はコーヒー農家が使用できるようになっており、高品質のコーヒーを産出できる。コーヒーを焙煎することができ、マーケットへの販売も可能


ーベンゲット州の農業省でセミナー

セミナーは8時から5時まで行われ、参加者はすべてのセミナーにしっかりと参加していた。

セミナー内ではディスカッション並びにオープンフォーラムも開かれ、英語とタガログ語で行われていた

CGNより感謝状を拝受した

マニラへ販売される野菜を集荷している大きなマーケットを訪問

珈琲屋を訪問し、コーヒー実から作ったお酒を飲んだ

巨大なマーケット施設SMを訪問


ー今回の渡航のまとめ

訪問したバギオでは、野菜の生産が多く、化学肥料をたくさん使っているようだった。人口が多いためそのようにしていると思われる 。車両の交通が多く、排気ガスの量が多い。コーヒー生産者は女性と老人のみであった。コーヒーを植えている人はあまり多くない。それよりも多くの時間をサヨーテに割いているようだ。サヨーテの栽培だけではなく、コーヒーの栽培にも時間を割けるようになると良い。


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by cordillera-green | 2018-04-01 19:27 | コーヒー
2016年 10月 15日

東ティモールでのコーヒー農家さんとの研修

 

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 2016年8月24~29日、コーディリエラ・グリーン・ネットワーク(CGN)がNPO法人「平和環境もやいネット」のパートナーとして実施している「フィリピン北部山岳地方におけるアラビカ・コーヒーの品質向上のための基準作りと普及事業」(公益財団法人・日本国際協力財団助成)の一環として、3人のコーヒー農家とCGNスタッフとともに、東ティモールに研修に行く機会を得た。


 東ティモール研修の目的は以下。

 フィリピンのコーヒー農家とNGOスタッフが、日本のNGO団体などのサポートにより品質の高いコーヒーを生産し、輸出を拡大している東ティモールのコーヒー栽培地、加工、乾燥、集荷の現場を訪問し、品質向上のための適正技術を学び、東ティモールのコーヒー農家との意見交換を行う。フィリピンからの参加者は、その経験を帰比後、それぞれのコミュニティや活動の場で共有し、実践し、生産するコーヒー豆の品質向上に役立てていく。

*


 一般的にフィリピンのようなアジアの新興国の人々が研修に行くときの行き先は、先進国となる。今回は、アジアで最も新しい国であり、最貧国のひとつである東ティモールが訪問先だった。2016年市場でも街中の商店でも、商品の数は少なく、人々の暮らしが北ルソンの農家以上にシンプルで貧しいものであることは参加者みな感じたと思う。 

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 長いインドネシアとの戦火を経て2002年の独立後に経済の復興・再生を目指したときに、唯一の経済再生のホープとみなされたのが、山岳地域を中心とした広大なエリアにポルトガルの植民地時代から植えられていたコーヒーだったそうだ。独立当初は品質も悪く、信じられないような低価格で取引されており、とても輸出産物として扱われる代物でなかったという。それを、今回お世話になったピース・ウィンズ・ジャパン(PWJ)をはじめとする海外のNGOや政府系機関によって、品質向上の指導が行われ、また流通・輸出ルートの確立に資金投入が行われ、わずか15年の間に目覚ましい品質の向上が行われた。そして、今ではPWJだけでも日本にパーチメントで250トンを輸出しているという、東ティモールを代表する輸出産物に成長した。


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 今回、同行したルソン島北部コーディリエラ地方のコーヒーの農家と比較すると、もっとも違うのは、東ティモールの農家がコーヒーの単一栽培であるのに対し、コーディリエラ地方のコーヒー農家は野菜や米の栽培と兼業している点である。参加者はコーヒー農園の広さに驚き、収獲期の重労働を想像したが、コーヒーしか生計手段がないだけに選択伎はない。コーヒーの品質と収穫量が、そのまま農家の年収に響くわけだから、農家のコーヒー栽培にかける意気込みは中途半端なものではない。地域に生えてる木を切った木材とドラム缶の廃材を使った手作りの果肉除去機(パルパー)の処理能力の高さに一同感心したが、外部からの支援がとどかない小さなコミュニティで、なんとかコーヒー加工の労働を効率的にしようと、身近に手に入るもので工夫して長い年月を改良を重ねて作り上げてきたものなのだろう。

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 このパルパーはコーディリエラ地方の貧しい農家でも、多少複雑ではあるが、資本なしでも自ら作ることができるものだった。問題はメンタリティ。野菜や米の栽培で多少の収入が得られ、またそのための農作業でかなりの時間を割かれるコーディリエラの農家には、農閑期はないと言ってよく、時間と手間をかけて副産物であるパルパーを手作りするより、野菜をもっとたくさん栽培してその収益で買ったほうがラクと思う向きもあるだろう。

 台風被害に常に悩まされているコーディリエラ地方の農家にとっては、東ティモールには台風が来ないという話は羨望のまなざしで受け止められていた。また、訪問したコーヒー農園にまったく病害虫の被害が出ていないことも驚きとともに受け止められた。ある意味、気象条件、そして地理的条件も、訪問した東ティモールの山岳地より厳しいコーディリエラの農家は、無意識のうちに自然災害による打撃を避けるために、複合的な農業を選択していると言えるだろう。コーヒー農園のみが果てしなく続くエリアを移動しながら、

「もっと野菜栽培をしたらいいのに」

と参加者同士は会話を重ねていた。

「病害虫でコーヒーが被害を受けたり、今まで来なかった台風が異常気象でやってきたらどうするのだろう?」

「主食の米さえだれも作っていないのだから、飢えるではないか」


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↑小さな野菜農園を始めた人もいる

 海外からの援助によって輸出産物として成長したコーヒー豆の品質は、コーディリエラ地方の豆とは比較にならないくらい均一で素晴らしいものだった。生産量もケタが違う。今回訪れた地域で目にしたコーヒーの生産過程から学ぶことは実に多かった。

 一方で、あまりに大きな海外中心の資本がまとめて集荷し、どこかわからないところで取引されている状況に、農民があまり関心がないことも気にはなった。コーヒーが食卓に上がるまでの「種」から「カップ」までの、ごく一部のみを担っているコーヒー農家。言われた通りの品質の豆を生産するために精魂込めてつらい作業もこなしているのだろうが、その先の販売は、海外NGOだのみだったり、大資本により大量買い付けだったり。山の中のコミュニティからはまったく目が届かない。

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 コーディリエラの農家はある意味、もっとどん欲だ。隣の農園よりいい豆を生産で来たら、隣よりいい値で売りたい。野菜栽培と販売で身につけてきた競争心がある。できるなら販売ルートを自分や自分たちの農民グループで確立して、ほかとは違うコーヒーとして小売りまで手掛けたいという思いがある。ここでも、他人頼みの大規模な集荷・販売システムに「何かあったらどうする?」とコーディリエラの農家は一抹の不安を感じたようだ。

 国としてはまだまだ若い東ティモール。今の時点では海外からの支援なしでのコーヒー産業の確立は難しいかもしれないが、インドネシア占領時代の苦い経験からアレルギーがあるという農民組合の組織運営を自らの力で行い、農家が誇り高く仕事ができ、国の経済が自立する日がそう遠くない未来に実現することを願ってやまない。


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****************



研修概要:

東ティモールの独立(2002年)前から交流し、独立後もコーヒー栽培による経済の再生をサポートしている平和環境もやいネットが、東ティモールでコーヒー栽培・加工指導と販売サポートを展開する日本のNGO「ピース・ウィンズ・ジャパン(PWJ)」の協力を得て、フィリピンからの5人の参加者(コーヒー栽培農家代表とNGOスタッフ)を対象とした6日間の研修を行った。

研修では、PWJの事業地であるエルメラ県レテフォホの4つのコーヒー栽培コミュニティを訪問し、栽培、収獲、加工、加工機器づくり、乾燥、集荷、販売の現場を見学し、フィリピンのコーヒー栽培地で実践できる技術と知識を学んだ。

また、やはりコーヒー事業を行っている日本のNGO「パルシック」のドライミルの見学も行なった。さらに日本のNGOAPLA」などと協力して有機野菜ガーデンの学校への普及や水保全システム事業を行っている東ティモールのNGOPermatil」代表とも意見交換を行った。

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↑パルシックのコーヒー豆選別工場



旅程:

活動

宿泊地

8/22

PM

<フィリピンからの参加者> 

バギオに集合

バギオ~マニラ 夜行バス移動

バス中泊

8/23

フィリピンから参加者 マニラ4am~インドネシア・バリ8:35(Cebu Pacific 5J279 )

もやいネット・阿部健一、フィリピン参加者と合流

バリ島

エアポートホテル

8/24

AM

PM

バリBali9:30am~東ティモール・ディリDili12:20

(Air Timor QG 7300)

もやいネット・山本博文、フィリピン参加者と合流

ピース・ウィンズ・ジャパン(PWJ)ディリ事務所訪問

PWJスタッフと打ち合わせ

・地域住民によるコーヒー生豆選別場の見学

ディリ~エルメラErmera県レテフォホLetefoho

(レンタカー)

PWJレテフォホ事務所のスタッフと顔合わせ

PWJレテフォホ・ゲストハウス

8/25

AM

PM

レテフォホ~レヌマタRenumata(レンタカー)

・果肉除去機の(デパルパー)の作り方の実習

  講師:Pedrp Soares(レヌマタのコーヒー農家)

・コーヒー農園と水源地見学

・有機野菜畑見学

・レヌマタのコーヒー農家との交流

レヌマタ~レテフォホ

PWJ事務所のサンプル焙煎見学

PWJレテフォホ・ゲストハウス

8/26

AM

PM

レテフォホ~ラカウLacau(レンタカー)

PWJのコーヒー買い付けの様子を見学

・ラカウのコーヒー農家と交流

ラカウ~レテフォホ

レテフォホ~レヌマタ

・果肉除去機作りの実習(前日の続き)

レヌマタ~レテフォホ

PWJコーヒー倉庫見学

PWJレテフォホ・ゲストハウス

8/27

AM

PM

・レテフォホの市場見学

レテフォホ~エラトイEratoi(レンタカー)

・エラトイのコーヒー農家とともに収穫作業体験

・コーヒー農家の栽培地メンテナンス方法を見学

・収獲したコーヒーの実の加工・乾燥現場を見学

・エラトイのコーヒー農家と交流

エラトイ~レテフォホ(レンタカー)

レテフォホ~フンダHunda(レンタカー)

・乾燥台の見学

フンダ~レテフォホ

PWJレテフォホ・ゲストハウス

8/28

AM

PM

レテフォホのカトリック教会のミサ参列

参加者の振り返りミーティング

レテフォホ~ディリ(レンタカー)

・環境NGOPermatil」代表エゴ・レモス氏Ego Lemos氏と会合

ディリ・ビーチ・ホテル

8/29

AM

ディリ

・日本NGO「パルシック」のドライミル工場見学

<フィリピン参加者>

ディリ1:20pm~バリ2:10pm (Air Timor QG 7310)

バリ Ayu Lili Garden Cottages

8/30

AM

PM

バリ8:35am~マニラ12:35pm

Cebu Pacific 5J280

マニラ~バギオ


研修内容詳細:

<果肉除去機作り>

レヌマタ・コミュニティにおいて、約2日間コーヒーの果肉除去機 の作成方法の講習をおこなった。講師は同コミュニティのペドロ氏。果肉除去 において、重要なディスク部分の作成を学び、機械の構造を一つ一つ丁寧にレクチャーしてもらった。部品器具等は、すべてフィリピンにおいても手に入る もので、フィリピンでの製造は可能である

<集荷>

コーヒーの買い付け場面での、集荷方法を学びに ラカウ・コミュニティを訪問した。PWJ においては、パーチメントの段階で買い付けが行われる。収穫から精 選を経て、パーチメントまで仕上げる方法をあらかじめ農家に講習会を行い、品質の均一化を図っている。フィリピンにおいては、生豆の状態まで仕上げる。 集荷は各コミュニティをトラックで訪問し、その場で計量を行う。計量した数 値を記した紙を農家に手渡し、後日事務所にて支払う方法をとっている。フィリピン農家も集荷方法を考え出すとのこと。

<収穫>

エラトイ・コミュニティにて収穫を体験した。一面のコーヒーの木に一同目を奪われて、コーヒー栽培が主に行われている地域の環境を肌で感じることができた。 同地域では、コミュニティ一丸となって、協力し合いながら収穫と精選を行う。

<乾燥>

レテフォホ地域においては、コーヒーの乾燥は、ブルーシートもしくは、アフリカンベットと呼ばれる高床式の乾燥台を使用する。フィリピンにおける乾燥 問題に、直接的に解決できる方法であるとみな感じた。

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<ドライミル工場見学 >

パーチメントを脱觳し、生豆の状態にまで仕上げる工場(ドライミル)を見学した。1 日に約5トンのパーチメントを加工できる施設で、すべて全自動でおこ なえるもの。フィリピン農家が暮らす地域にはまだ存在せず、今後生産量が拡 大してきたときに重要となる施設である。


<まとめ>

それぞれのコミュニティにおいて、各農家と交流した中で、共通していたことは、高く販売するには品質の高いコーヒーを産出しなければならないというこ と。そして、その品質を作り出すための方法を農家は知っているということで ある。このマーケットの求める品質に、農家たちが正確に理解し、生産していくという考えかたにフィリピン農家一同が感心していた。また、果肉除去機等の技術の高さを目の当たりにしたことは、良い経験になったと思われる。

上記とともに、この地域のコーヒーの単一栽培における欠点・問題点がフィリピン農家の間で議論された。もっと土地を有効に使う方法がある。野菜をも っと植えた方が良い。堆肥をもっと使用した方が良い等々。フィリピン農家の 過去の経験から、アグロフォレストリーによる、主作物・副作物の栽培に行い、環境と農業ビジネスのバランスをとっていく必要があるだろうとの指摘があっ た。

東ティモール側においては、今まで供給される側だった農家たちが、フィリピンから自分たちのコーヒーを学びに来ているという事実を知り、彼ら自ら率 先して、フィリピン農家に対して、快活に指導していること自体が成果であっ たと感じる。 今後もこのような活動は続けていくと良い

(平和環境もやいネット 山本博文)

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by cordillera-green | 2016-10-15 13:23 | コーヒー
2015年 10月 07日

鉱山開発からの脱却・コーヒー栽培にかける人々~トゥブライのコーヒー栽培地レポート 


 コーディリエラ・グリーン・ネットワーク(CGN)では、2010年からトゥブライ町アンバサダー村のコロス集落で神奈川県のNPOWE21ジャパン」とともに「コーヒーの森づくり」事業を行ってきました。2014年度にはキープ協会の協力を得てお隣のマムヨッド集落にもコーヒーの苗木9500本を植樹しました。アンバサダー村ではその他の集落でもコーヒー栽培が盛んと聞いて、マムヨッド集落から周辺集落に足を延ばしてみました。

 

 アンバサダー村は大変貧しく、人々は現金収入につながる手段を探しています。標高や気候はコーヒー栽培に適した地域なのですが、栽培技術の指導もいきわたっておらず、また、苗木も足りません。古いコーヒーの木もありまずがほとんどが伸び放題。きちんと手入れをし、収穫量を上げられれば現金収入にもつながります。また、収穫したコーヒーチェリーを生豆にするまでの適切な加工方法の指導がされ、加工に必要な機材の支給がされたら、かなりおいしいコーヒーができると思います。


 住民の方々の中には、「コーヒー栽培がお金儲けにいいらしい」とうわさで聞き、少しずつでも自力で苗木をつくり新たに植え始めている人も見られます。「栽培技術指導」「苗木支給」「加工技術指導」「加工資材支給」そして「マーケットにつながる組合などの設立と運営」など、せっかく自力で植え始めたコーヒーが暮らしの向上に役立たせるためにサポートできることは数限りなくあると感じました。

 

 今回の視察を通してわかったのは、この地域全体が抱えている問題が「水」であるということです。とくにアンバサダー村の中でも標高の高い地域の乾季における水不足は深刻です。料理や水浴び、洗濯にも水が足りないのに、とても苗木にあげる水がないというのが現状です。

 水源枯渇の原因は1970年代に稼働していたアンバサダー村のサント・ニーニョ鉱山にあるといわれています。露天掘りで掘り出した金の精錬のために大量の水がいるため、鉱山会社が2キロに及ぶ大きなトンネルを掘ったのです。それ以降、今までの水源が枯れ、水はすべて下方にあったサント・ニーニョに流れ出ることになったそうです。

 鉱山は1980年代前半に廃坑となりましたが、変わってしまった地下水脈は元には戻りません。今でも精錬所のあとには水があふれ、「もったいないから、スイミングプールにしよう」という話も持ち上がっています。以前は劇薬を使って精錬に使っていた貯水施設に水を貯めようというのです。世界一大きいスイミング―ルになること間違いなしです。なんという皮肉。


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 トゥブライ町役場の環境資源省事務所のアブナーさんははっきり言います。

「この町のもっとも深刻な環境問題は、標高の高い地域の深刻な水不足。そして標高の低い地域の水の薬品汚染」

 廃坑になって30年以上がたち、精錬に使われていた薬品の恐ろしさを忘れたのか、また、お金の必要な暮らしが蔓延してきたせいか、再び、小規模の個人採掘があちこちで見られます。中国系といわれる中規模の鉱山開発も始まり、今も集落内の土砂崩れ・地盤沈下に苦しむマムヨッド集落の人は村人全員の署名を集め「いかなる鉱山開発も認めない」という嘆願書を提出しました。


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 この地域でコーヒー事業を行うことには、「鉱山開発に代わる生計手段を提案する」という意義が大きいのです。近年、先住民の人々の暮らしは変わり、現金なしには生活できなくなっています。鉱山開発によって先祖代々の大地を傷つけ水を汚すという、苦渋の決断を先住民族自身がすることなく、生計を成り立たせていくための「最後の望みがコーヒー栽培なのです」(アブナーさん)。


~~~~~~~~~~~~~


以下、今回訪問した集落のコーヒー栽培に関するレポートです。



マムヨッド集落Mamuyodとアンカワイ集落Ancaway

 マムヨッド集落はハルセマ・ハイウエイからコロスに入る道の1本先を右手に入って約30分の集落。78家屋98家族が暮らしています。200910月の台風ぺペンでコロス集落と同じく集落内に大きな土砂崩れが起き、環境資源省(DENR)のMGB事務所により、集落全体が居住には危険との調査結果が出て、コロス集落地近くのタバオ集落に移住を勧められました。政府(DSWD=社会福祉省)のサポートで資材代が各家屋に7万ペソ支給され、全住民が再定住地に家を建設中。しかし、畑がマムヨッド集落にあるため、だれ一人完全に移住はしていま

せん。集落内では地盤沈下があちこちで起きているほか、台風や大雨、長雨の旅に土砂崩れは拡大しているそうです。


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 トリニダードからのジプニーは11便。集落内にカソリックの一団体が14haを所有し、8年くらい前から有機野菜とコーヒー栽培のモデル農場を始めましたが、土壌浸食、土砂崩れが激しく、プロジェクトを中止し今は土地は売りに出ています。カソリックのシスターたちの協力を得て、コーヒーと有機農業で村おこしを!と張り切っていたマムヨッド集落の人にとって、2009年の台風による土砂崩れと土壌浸食・地盤沈下の進行は大きな痛手でした。

 キープ協会とCGNが行った植樹事業の現地パートナーである住民組織のCitio Mamuyod CommunityAssociation(CMCA)のプレジデントのジミーさん

「先祖代々の土地を守るため、できることはなんでもしたい」

「事業で配布された数の苗木では不十分。もっと苗木をサポートしてほしい」

 マムヨッド集落ではこの事業の前から多くの家で家庭用で飲むためのコーヒーの木を家の近くで栽培していました。また、数軒が販売にも回せる本数のコーヒー栽培をしています。もっとも多くのコーヒーの木を育てているのはダンシオさん(97歳)。高齢であるため、精神障害のある二人の息子が収穫や加工を行っているそうです。1962年に植え始めたそうで1000本近いコーヒーの木を育てていると思われますが、手入れはされておらず伸び放題。古い木は若返りなどの手入れが必要と見受けられました。木製の自家製の手動皮むき器(デパルパー)を使って収穫後の加工はしているそうです。


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 集落の問題は乾季の水不足。隣のアンカワイ集落にある水源林24ヘクタールをマニラの実業家が購入し、近年ほか地域からの移住者に貸しはじめ、森を切り開き野菜畑に転換し始めたそう。

CGNで水源の森を買い取って、コーヒーを植えてくれないか? 24ヘクタールが無理なら1ヘクタールでもいい。あの森が野菜畑になってしまったら、マムヨッドの水は完全に枯渇するだろう」

とジミーさん。

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 マムヨッドのお隣りはたった6家屋(11家族)だけの小さなアンカワイ集落。住民たちはサン・ラモン種のコーヒーを栽培しています。フィリピンのコーヒー会社「Figaro」が仲買人を通じて生豆を買付けに来ていたそうですが、最近は来たり来なかったりでマーケットが安定していないとのこと。


●ロソック集落Los-oc

 アンカワイ集落とナルセブ集落をつなぐ未舗装の道路沿いにある7家屋の小さな集落がロソック。集落の多くを松林に覆われていますが、近年、所有者が切り売りをはじめ、移住者(キブンガンやブギアスの野菜農家)によって野菜畑に転換されつつあります。ロソックの森はトゥブライの貴重な水源であるため、トゥブライ町の環境資源省も阻止に必死ですが、もともと先祖代々の土地を所有していた有力者が個人に販売して私有地となっているため、コントロールが難しいそうです。

 集落内の一等地はバギオの実業家が購入し 以前はバギオの財団「Shongtog Foundation」が有機モデル農場がとして使用していたそうです。しかし、今は稼働しておらず広大なサヨテ畑となっています。手入れがされてないせいか、サヨテにも病気が見られて、もったいないばかり。

 集落の住民は以前から家庭用にコーヒーを裏庭栽培していますが、多くが手入れがされておらず伸び放題でした。

 実はこの集落にはCGNスタッフのレナートの実家があり、そこでは約600本が手入れされて生育中です。レナートの父親は1990年からコーヒーの木を植え始め、少しずつ増やしていったそうです。

ここでも集落全体の問題は水不足。雨水をためて生活用水としているとのことでした。


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●サポアン集落Sapoanナルセブ集落Nalseb


 ハルセマ・ハイウエイからマムヨッドに行くのと同じ道を入り、三叉路を右手に入ってからしばらく行くとサポアン。その奥がナルセブです。サポアン、ナルセブとも世帯数は各約80軒。ナルセブは集落内の大きな面積をカトリックの修道院が保有しており、水源として森を保全しています。ナルセブのさらに奥にはラバイLabay集落があり、隣のボコッド町と接しています。

 ここでも多くの住民が裏庭で家庭用のコーヒーを育てているが手入れはされていません。バランガイ役員のモーセスさんの家には新旧約500本のコーヒーの木が栽培されています。昨年は20キロ程生豆を収穫できたそう。ほかにもナルセブ集落では数軒が同じくらいの本数を育てているとのこと。いままで、NGOや政府によるコーヒー関係のプロジェクトが行われたことはなく、住民もコーヒー栽培への関心は余り高くないとのこと。むしろトゥブライではちょっとしたブームになっているレモン栽培に関心を示しているようです。


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 「コーヒーは収穫後、生豆にするまでの作業がとてもたいへん。皮むき機などの機材もないし、あまり本数を増やしても、加工処理ができないかもしれません」とモーセスさん。


●アキキAkikiAquique)集落

 ナルセブへ行く道から支道を下ったところにある15軒ほどの集落です。CGNの元スタッフで現在双子を育てながら州庁舎で働くジョセリンの実家があります。標高が低いため、今回訪問した集落の中で唯一水不足問題がない集落でした。


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アキキ集落ではジョセリンのお母さんともう1軒が家庭用以上の量を収穫できるコーヒーの木を育てているそうです。それぞれ新旧の木を混ぜてそれぞれ500本ほどのコーヒーの木があるとのこと。

「毎年少しずつ苗木を植えているが、収穫後の杵と臼での作業が大変で、実ったチェリーをすべて収穫できないこともあります。皮むき器(デパルパー)がないのでトウモロコシの粉砕機を工夫して使っているが気を付けないと豆がつぶれてしまいます。いい機械がほしい。そうしたらもっとコーヒーの木を植えたいです」


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by cordillera-green | 2015-10-07 15:11 | コーヒー
2015年 09月 20日

トゥブライのコーヒー産地・ダクラン村とバアヤン村に行ってきました

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コーディリエラ・グリーン・ネットワーク(CGN)はバギオから約1時間のトゥブライ町で、コーヒーのアグロフォレストリー栽培プロジェクトを行っています。アンバサダー村コロス集落に加えて、昨年からはアンボンドラン村とマムヨッド集落でも開始しました。

トゥブライ町ではダクラン村やバアヤン村にもコーヒーの木があると聞いて、町の環境資源オフィスMENROのアブナーさんの案内で訪ねました。

ダクラン村でコーヒー栽培をしているのは、サヤタンSayatan, スヨックSuyoc, バンホBangho, ジャガオJiagao, プミアスPumias, コノコクConocog, ナムダンNamudanなどの集落だそうです。いずれの集落にも昔からコーヒー栽培をしている農家があり、20年以上前に植えたというコーヒーの木がありますが、伸び放題。古い木に加え、最近、コーヒーが収入源となると聞いて、新しく個人で植え始めている農家もあります。


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特にサヤタン集落は、国家緑化プログラムNGP(National Greening Program)の植樹事業で、環境資源省(DENR)からトゥブライ町に割り当てられた100ヘクタールの植林事業地のうち80ヘクタールが位置し、数年前から大々的にコーヒー栽培に乗り出しています。この5年で町の事業で植えられた苗木は36,000本(バアヤン村と合わせて56,000本)。以前からのコーヒーの木と合わせると数年後にはベンゲット有数のコーヒー豆の産地になるかもしれません。

コミュニティ管理の苗木場も作られていて18,000本の苗木を育苗中で、2017年までに移植する予定だそうです。切り花として販売用のアントリウム栽培をしている黒ネットをシェイドとして利用してコーヒー栽培している農家が見受けられました。トゥブライならではの栽培方法です。



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この辺りで古くから生えているコーヒーの品種はほとんどがティピカ。苗木作りの種も、もともとそこにある木からとっているのでティピカ種です。

サヤタン集落のコーヒー栽培農家のリーダー的存在はヴィーナさん。彼女の農園には7000本以上のコーヒー(以前からのもの2000本、新しく植えたもの5180本)が生育中です。息子の一人が日本で働いているとのことでたいへんな親日家。ご主人は他界し、子どもたちはいちばん下の小学生以外は町に出てしまって、二人暮らし。コーヒーの収穫は近所の子供たちを集めて手伝ってもらうとのこと。

とにかく収穫後の皮むきの作業が杵と臼でやらねばならずとても大変だそうです。水洗式で加工しているそうですが、乾季は水不足で水の確保が大きな問題だそうです。

サヤタンには最近、コーヒー栽培農家の団体Sayatan Coffee farmers Association(SACOFA)が設立され、DOLE(労働省)に登録済み。メンバーは108名の中心となっているのもヴィーナさん。MENROのアブナーさんいよると

「たいへんきちんと運営されています。ヴィーナさんのリーダーシップもすばらしい」

とのこと。


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お隣に住むベロニカさんはヴィーナさんの義理の妹さん。彼女の農園にはコーヒーとバナナを中心としたアグロフォレストリー農場で、コーヒーは約1500本を栽培中です。ミミズ堆肥やコンポストピットもあり有機農業をきちんと実践しています。サヤタンではヴィーナさんを含む5軒の農家がTOPFATublay Organic Practitioner Association)のメンバーとなり有機農業を実践しているそうです。


サヤタン村の中心はカパンガンに向かう幹線道路粗衣のバンホBangho集落です。バランガイ・ホールもバンホにあるそうです。幹線道路沿いに住むジェリーさん(男性)の裏庭にも古くからコーヒーの木がありました。本数はわからないが昨年は生豆で約50キロ分のチェリーを収穫したとのこと。ジェリーさんの家の近所のパシータPasitaさん(女性、77歳)の裏庭にもバランガイ・キャプテンだったご主人が植えたコーヒーの木が100本ほどあり、昨年は生豆で50キロ分を収穫したそうです。コーヒーが高値で取引されると聞いて、個人的に今年も息子さんが苗木を植えているそうです。

トゥブライ町は切り花栽培が盛んで、とくにアントリウムが人気です。日陰が必要なアントリウムを育てるためにアルヌスの木を育ててきていて、それがそのままコーヒーのシェイドツリーとして使えるそうです。


バアヤン村はサヤタン村からさらに奥に入ったところにあります。コーヒー栽培は隣接するバウィBawi集落とタカランTacalanで盛んだそうです。バウィの標高は1266m。


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バウィとタカランもサヤタン同様、国家緑化プログラム(NGP)の対象地。20ヘクタールに15000本のコーヒーの苗木を植樹中だそうです。

多くの家では自宅用のコーヒーの木を庭で栽培していますが、以前から販売用のコーヒーを栽培している農家も5軒ほどあります。バウィ集落でもっとも多くコーヒーの木を育てているのはエルシーさん。昨年の収穫は生豆で200キロ余。古い木に加え、今年もGDPで支給された苗木を1000本植樹したそうです。

収穫時には家族だけでは手が足りず、アルバイトを頼まなくては追いつかないそうで、昨収穫期にはなんと収穫物の50%をアルバイト賃として払わなければならなかったそうです。古いコーヒーの木が剪定や若返りなどの手入れがされておらず、とても背が高くなっていて収穫には木に登るか脚立を使わなくてはならず、そのため収穫はたいへんな重労働。収穫の50%とというたいへん高い割合を支払わなくてはならないそう。

「以前は20%くらいだったはず」

とアブナーさん。

コーヒーの木を育てているのは老人たちが多く、収穫できる木が増えるに従い、収穫期の労働力不足が大きな問題になっていくと思われます。

エルシ―さんはとても杵臼では追いつかず自分で隣町で作られた皮むき器(デパルパー)を購入して使っているそうです


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バウィ集落のお隣りタカラン集落でコーヒー苗木場の管理を中心になってやっているのはバランガイ役員。自宅近くに作った苗木場には8000本の苗木(ティピカ)を育苗中で、水やりなどを行っています。

「乾季の水不足が心配。水が不足すれば生活用水が優先で苗木にやる水はなくなる」

バランガイ役員の個人農園では約250本のコーヒーが生育中。新たに昨年から700本を植えたそう。


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アブナーさんによると

「トゥブライの水問題は深刻。一つは乾季の水不足。標高の高い地域ではどこも水が足りない。

もう一つの水問題は、鉱山で鉱物採掘後の精錬のために使われる薬品による水質汚染」


トゥブライ町のサントニーニョで80年代まで稼働していた鉱山開発会社は、精錬工場で使う大量の水を引くために約2キロのトンネルを掘ったそう。地下水脈の流れが変わったのか、それ以降、高地の水源は多くが枯れたといいます。

廃抗になって30年以上がたち、精錬工場跡は廃墟と化していますが、露天掘りで掘り出した土と薬品を混ぜた大きないコンクリートの池は今もそのまま。トンネルの入口はふさがれているものの工場があったところからは水が噴き出しています。鉱山会社から土地の所有権を取り戻したオーナーは

「スイミングプールを作りたい」。

すぐお隣の高地では水不足で苦しむ人がいるというのになんという皮肉でしょう。

鉱山跡地周辺は金が埋蔵されているため、違法な個人採掘は後を絶たず、水銀、化成シアン物などの劇薬の使用もあるそう。


たった10年しか稼働していなかったサント・ニーニョ鉱山ですが、環境に与えたダメージは恐ろしいものがあります。

30年たった今も遺された水問題は解決されるどころか深刻度を増しているように見受けられます。


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by cordillera-green | 2015-09-20 15:42 | コーヒー
2012年 03月 17日

アラビカ・コーヒー買い付けとローデスの日本行き

 日本でわかちあいプロジェクトから「KAPI TAKO」コーヒーとして販売しているコーディリエラ地方のアラビカ・コーヒー。収穫シーズンのピークを終え、CGNはフェアトレードによる買い付けを行っています。

 大会社の進出などもあり(詳細はこちら)、また、農民が植えつけた苗木の大半がまだ収穫に至っていないこと、マニラなどインスタントに代わってレギュラーコーヒーが一般的になり需要がますます増していることもあり、アラビカ・コーヒー生豆の価格は著しく上昇しています。世界基準のフェアトレード価格よりもこちらの市場価格のほうが50%近く高い状況なのですが、昨年始めた日本での販売によって、
「今まで聞いたことなかったけど、なかなかフィリピンのコーヒー、おいしいじゃない!」
とようやく口コミで評判が広がってきたところ。ぜひ、販売を継続していきたいと、わかちあいのプロジェクトの暖かなサポートで、今年も輸出をさせていただくいことになりました。

ベンゲット州アトック町カリキン村べレス集落のコーヒー農家の方たちから約500キロを買い付けました。
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WE21ジャパンとアグロフォレストリー事業実施中のコロス集落でも買い付けをしました。
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生姜と一緒に乾燥させています。
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ところで、コーヒーの買い付けと販売を担当していたローデスが、かつて学んでいたアジア学院(栃木県)でアシスタント・トレーナーとして働くことになり、3月11日にフィリピンを発ちました。
日本にいるCGNボランティアの皆さん、アジア学院に遊びに行ってあげてくださいね。

フィリピンでのコーヒーのご注文のお電話は新しい担当・リリーまでお願いいたします。
0928-342‐0719

日本国内でのご注文は
わかちあいプロジェクトまで
http://www.wakachiai.com/shop/coffee/index.html

by cordillera-green | 2012-03-17 11:41 | コーヒー
2011年 11月 29日

コーヒー栽培がバギオと先住民族の村の姿を変えるかも?

 数日間に、私も賛助会員にしてもらっている北ルソン日本人会(JANL)のメーリングリストのお知らせでこんな新聞記事の翻訳が送られてきました。

> いよいよジョンヘイコーヒーの誕生?! 
>
>
> 基地転換庁(BCDA)は、カナダ系のロッキー・マ
> ウンテン・アラビカ・コーヒー(RMACC)との間
> で、ベンゲット州バギオ市のジョン・ヘイ特別経済区内
> にある100 ヘクタールの土地の貸借契約を締結したと
> 発表した。RMACCは同用地にコーヒー農園を開設す
> る。
>  22 日付ビジネスミラーなどによると、RMACCはリ
> ースした用地に10 万本以上のコーヒーの木を植える計
> 画。同社はジョン・ヘイ特別経済区で別に60 ヘクター
> ルの農園用地を確保済みで、BCDAによると同社の経
> 済区内におけるコーヒー豆生産量は年間300 トンに上
> る見通しだ。生産されるコーヒー豆は高級アラビカ種
> で、「ジョン・ヘイ・コーヒー」のブランド名で販売さ
> れる。
>  RMACCは現在、ベンゲット州のほか、ミンダナオ
> 地方サランガニ州などで計256.5 ヘクタールのコーヒ
> ー農園を運営している。
>

 ロッキーマンテアラビカ・コーヒー会社(RMACC)は、5年くらい前からベンゲット州でアラビカ・コーヒーの栽培地を訪ね始め、買い付けのための交渉を始めていました。CGNが最初にコーヒーを植えたキブガン町にも、マニラのフィガロ・コーヒーの案内で来たと聞いていますが、当時はトン単位での供給ができる状態まで行っていおらずペンディング。その後、契約農家探しに奔走していたようですが、結局、キブガンの栽培農家の方たちは組合で会議を重ねたのち断ったと聞いています。
 その間も、RMACCはコーディリエラ地方のコーヒー栽培指導の中心であるベンゲット州国立大学(BSU)と提携し、昨年にはBSUのアグロフォレストリー農場にコーヒー加工の施設が完成しました。また、モデル農場で生産される1トン近いコーヒーの販売契約も結んだそうです。
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 大規模なコーヒー輸出を以前から計画していたRMACCは、コーディリエラ地方のコーヒー栽培農家がほとんどすべて小規模農家であることや道路事情のあまりの悪さに、農家と一軒ずつ栽培契約をすることをあきらめ気味なのかもしれません。ジョンヘイの広大な土地は、米国から返還された後、維持するだけでもかなりのコスト。基地転換庁にとっては、RMACCのアグロフォレストリー栽培で自然を残しながらコーヒーの栽培をするという申し出はまたとない話だったことでしょう。

 それにしても、バギオのど真ん中に位置するキャンプ・ジョン・ヘイをコーヒー農園にしようとは、大胆な思い付きです。全部で160ヘクタールというのは、250ヘクタールのジョンヘイの敷地の60%以上ということ。収穫期にはかなりの人手が必要なので、バギオの失業者からアルバイトを雇って、コーヒー果実を摘んだりすることになるのでしょうか? なんだか、今のジョンヘイのレクリエーション的なのんきな空気が変わりますね。

 ところで、記事にはそう書いていませんがアグロフォレストリー栽培なのですよね? まさかジョン・ヘイのシンボルの松林を切って、コーヒーにしちゃうってことはないですよね。RMACCは、環境保全とコミュニティ開発を信条としていて、BSUアグロフォレストリー農場に作った施設では、有機栽培、アグロフォレストリー栽培の方法などを解説していました。よろしくお願いしますね~~~!

 そういえば、1か月くらい前に借りている家の家主から、
「知り合いがコーヒー栽培のために100ヘクタールくらいの土地をコーディリエラで探しているが心当たりはないか?」
と聞かれました。私はきっぱりと
「100ヘクタールのまとまった土地を売る先住民族はいないと思いますよ」
と答えたのですが、もしかして、これからこんなコーヒー・ビジネスマンがコーディリエラ地方を闊歩するようになるのでしょうか? その時はきっぱり答えたものの、貧しい先住民族の人たちは、外国やマニラから大金片手にやってくるビジネスマンの誘いを断り続けることができるでしょうか?
 長い伝統の中で、先祖代々の土地だけは手放さないできた先住民族の人たちが、バギオの先住民であるイバロイ族のように土地を売り始めたら、古来の慣習を今も強く残しバランスを保ってきた文化自体が大きく変わっていくことになるかもしれません。

 CGNは先住民族の生計の向上のためのアグロフォレストリー栽培によるアラビカ・コーヒー栽培の指導を2003年から行ってきました。あくまでも、先住民族がその生活環境や伝統を守りながら、現金収入を得ていけるのが基本です。
 バギオの雇用を生む大規模コーヒー会社の進出も歓迎ですが、CGNとしてはコミュニティに根差した小規模栽培農家のためのきめ細かいコーヒー栽培指導を行っていきたいと思っています。


以下は、11月22日のマニラ・スタンダード紙。内容は上の翻訳とほぼ同じです。


Canadian firm planting coffee trees in John Hay
Manila Standard Today
Nov 22,2011

by Julito G. Rada

STATE-RUN Bases Conversion and Development Authority has signed an agro-forestry management agreement with a Canadian company, which may turn the John Hay Special Economic Zone into a major producer of world-class coffee in the near future, the BCDA said in a statement Monday.

The agreement with Rocky Mountain Arabica Coffee Co. was signed on Oct. 24 by BCDA president and chief executive Arnel Paciano Casanova, John Hay Management Corp. chairman Silvestre Afable Jr., JHMC president and chief executive Jamie Eloise Manzano-Agbayani and Rocky Mountain president Pierre Yves Cote.

Under the agreement, the Canadian company will plant at least 100,000 trees of the high-quality Arabica coffee covering about 100 hectares within Camp John Hay. This is in addition to 60 hectares leased earlier by Rocky Mountain from the Camp John Hay Development Corp., a private company developing John Hay.

Rocky Mountain expects to harvest some 300,000 kilograms of premium coffee yearly from its John Hay plantation. The premium coffee will be marketed as “John Hay Coffee.”

Casanova said Rocky Mountain’s entry into Camp John Hay would help enhance the facility’s lush foliage and generate a source of livelihood for the village folk.

“This agreement will augur well for the people of Baguio as this will generate employment and at the same time put Baguio City in the map for producing high-quality coffee,” Casanova said.

Agbayani said Rocky Mountain’s agro-forestry venture would complement and improve the environment and ecosystem of the pine forest within the reservation.

Rocky Mountain has existing plantations in Tuba, Benguet covering 16.5 hectares with 21,000 trees; Kiamba, Sarangani Province, 100 hectares; Kitanlad, Libona, Bukidnon, 100 hectares; and Marayon, Talakag, Bukidnon, 40 hectares.

JHMC is one of the BCDA’s subsidiaries tasked to oversee the transformation of the former US military camp into a special economic zone with minimum intervention to the area’s ecosystem.

by cordillera-green | 2011-11-29 19:03 | コーヒー
2011年 09月 10日

WE21コーヒーの森プロジェクト モニタリングツアー

 WE21ジャパンの方たちがトゥブライ郡アンバサダー村コロス集落で行っているコーヒーのアグロフォレストリー事業の視察にいらっしゃいましたが、大型台風MINAが北ルソンを襲い、コロス集落への道が閉鎖。肝心な事業地への視察は断念さざるを得ませんでしたが、なかなかいつものモニタリングツアーでは時間をさけない、バギオ市やトリニダードでのコーヒーの市場調査や、有機でのコーヒー栽培に取り入れていきたい行政による木酢液事業の現場などを視察する機会に恵まれました。トゥブライ町長とのミーティングもゆったりじっくりで、充実した時間を過ごすことができました。

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↑霧で煙るSMのカフェ・フィガロ
フィリピン産のコーヒーのフェアトレード販売も勧めている
フィリピンベースのコーヒーショップの老舗です。

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↑こちら目抜き通りPorta VagaビルにあるCafe Garcia
焙煎コーヒーブームに乗って、市場にあるコーヒー豆やの出店です。
コーヒー豆のクオリティについての知識がまだ生産者や卸業者に行きわたっていないので、
いろいろなコーヒー豆が混じってしまっているのが残念。
値段は安いですが、味はいまいち。

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↑こちらは、カテドラル前のシスター経営の有機野菜ショップ。
ここでも、いろいろなコミュニティで生産されたアラビカコーヒーのパックが売られています。
もちろんCGNのKAPI TAKOコーヒーもp販売中。

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↑市場の中にあるKAPE UMALI。さすがコーヒー好きが多いバギオの市場。
日が暮れてもお客が途絶えません。

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↑こちらはトリニダードのCafe Marineg。
仲良しのクリスティんが経営する小さなカフェ。オーガニックフードと、手作りハム&ソーセージ、そしておいしいコーディリエラ産のコーヒーを出しています。コーヒー栽培・加工のセミナーもやっていて、コーディリエラコーヒー界を引っ張る存在です。

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↑フィリピン各地のコーヒーのパッケージも展示されていて、ミニコーヒー博物館みたい!?

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↑手作りケーキも食べられます

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↑トゥブライ町役場を訪問。パオアイ町長さんとも地元産コーヒーを飲みながら歓談


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↑雨風の中、トリニダードの木酢&堆肥施設の見学にも行きました。

by cordillera-green | 2011-09-10 16:48 | コーヒー
2011年 06月 17日

コーディリエラ地方のコーヒーいよいよ日本で発売開始

 コーディリエラ・グリーン・ネットワーク(CGN)は、2004年から植林事業にアグロフォレストリー(森林農法)によるアラビカ・コーヒーの栽培を、山岳地方の山の村で行なってきました。 
アグロフォレストリーとは、アグリカルチャー(農業)とフォレストリー(林業)を合体させた造語。さまざまな樹木を混ぜて植え、その合間に作物の栽培や家畜の飼育を行なうというものです。熱帯林を切り払って、単一の商品作物を大量生産するプランテーション型の農業では、森林破壊を引き起こすばかりでなく、病虫害が起きやすく、持続可能な農業が難しいことになります。もともと熱帯雨林が持っている生物多様性にならって、なるべく多彩な生物の生育を組み合わせるという考え方がアグロフォレストリーです。

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    ↑コーヒーの発芽

 森林破壊がすさまじいスピードで進むコーディリエラ地方では、森林再生と森林破壊を食い止めるための方策として、当地に栽培条件が適しているアラビカ・コーヒーのアグロフォレストリー栽培が農業省などによって10年ほど前から紹介され始めました。アラビカ・コーヒーは直射日光では育ちにくく、適度な日陰が必要とされています。その性質が、まさにアグロフォレストリーにうってつけで、森林保全と先住民族の暮らしの向上という二つの目的を一度に達成できる画期的な事業として開始されたのです。ベンゲット州国立大学(BSU)が積極的に技術指導を行い、現在までにたくさんのアラビカ・コーヒーの木がベンゲット州を中心とするコーディリエラ地方に植えられています。

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 ↑コーヒーを飲むカリンガ族のおばあちゃん photo by Ruel Bimuyag
 
 もともと、コーディリエラ地方の人々にはコーヒーを飲む習慣があります。低地ではルブスタ種。ベンゲット州のような高地ではリベリカ種(フィリピンではバラコと呼ばれています)というコーヒーが、裏庭に数本植えられ、家族で朝の一杯、農作業の合間の一杯を楽しむために栽培されてきました。だからコーヒー栽培は、先住民族の人々にとってはもともと馴染みの深いものだったのです。
 それを、換金作物として栽培しようというのがコーディリエラ地方で勧められているコーヒー・プロジェクトです。最も香りが高く、世界の市場の75%を占めているアラビカ種が標高700m以上の高地での栽培に適しているということで、主にアラビカ種のコーヒーの栽培がすすめられています。

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  ↑キブガンの生産者団体「Sagpat young Farmers Organization」のメンバー

 CGNでは、いままでたくさんのコミュニティで、アグロフォレストリー事業を森林再生事業に加えてきました。全く森林が失われてはげ山となっている地域ではカリエンドラなどの豆科の成長の早い木をシェードツリー(日影を作る木)としてまず植え、アラビカ・コーヒーをその間に植えることを基本としています。森林が残っている地域では、森林の中にアラビカ・コーヒーの木を植えるという方法も行なってきました。
 CGNでは、今までにベンゲット州、イフガオ州、マウンテン州でアラビカ・コーヒーのアグロフォレストリー事業を行なってきました。CGNが行なったいちばん最初のコーヒー栽培事業は、2004年のキブガン町のサグパット・バランガイ(村)でのものです。日本の環境団体・キープ協会(山梨県清里)と一緒に実施した大規模な森林再生事業の一部として、試験的に6000本のコーヒーの木を植えました。

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  ↑キブガンの山

 キブガン町はたいへん急な岩質の山々に囲まれた山間部の小さな貧しい村で、その傾斜地の木を切り払ってサヨテ(はやとうり)の棚を作り、多くの人がその収穫によって収入を得ていました。しかし、サヨテの実は重く傾斜地での農作業が過酷なうえ、供給過多により価格が低く(1キロ1ペソということもありました)、さらに単一作物栽培によって病気がはやっていました。サヨテに代わる収入源の農産物を、ということで、アラビカ・コーヒーの栽培を勧めることにしたわけです。
 かといって、サヨテの棚をすべて取り払って一気にコーヒーに植え替えるのでは、コーヒーが実をつけるまでの3-5年間、住民達の収入が失われてしまいます。そこでシェードツリーの代わりにサヨテのツル棚の日陰を利用しようと、サヨテとコーヒーを同時に育てることにしました。

  
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    ↑サヨテのツル棚の下で育つコーヒー

 さて、そのサヨテのツル棚の下で育ったコーヒーがいよいよ実をつけ、市場に登場です。CGNでは、「種からカップまで」を合言葉に、コーヒーによる収入がきちんと先住民族の栽培農家の生活の助けになるように、販売のお手伝いもすることにしました。日本のフェアトレードNGO「わかちあいプロジェクト」が、私達のプロジェクトへの協力を申し出てくれ、まだフェアトレード認証も取れていない“ヒヨッコ”コーヒーを、他のさまざまな国からのフェアトレード・コーヒーと同じように日本に輸入し販売してくれることになりました。今回はキブガン町のコーヒーに加え、ベンゲット州ツブライ町、アトック町のコーヒーも一緒に輸入してくださいました。

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 ↑昨年10月に台風被災地でWE21ジャパンで開始した事業でもコーヒーを植えていきます。まずはシェードツリーのカリエンドラを植樹。

 はじめての輸出でいろいろと手続きに手間取ったものの、先日、そのコーヒーが日本に無事到着。さっそく、わかちあいプロジェクトのホームページで販売が開始されました。
 コーヒーの名前は「KAPI TAKO」(カピ・タコ)。コーディリエラ地方の山岳民族のひとつ、カンカナイ族の言葉で「コーヒーを飲みましょう!」という意味です。バギオ市やベンゲット州、マウンテン州の村を一度でも訪れたことのある方は、きっと村の気のいいおばちゃんたちに

「KAPI TAKO!」(コーヒーを飲んで行きなよ!)

と声をかけられたことがあるのではないでしょうか?

「KAPI TAKO」コーヒーぜひ一度お試しください!
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わかちあいプロジェクトでの販売方法は2種類です。
〇焙煎したコーヒー(250g入り。粉と豆をお選びいただけます)800円
セット販売となります。合計3袋、6袋、12袋、24袋のいずれかお選びください。
詳細は、わかちあいプロジェクトのHPをご覧ください。
http://www.wakachiai.com/shop/coffee/index.html

〇生豆での販売 50kg入り麻袋 42,000円(送料込み)
地域の焙煎やさんでお気に入りに焙煎してもらい、オリジナルコーヒーとしてカフェやレストラン、あるいは独自のパッケージとして販売いただくことができます。
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KAPI TAKOコーヒーについての詳しい紹介は、わかちあいプロジェクトのHPで。
http://www.wakachiai.com/information/2011/2011_6_1.html

ご注文はこのページから。
http://www.wakachiai.com/shop/coffee/index.html

どうぞよろしくお願いいたします。
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     ↑カダクラン村アシュレイさんの家のコーヒーの実

by cordillera-green | 2011-06-17 10:52 | コーヒー