Cordillera Green Network ブログ

cordillera.exblog.jp
ブログトップ

CGN主催の2015年夏スタディツアー 世界遺産の棚田の村でホームステイ! 

b0128901_16575558.jpg

山岳民族の家に泊まろう!


~フィリピン世界遺産の棚田とイフガオ伝統文化体験の旅~

≪マニラ集合・解散≫



[日程] 2015811日(火)~819日(水)≪89日≫


[
集合] 8/11マニラ・ニノイ・アキノ空港 13:00集合

※フライトの到着時間、また、マニラ、フィリピン国内から参加の場合は集合場所のご相談に応じます。


[
対象] 環境保全や農業、伝統文化に関心のある学生または社会人


[訪問
] ルソン島北部 コーディリエラ地方:イフガオ州ハパオ&バナウェ、ベンゲット州バギオ



今や世界でも有数の先進国である日本に暮らす私たちにとって、

本来私たちが持つべきコミュニティとの「つながり」を感じる機会というのは

減ってきているのではないでしょうか?

私たちが今回訪問するフィリピン・ルソン島北部は標高2000m級の山岳地方で

そこに暮らす山岳民族の人々は現在も森の恵みの恩恵を受け、美しい棚田で稲を育て、

自然と寄り添う暮らしをしています。

彼らはコミュニティでは何よりも「家族」の幸せを考え、

「物」は少なくても笑顔と豊かな文化で満ち溢れ、

自然や村の人々とのつながりを大切にして生活をしています。

私たち環境NGO「コーディリエラ・グリーン・ネットワーク」 (Cordillera Green Network=CGN)は

山岳地方の自然保護と先住民の暮らしの向上となるよう、

植林やコーヒーを栽培し、環境教育、奨学金制度などを行っています。

この旅では、ホームステイをしながら農業や植林を実際に体験することで、

山岳民族の暮らしを身近に感じる機会を提供します。

また、イフガオ族伝統の木彫りワークショップを行い、

山岳民族伝統の手仕事を体験していただきます。


この旅を通して、今一度自らの生活を振り返り、

「幸せ」のものさしについて考えるきっかけにしてみてはいかがでしょうか?



ツアーの日程

1日目:
1300マニラ集合 空港までワゴン車でお出迎え。バギオへ出発
2000 バギオのゲストハウスTALA到着、夕食後CGN代表・反町真理子によるオリエンテーション(環境NGOCGN」による活動紹介、ツアーに期待すること・学びたいことについてシェアリング)

宿泊:バギオ-ゲストハウス


2日目: 朝食後、貸切りジプニーでバナウェへ出発(67時間)
到着後、コーディリエラ博物館・バナウェ博物館見学
夜 ゲストハウス内のレストランで夕食

宿泊:バナウェ-ゲストハウス

3日目: 早朝ハパオへ向けて出発(1時間)
到着後、イフガオ族伝統の木彫り体験教室(初心者向けの小物を作成します)
午後 ハパオの温泉(世界遺産の棚田の中を歩いて約1時間)
※水着着用
夜 ゲストハウスにて夕食

宿泊:ハパオ-ゲストハウス

4日目:
朝食後、ホームステイ先へ移動 (山の中を歩いて約45)
ホームステイ先のホストファミリーと顔合わせ後、お昼は村の人たちを呼んでウェルカムパーティ(山岳地方伝統の鶏料理を食します)
夜 ホームステイ先で食事

宿泊:ハパオ-ホームステイ

5日目: 終日ホームステイ先の家族と生活体験
*午前~午後 ホームステイ先の家族と農業体験等
*夜 収穫したお米と野菜等で料理体験(薪で火を焚くところから行います)

宿泊:ハパオ-ホームステイ

6日目: 朝食後、バギオへ出発(8時間)
夕食後 振り返りミーティング(イフガオ体験に関して)

宿泊:バギオ-ゲストハウス



7日目:
CGNの植林事業への参加

(ベンゲット州 トゥブライ町 貸切りジプニーで約1時間半~2時間)

夕方から自由行動

宿泊:バギオ-ゲストハウス

8日目; 朝食後 貸切りワゴン車でマニラへ向けて出発 

宿泊:マニラ-ゲストハウス

9日目: 日本へ帰国 あるいは マニラで解散

b0128901_17232384.jpg

[服装]

長ズボン・・・動きやすいアウトドア用のズボン推奨

ジャンパー・・・朝と夜は冷え込む場合があります。ウォータープルーフの物推奨

運動靴・・・整備されていない道をハイキングします

バッグ・・・(例)バックパック+小さめのバッグ

※棚田の中を歩くためスーツケースは持参できません

水着・・・滝や温泉に行く際に必要です

カッパ・・・雨具は必需品です


[
参加申し込み方法]

cordi.travel@gmail.com

CGNスタディツアー担当(加藤)まで

お名前

性別

年齢

所属(学校名、学部もしくは会社名)

連絡先(emailアドレス)

参加する理由を一言メッセージ

を記載して上記Eメールまでお送りください。

質問・相談も常時受け付けていますので、お気軽にご連絡下さい。


[
参加締切日] 630()まで


[
参加費]

日本から参加の方:84,000
フィリピンから参加の方:31,000ペソ
1円=2.7ペソ(2015510日現在)
※航空チケット購入と海外保険加入
(必須)は、別途個々で行ってください。

尚、2万円~3万円分(目安)を上記の参加費とは別に持参して下さい。自由行動の際や、お土産購入の際に必要となります。


※バギオから参加ご希望の方はご相談ください。

b0128901_17302171.jpg


[
参加費のお振込み方法]


≪日本から参加の場合≫

ゆうちょ銀行

支店名:019店(ゼロイチキュウ)

口座種類:当座

口座番号:0051319

口座名:コーディリエラ・グリーン・ネットワーク


≪フィリピン国内から参加の場合≫

Bank:Bank of the Philippines Islands(BPI)

Branch:Baguio- Session

Type:Saving

Account Number:0573305876

Name of the account:Cordillera Green Network Inc


※参加費のお振込みは76()までにお願いいたします

・お申し込み後のキャンセル料金に関して

旅行開始日から30日前以前・・・旅行代金の20

旅行開始日から2週間~29日前・・・30

旅行開始日から2日~13日前・・・40

旅行開始日前日、当日・・・50

無連絡不参加・・・100



コーディリエラ・グリーン・ネットワークのホームページはこちら

バギオでの宿泊先、ゲストハウスTALAのホームページはこちら



[PR]
# by cordillera-green | 2015-05-17 17:10 | スタディツアー

コーディリエラ・グリーン奨学金プログラム:今年も8人の奨学生が卒業しました。


b0128901_13140260.jpg
コーディリエラ・グリーン・ネットワークの先住民族の大学生を対象としたグリーン奨学金。今年も8人の奨学生が卒業しました。里親の皆様、4年間のサポート、どうもありがとうございました。

●ベンゲット州立大学
ジュン・ウィン・インガアンJun Win Inga-an(初等教育学部)
アルマ・ダイソAlma Dayso(初等教育学部)
イサベル・ダーウィンIsabel Darwin(初等教育学部)

●カリンガ・アパヤオ州国立大学
サンシャイン・エテル・アガヤオSunshine Ethel Agyao(ホテル&レストラン・マネージメント学部)
マリルー・ジャシントMarilou Jacinto(犯罪学部)

●北ルソン国立大学
バレリー・ラタワンValerie Lataoan(産業教育学部)

b0128901_13112118.jpg


●タブック・セントルイス大学
ベリンダ・バルナオBelinda Balnao(教育学部)

●カガヤン州国立大学
ジョイス・ロンギッドJoyce Longid(獣医学部)

ベンゲット州国立大学を卒業したジュン・ウインは優秀学生として表彰されました。おめでとうございます。



[PR]
# by cordillera-green | 2015-04-30 12:50 | 奨学金

JICA青年海外協力隊50周年記念映画「クロスロード」バギオとイフガオで撮影

b0128901_12124157.jpg
今年は青年海外協力隊(JOCV:Japan Overseas Cooperation Volunteers)の50周年記念の年に当たるそうです。1965年ラオスへの初派遣から始まった青年海外協力隊事業は、発足以来約50年間で88カ国(アジア、アフリカ、中東、中南米、大洋州、東欧)へ、計40,035名(2015年(平成27年)1月31日現在)の隊員を派遣しているのだそう。
多くのOB,OGたちが帰国後もその経験を活かして国際協力分野はもちろんのこと、社会の様々な分野でその経験を活かして活躍しています。
コーディリエラ・グリーン・ネットワーク(CGN)にもフィリピンに赴任中の協力隊員をはじめ、OB/OGたちが頻繁に訪れます。CGNのインターンとして協力隊での経験を海外生活に生かしたいという若者もいます。

今回の映画製作は帰国隊員たちで構成されているJOCA(Japan Overseas Cooperative Association=青年海外協力協会)http://www.joca.or.jp/about/が50周年を盛大に祝おうと企画したものです。協力隊員をテーマとしたシナリオを一般から募集し大賞をもとにして映画「クロスロード」の制作が決まりました。

映画の主役は3人のフィリピンに派遣された協力隊員たちです。フィリピンロケの舞台になったのはイフガオ州マヨヤオの世界遺産の棚田、そしてバギオ市(当初はマニラのスラムの予定でした)。3人が「ボランティアとは何か?」「真の社会貢献とは?」と葛藤しながら、地域の人との距離を縮め、かけがえのない経験を積んでいく姿を描いています。
ロケ地がコーディリエラ・グリーン・ネットワークの活動地域である山岳地方の棚田ということで、撮影コーディネイトのお仕事がCGNに舞い込みました。今年4月の頭からの3週間近く、日本からの俳優陣、撮影隊など25名とフィリピン人俳優、スタッフ総勢約50名の大所帯で撮影を行いました。
b0128901_12134166.jpg
b0128901_12150375.jpg
フィリピンロケに参加した協力隊役の3人にはEXILEの黒木啓司、渡辺大、TAOという豪華なメンバー。そしてフィリピン側の主役はコスプレの世界では大スターのアローディアです。監督はアメリカで日系人をテーマとしたドキュメンタリーなども撮っているすずきじゅんいち監督、撮影は百戦錬磨の長田勇市さん。そのほか、映画撮影のプロたちが大挙してフィリピン入りです。

フィリピンの、しかも山の村や田舎町での撮影は、当然、日本と同じというわけにはいかず、また、様々なアクシデントに見舞われ、反町の日々はめまぐるしいばかりでしたが、終わりよければすべてよし!あとは映画の完成を待つばかりです。
公開は11月。公式ホームページもいよいよスタートし、撮影日誌なども徐々にアップされていくようですのでお楽しみに。
「クロスロード」公式ホームページ

b0128901_12163429.jpg

撮影裏話も語りつくせないくらいありますが、公開が近づいてからまとめます!

[PR]
# by cordillera-green | 2015-04-30 11:58 | アート

春休みを利用して高校生の短期インターンAYAKAがやってきました

 春休みを利用して私の実家のある静岡から女子高生AYAKAが短期インターンとしてやってきました。孤児院ステイから山の子供たちとの環境教育ワークショップまで、目まぐるしい1週間の滞在。すべてが驚きと刺激だったみたいなAYAKAのフレッシュな感想ブログ。読んでみてください~!



[PR]
# by cordillera-green | 2015-04-20 20:17 | スタディツアー

NEC世界こども自然クラブに山の村の子供たちと参加しました

b0128901_11522425.jpg
CGN設立当初からの力強いサポーターでありパートナーであるキープ協会(山梨県)の環境教育部から「NEC世界こども自然クラブ」という環境教育×国際交流×ITプログラムにフィリピン代表として参加しないかとお誘いを受けました。
アジアの5つの国がそれぞれの国で小学校高学年の子供たち約10人を対象に環境教育ワークショップを行い、その経験をSKYPEミーティングで子供たちがシェアしあうというプログラムです。
2008年に日本とマレーシアの2ケ国で始まった「世界こども自然クラブ」。2012年には台湾が加わり、昨年は中国が参加。今年はフィリピンを加えた5地域で実施されました。
b0128901_11504635.jpg
マレーシアはサバの熱帯雨林発見センター(Rainforest Discovery Center)、台湾は「観樹教育基金会」、中国は「NGO天下渓」、日本はもちろんキープ協会、そしてフィリピンはCGNと、日ごろから環境教育を行っているNGOが各国の代表となりました。
今年の各国共通のテーマは「米」。コーディリエラ山岳地方は棚田での稲作で有名で、農業カレンダーに準じた儀礼や祭り、風習も数多く残っていて、米作りはまさに山岳地方の先住民の暮らしそのものともいえます。
山岳地方では近年都市型の暮らしが浸透していき、田んぼを現金収入の得やすい野菜畑に転換する人々が後を絶ちません。また、昔ながらの棚田で稲作は続けていても赤米や紫米などの昔ながらの品種の栽培をやめ、品種改良された早く育ち効率のいい米を育てる人が多くなっています。

b0128901_11520187.jpg
しかし、米作りの伝統文化には、自然を観察し、自然に生きるあらゆる生き物のバランスを尊び、そしてその底知れぬ力に畏怖の念を抱く先住民ならでは知恵がちりばめられています。
CGNは「世界こども自然クラブ」の環境教育ワークショップに参加する子供たちを、町の文化が急速に押し寄せ伝統文化が存続の危機に瀕しているバギオから5時間くらいの小さな山の村トゥアTUEの小学生たちにしました。トゥアにはバナウェの有名な世界遺産の棚田のような勇壮な景観はありませんが、先祖代々大事に守られてきたなだらかな棚田が連なります。当たり前に稲作と米文化とともに育ってきた子供たちが自分たちの米文化の豊かさ、そしてそれを育んでいる山岳地方の自然の豊かさに気づいてもらいたいというのがこの「NEC世界こども自然クラブの環境教育ワークショップの目的です。
b0128901_11525011.jpg

本当はトゥアでワークショップをやり、村の田んぼの景色や伝統文化をリアルにインターネットの向こう側のアジアの子供たちに伝えたかったのですが、インターネットが入らないこと、セブやマニラからスポンサーである」NECの関係者の方がいらしてくれるということで、アクセスのいいバギオ市のエコ施設「メリノール・エコロジカル・サンクチュアリ」を会場としました。

環境教育プログラムはCGNが得意とするアートを活用した環境教育の手法を駆使して展開しました。泥絵具を使って田んぼのあるトゥアの風景と田んぼの生き物の絵を描いてもらったり、田んぼで鳥追いに使う笛を葦で作ったり、田んぼの害鳥を追い払うための伝統儀礼「BEWEW」を演劇で表現したり。もちろん「WEB OF LIFE」などのエコゲーム、メリノールの「COSMIC JOURNEY」という野外施設散策も、NECの関連会社からわざわざお休みを取ってボランティアでできてくれた広瀬さんが抹茶を点てて子供たちに茶菓子とともに味あわせてくれたり、伝統のもち米のお菓子作りに挑戦もしました。NECフィリピンの社長アグネスさんはインターネットの可能性についてITになじみのない山の子供たちにわかりやすく説明してくれたり、充実の3日間の泊りがけプログラムとなりました。

b0128901_11511529.jpg

さて、昼間のプログラムを終えての夕方からのSKYPEミーティング。壁に映されたビデオの中の子供たちと会話ができるという事実は山の村の子供たちを大きく驚かせました。「マレーシアが、日本がまるで壁の向こう側にあるかのようだ」と子供たちの感想です。
3日目の最終日には5つの参加国で同時にSKYPEミーティングをしました。各国言葉もバラバラ、回線も繋がったりつながらなかったり…決してスムーズにいったとはいえないかもしれませんが、そのこと自体が経験です。言葉の違い、顔の違い、文化の違い、感覚の違い。そんなことまでインターネットで経験できて、でも、やっぱり会って話せたらもっと確実で楽しいだろうなあ。そんなことを子供たちが感じてくれて、世界中の人とつながって感じあいたいという将来の夢につなげてくれたらいいと思います。
b0128901_11464581.jpg

以下、参加した10人の子供たちの感想です。

ダンダン君「「もし、山が燃えてしまったら、人もその他の生物のための食料もなくなってしまうことがわかった」

ハーマン君「フィリピンにはすっかりいなくなってしまったが、日本にはまだシカがいる!」

サロメ君「技術の進歩により、僕らは他の国のことをとても身近に目にすることができる」
「草から(楽器を作って)音を出すのは楽しかった。とくにそれを稲を守るときに使うのは楽しい」

シルベスター君「こういった活動に初めて参加した。土が作物を植えるだけに役立つのではなく、絵の具にもなることを知った。また、演ずることは、まるで鳥になるかのようだった」

ハーマン君「大地の色は青かったり、茶色だったりした。木を切ると土砂崩れが起こるとことを学んだ」「地球の4つのエレメント(太陽、空気、水、土)が生き残るために必要なのだ」

ダンラルフ君「車が増えると水や空気が汚れ、公害が起こるとわかった(井戸の水が枯れると、公害が起こるということに気付いた)」
「自然のすべてはつながっている。一つが死んでしまったら、ほかのものに影響する。一つがなくなったら、自然のバランスが崩れてしまう」
「フライドチキンのような形のもの[歯科に食べられた松ぼっくり]を見せてくれた。日本の自然は面白い!」

ジェフェインちゃん「太陽が光の源であり、また人の生命の源でもあることを学んだ」

ジョアス君「“WEB OF LIFE”のアクティビティから、この世のすべてはお互いに必要としていることを学んだ」

オディー君「サガイポという楽器を作るが楽しかった」

マリアちゃん「絵を描くために土を探すのは簡単だ。そこにあるものだしお金もかからない。それに環境も壊さない」
「もし木がなくなったら、鳥もいなくなってしまうね。」

スポンサーのNEC、そして仕切り役のキープ協会のみなさま、とても素敵な機会をほんとうにありがとうございました。
b0128901_11501524.jpg


(写真*広瀬稔さん)

[PR]
# by cordillera-green | 2015-04-18 11:30 | 環境教育

虹のかかる村・アンボンドランでの植林プロジェクト1年目を終了しました。

b0128901_18231343.jpg
イオン環境財団から助成をいただいたCGNの植林プロジェクト。2014年度はバギオから車で約2時間のベンゲット州トゥブライ町アンボンドラン村で実施しました。アンボンドランはイバロイ族の言葉で「虹のかかるところ」という意味だそう。カパンガン町との境に近い小さな村で、まだ森や美しい渓谷の残るところですが、森林破壊が進行していて乾季には水不足になることもあるそう。ほとんどが野菜畑に転換してしまっているもののまだわずかに残っている田んぼに水を供給するためにも水源林の保全と回復が大事と、村人と町役場が一つになって共有林とそれぞれの私有地に植林を行いました。
村人たちが自らの意思で育てる森とするため、アグロフォレストリー(森林農法)によるアラビカ・コーヒー栽培を指導し、緑化とともに森から収入が得られ、村人たちの暮らしの助けになる森づくりプロジェクトとしました。
b0128901_18244468.jpg

○アグロフォレストリー(森林農法)による水源林の再生と保全
29633本の苗木を購入し、事業の受益者である住民団体「Citizen for Ambongdolan for the revitalization of the Environment(CARE)」メンバーとメンバー以外の住民を指導して植樹を終えた。内訳はナラ8,973本、ベンゲット松7,986本、アルノス3,541本、コーヒー9,163本。毎月最終金曜日を「植樹の日」と定め、コーディリエラ・グリーン・ネットワーク(CGN)のスタッフやボランティアも参加して、6 ヘクタールの共有水源地への植樹を完了した。共有水源地に植樹したのは、3,500本のコーヒーと2500本のベンゲット松の苗木である。残りの苗木はCAREの26名の受益者とアンボンドラン小学校に配布し、合計約10ヘクタールに植樹に適した雨季(6-9月)に植樹を完了した。2015年3月現在の植樹地のモニタリングでの調査によると、コーヒーの苗木はほぼ全部が順調に生育中、ベンゲット松は例年に比べ乾季の到来が早かった影響で30%ほどが枯死。ナラは約15%が枯死した。乾季中にナラの葉はほどんどが落葉した。

○苗木場の設置
トゥブライ町自治体環境課、アンボンドラン村、受益者団体「CARE」と協議の上、既存の苗木場を拡張し有効利用することとした。資材の提供と苗木作りの指導をCGNの担当スタッフの森林専門官が行い、4500本の苗木の生育を開始した。生育後、枯死した苗木の植え替え、自主的な植樹地の拡張などに使用される予定である。
b0128901_18271056.jpg

○研修旅行と講習会の開催(2回)
以下の内容で実施した。
① 2014年6月13日 ベンゲット州コロス集落26名のCAREのメンバーとトゥブライ町自治体職員3名が参加し、コロス集落のアグロフォレストリーによるコーヒー栽培のモデル農場を訪問し、2グループに分かれ、コロス集落の農民リーダーであるダミーロ夫妻による研修を受けた。苗木作りと育成に役立つミミズ堆肥の作り方、苗木育成・管理に有効な簡易な木酢液採取施設の作り方などを実践を交えて指導した。また、コーヒーとアルノスなどの木に加え、そのほかの果樹などの樹種やサトイモ、サツマイモなどの換金作物を混栽したアグロフォレストリー(森林農法)のモデル農場を実際に見学し、事業地のそれぞれの植樹地における栽培計画を立てた。また、インドネシアにおけるコーヒー栽培のメンテナンス方法のビデオを鑑賞し、移植後の植樹地におけるメンテナンスの実際を指導した。    
②2015年1月30日&31日 ベンゲット州ラ・トリニダード町ベンゲット州国立大学(BSU)アグロフォレストリー・モデル農場ベンゲット州国立大学(BSU)教授のバレンティン・マカネス教授を講師に迎え、植樹したコーヒーの苗木の病気・害虫対策、生育後の木の若返り、剪定などのメンテナンス方法を指導した。受益者団体「CARE」とアンボンドラン村の住民リーダーの計12名が参加した。

○小学生対象の環境教育(2回)
環境保全の重要性を伝え、水源林保護の意味を学んでもらい、植林に対する意識と意欲の向上を目的としてアンボンドラン内の二つの小学校で環境教育ワークショップを開催した。
① 2014年7月25日 アンボンドラン小学校森林の役割、植樹した森の生育のプロセスなどを学ぶ体験型ワークショップを開催。地球の危機的環境状況をわかりやすくアニメで表現したビデオ「タートル・ワールド」も上映。3-6年生の19人と教員が参加した。
② 2015年3月21日 ランビス・プライマリー・スクールアンボンドラン小学校の分校で山中にあるあるランビス・プライマリー・スクール(幼稚園と小学校1-3生のみの学校)で野外自然教室を開催した。13人の児童、9人の父兄、1名の教員が参加し、森の中を歩きながらアクティビティを行った。2回のワークショップとも、サステナブル・アカデミー・ジャパンの野外教室指導者養成講座を修了したフィリピン人ファシリテイターが指導に当たった。 

○環境メッセージ入りの看板の制作と設置受益者である「CARE」メンバー全員(26名)から環境保全を伝えるスローガンを募集し、その中から3つを選考し、事業紹介(事業名、事業地域、助成団体と実施団体の名前を記載)の看板に加えた。事業終了後も住民たちが環境保全の意識を持ち続け、自主的に植樹地の管理、メンテナンスを継続することを期待して村内4か所に設置した。
b0128901_19065420.jpg

[PR]
# by cordillera-green | 2015-03-31 18:42 | 植林/アグロフォレストリー

梅田哲也と山の村カヤン・キッズたちのパフォーマンス「Composite」


b0128901_10413807.jpg

コーディリエラ・グリーン・ネットワーク(CGN)はフィールドワークの植林などをメインとした環境NGOなのですが、環境教育にアートを取り入れていること、代表の反町が日本人であることなどから、国際交流基金のフィリピンにおけるアートプロジェクトをはじめとし、日本人アーティストがフィリピンでワークショップや公演、創作活動をするお手伝いをする機会が増えています。
新進のマルチな現代美術家、梅田哲也さんが国際交流基金主催のアートプロジェクト「Media Art Kitchen」でやりきれなかったパフォーマンス・アート・プロジェクトを、国際交流基金のマニラ日本文化センターの三富さんの協力でコーディリエラ地方の山の村でやりたいとのことで、2014年10月マウンテン州のカヤン村で子供たちを対象に1週間の音とパフォーマンスのワークショップを開催し、最終日に村の小学校の校庭で村人たちに披露しました。その一部始終を渡辺寿岳さんがビデオに収め、音の記録を西川文章さんが行いました。

b0128901_10423428.jpg

インターネットもないのどかな山の村の空き家に民泊し、村のおばちゃんたちにご飯を作ってもらい、警戒心いっぱいの子どもたちになんだか教えているのか、教えられているのかわからないワークショップをしてきた梅田組ですが、村の人が話している民族の言葉の響きや、村に伝わるお話や、そのお話を伝える語り部のおばあちゃんや、山の幸のご飯とそれをみんなと食べるというスタイルもお気に召してくれたようで、2月に再訪したいとのこと。そして今度は、ワークショップで作ったパフォーマンスを大都会・マニラのフィリピン大学の「Composite」というイベントで公演するということになりました。

b0128901_10434721.jpg

ピタゴラスイッチでおなじみのアルゴリズムたいそうみたいに、梅田君の案内での子供たちのパフォーマンスは一人一人の動きはシンプルですが、グループで動くと不思議な調和が生まれます。歌(?)もしかり。単純な言葉の繰り返しですが輪唱のように繰り返し繰り返し声が重ねられて、大きくて静かな渦が生まれます。システマティックで無機的な動きや声のように見えますが、演じているのが山の村を駆け回って育った生気に満ちたキッズたち。だからこそ、そのエネルギーが際立って澄み切った空間が創出されました。

b0128901_10465300.jpg

ダンスといえば民族舞踊かヒップホップと思っていた子供たちはワークショップのはじめのころは「なにこれ??」って感じだったみたいですが、そのうちにお互いの動きや声を感じながら大きな輪の一部である心地よさにゆったりと身を任せ、本番では素晴らしいパフォーマンスを披露してくれました。

ワークショップをやった山の村・カヤンからバギオまで5時間。そしてバギオからマニラまで7時間。2日がかりの車での大移動は、ほとんどの子供たちにとって初めての経験で、出発10分でほぼ全員がゲロゲロ状態。子供たちの旅の一部始終を映像に収めようと目論んでいた梅田組もそれどころでなくなり、ゲロゲロキッズたちのケアにおろおろ。梅田君は、アーティストの顔からすっかり子供らの父さんお兄さんの顔に代わってマニラ入り。
フィリピン大学デリマン校のキャンパスでの公演はナショナル・アーティストのラモン・サントスの新作との対バンで周囲はちょいと緊張気味なものの、子供たちは自分たちの力で堂々と素晴らしいパフォーマンスを見せてくれました。

b0128901_10450597.jpg

パフォーマンス後の宿泊先のホステルでの夕食の席で、子供たちは梅田組に感謝の自作の歌を歌ってくれました。サイコーに照れ屋の梅田君、もうどうしていいかわからなくなっちゃったと思いますが、キッズたちとの水面下での連携プレー、見事でした。
言葉少なですが、歌と動きと心で動いた10日間の旅がどんな映像になるかとても楽しみです。

b0128901_10455164.jpg

b0128901_10353983.jpg
b0128901_10493609.jpg

[PR]
# by cordillera-green | 2015-02-28 10:18 | アート

Aanak di Kabilingan(アナク・ディ・カビリガン)「黒い犬 Fugtong」You Tube

2014年5月に公演をさせていただいたTIUシアターがビデオを編集してYou TUbeにアップしてくれました。
まったく演劇ワークショップ・プロジェクト関係の映像記録をとっていないので大変ありがたいです。


[PR]
# by cordillera-green | 2014-10-20 22:36 | アート

アナク・デ・カビリガンの辿ってきた道。マカティでの公演!

b0128901_14284349.jpg
 コーディリエラ・グリーン・ネットワーク(CGN)の活動は多岐にわたっていますが、今や看板事業といえるのが、演劇をツールとした環境教育です。環境教育の手法は、ファシリテイターが参加者や目的やその場の雰囲気などによっていろいろな手法を編み出していくもので、ゲームや歌やネイチャーアートなどを使った手法を、世界中の環境教育に携わる人たちが実践しています。でも、演劇を手法に取り入れている人は意外に少ないらしく、インターネットで「演劇」「環境教育」などで検索してフィリピンの田舎町で地味に活動しているCGNを訪ねてくれるという人もこのところ増えています。

 

 演劇ワークショップを環境教育に取り入れようという試みは、CGNが設立された2001年以降間もなく始まっています。設立メンバーの一人が舞台演出家で、当時バギオやその周辺で、おそるおそる始めた環境教育プログラム(当時は「アース・エデュケーション」なんて呼んでいましたっけ)でネタ切れして困ったときに、その舞台演出家に頼んで演劇ワークショップをやったのが最初だったと思います。たった3日間くらいで、全く演劇の経験のない若者たちがみるみる変わって堂々と演技しているのを見て驚いた記憶があります。単発でいくつかの村の環境教育プログラムの中で演劇ワークショップを行い、どこでもたいへん好評で、また、できた作品を村の人や学校の人に見せることで、ワークショップに参加した人以外にも波及効果があって、少しずつCGNのおすすめ環境教育プログラムとして実施数を増やしていきました。でも、始めた当初は日本のパートナー団体の人からなどは、”「演劇」と「環境教育」は結びつかないなあ……”などと理解を得にくい面もありました。


 コーディリエラ山岳地方の先住民族コミュニティでは、今でも伝統の唄や踊りを伝えているところが多くあります。職業として民族楽器演奏者などプロの音楽家がいるわけではなく、コーディリエラ地方の音楽はコミュニティの人たち誰もが輪になって参加するものです。また、チャンティング(朗誦というのかしら?)と呼ばれる唄も、シチュエーションによって(たとえば祝いの席とか)基本の旋律は決まっているものの、歌詞はそれぞれ即興でつけていくことが多くあります。先住民の人たちは民族ごとに異なるそれぞれの音楽や踊りを誇りとしていて、コミュニティでの冠婚葬祭などの儀式で、若い人たちも自然に村に伝わる唄や踊りを身につけていきます。

 そんな先住民族の村で若者向けに行う演劇ワークショップですから、あっというまに参加者たちはすばらしいアクターに変貌します。歌や踊りに合わせて体を動かすのは得意中の得意、子供の時に大人たちから聞いた民話や伝説を思い出して即興で身体や言葉で表現するのも、とても楽しそうにやすやすとこなしていきます。なんにもない(ときには電気さえない)先住民族の村で、環境教育の手法を模索する中で「身体一つでできるから!」とはじめてみた演劇ワークショップでしたが、先住民の人たちのタレントを活かし、コミュニティで埋もれつつあった物語(民話)を発掘し、そしてなんでも共有する先住民族コミュニティの中で“密室”教育でなくて、成果をだれにでもシェアできるというぴったりの手法だったわけです。


 CGNでは2007年から本格的に演劇ワークショップをメインとした環境教育事業を立ち上げています。演劇はバギオでは、ごく一部の大学で盛んなだけで、一般にはほとんどなじみのない芸術活動です。バギオには多目的のコンベンションセンターがあるだけで、劇場もありません。当時、市民劇団はひとつもなく(今は一つあります)、指導できる人も知りませんでした。2007年に本格的に立ち上げた演劇を使った環境教育プログラムのために、演劇の経験のある人がいると聞けば会いに行って、「先住民族のコミュニティでワークショップをやってくれないか」とお願いしてきました。コーディリエラ地方の6つある州それぞれで一つずつパイロット・コミュニティを選び、指導者を派遣し、環境問題をテーマとした演劇ワークショップを開催してもらいました。そして、その成果を鑑賞しあい、共有しあい、また、新たな環境問題に対する知識を得る場として「コーディリエラ・ユース・エコ・サミット」という環境イベントを企画しました。

 

b0128901_14352807.jpg
第一回の「コーディリエラ・ユース・エコサミット」が開催されたのは2007年の12月、バギオ・コンベンション・センターにおいてです。コミュニティでワークショップをしてくれた指導者たちがPETA(フィリピン教育演劇協会)でトレーニングを受けた人が多かったせいか、「なんだかいつも同じようなステレオタイプの作品が多いな」と思っていたこともあり、いろいろな演劇のあり方を紹介し、教育や社会問題解決の手段として演劇の活用を考えられないかと、日本から「プレイバックシアター羅針盤」と音楽ユニットKURIをゲストとして招待しました。また、キープ協会の桶本隆男氏による「開発と環境問題」、湊秋作氏による「環境教育」についての講演も行いました。


b0128901_15040509.jpg
2回は20091月、イフガオ州マヨヤオとカリンガ州ルブアガンで開催しました。環境と音楽をテーマして活動していた愛知県のNGO「環音」と連携し、山本公成氏(ミュージシャン)、OTOさん(ミュージシャン)、正木ラビさん(環境活動家)、直井保彦さん(写真家)&恵さん、小向定君(ミュージシャン)、JUN AMANTOさん(ダンサー)、そして環音代表の広田奈津子さんとたくさんの素敵なゲストの方たちが参加してくれて、演劇にとどまらず、環境とアートをテーマとしたイベントとなりました。

b0128901_14335917.jpg
b0128901_15005367.jpg

 2009年度は元燐光群の演出家・吉田智久氏、バギオ出身の舞台女優のレイ・バキリンさんもファシリテイター陣に加わって6州で巡回環境演劇ワークショップ「エコ・キャラバン」を実施しました。まとめとしての第3回のユース・エコサミットを、20101月、ベンゲット州マンカヤンのレパント鉱山とアブラ州バンゲッドのディバイン・カレッジで開催。日本からは再び大阪からダンサーのJUN AMANTOさん、イスラエル在のコンテンポラリー・ダンサーの河原田隆徳さん&ゾーハさん、音楽を使った子供の教育のNGO「コンソメWパンチ」が参加してくれました。

 2010年の夏休みにはレパント鉱山で、それまで各地で開催ワークショップに参加したいろいろな民族の若者たちを集めた10日間のワークショップ・キャンプを開催。メイベル・バトン氏、マジョリー・アミストソ氏、エドガー・バナサン氏、若手演出家アンジェロ・アウレリオ氏、JUN AMANTO氏、吉田智久氏と、CGNが誇る強力なるファシリテイター・チームで、プログラムを実施しました。そのワークショップの成果の発表は、レパント鉱山とマウンテン州タジャン・ルボン村にて行われました。また追加公演で、201012月にイフガオ州フンドゥアン町ハパオ村の世界遺産の棚田で行った「平和と環境のためのアート・プロジェクト」でも発表を行いました。



b0128901_14344449.jpg

 そして、その10日間サマー環境演劇ワークショップ・キャンプに参加したメンバーからの16人を伴って、2011年に5月には震災後まもない日本ツアーを実施。山梨県で環境教育ワークショップやエコアートフェスへ参加、愛知県の劇場での公演、愛知県立大学、東海高校訪問などを通して、日本の若者との交流を図りました。

  また、2013年からは、フィリピンの学校の唯一の長い休暇である夏休み(46月)を利用した、さまざまな民族の若者が集う合宿性のワークショップも再開。海外での経験も豊富な演劇教育のファシリテイター、花崎攝さんにも指導チームに加わっていただき、演劇を環境教育に生かすための新しい手法を学んでいます。


             ‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘

 最初の「コーディリエラ・ユース・エコサミット」の演劇発表部門のタイトルとして掲げたのが「アナク・デ・カビリガンAanak di Kabiligan」。先住民族の一つカンカナイ族の言葉で「山の子供たち」を意味します。いろいろな民族の若者たち、子供たちが集うからということで単純につけた名前でしたが、その後は、CGNがコミュニティで行った環境演劇ワークショップに参加した若者たちのことを呼ぶようになり、2011年の日本ツアーの時のいろいろな民族のユースによるグループの名前も「アナク・デ・カビリガン」としました。メンバーが固定されているわけでなく、その都度、参加者は違うのですが、「CGNのコミュニティシアターワークショップに参加した先住民の若者」という条件でゆるくつながっているグループです。

 ワークショップ参加時はコミュニティのハイスクール(中学)に通っていた「アナク・デ・カビリガン」のメンバーたちですが、最初に演劇ワークショップを始めてから10年近くがたっており、「アナク(子供)」から青少年に、そして、次世代を育てる大人に成長しつつあります。


b0128901_15393397.jpg
 ベンゲット州カバヤンで行った初期の演劇ワークショップに11歳で参加したナタリンはまもなく20歳。(写真前から二人目)いまは、バギオの大学でマスコミを専攻する個性的な大学生に成長し、将来はメディアを使って人々に様々なメッセージを伝える仕事をしたいと夢見ています。最初に参加したワークショップですっかり演劇のとりこになってしまったナタリンは、CGNが主催してきたその後の「アナク・デ・カビリガン」の演劇ワークショップに皆勤賞。今回のマカティでの公演では見事におばあさん役をこなすまでになりました。


b0128901_15164670.jpg

 2009年度のレパント鉱山でのワークショップに参加したロジャーは、早くも今年大学を卒業。在学中も時間を見つけてCGNの演劇を活用したワークショップでアシスタントなどを数多く勤めてくれました。大学を首席で卒業しただけでなく、コミュニティでの社会貢献が評価され、コーディリエラ地方の最優秀学生10人の一人に選ばれました。表彰式に唯一人、ふんどし姿で参列している様子はローカルニュース番組でも盛んに報道されていました。



b0128901_15393896.jpg

 2009年度、山奥深いカリンガ州バルバラン村で吉田智久氏のファシリテイとした演劇ワークショップに参加したカートは、カガヤン州ツゲガラオの大学で日本語を専攻し、日本語の先生になることを目指しています。在籍する大学には日本人の先生が二人もいるそうで、久々に会ったら流暢な日本語であいさつされて驚きました。12時間もかかる本当に遠い田舎から、アナク・デ・カビリガンのワークショップに何度も参加してくれているうちに、すばらしい集中力でアクターとしてどんどん成長。マカティの公演ではセリフは全部吠え声という主役の犬を存在感たっぷりに演じました。


 そのほか、コミュニティでのワークショップに何度も参加し演劇が大好きになった「アナク・デ・カビリガン」のメンバーの多くは、今、大学で教育学を専攻し、将来、それぞれのコミュニティで先生になることを目指しています。家が貧しく大学に通えそうもない6人のアナク・デ・カビリガンの学生には、彼らの活動に何らかの形で触れる機会のあった日本の人たちにお願いし、CGNの「コーディリエラ・グリーン奨学金プログラム」を通じて里親になってもらっています。


 10年近くも継続してきたCGNの演劇ワークショップですが、今までマニラで発表する機会がありませんでした。今回、日本の舞踏グループ「ケイ・タケイ・ムービングアース・オリエント・スフィア」と劇団「黒テント」による「西遊記のアジア」公演にお邪魔する形で、マカティに新しくオープンする(仮オープン中)TIUシアターで公演の機会をいただいたのは降ってわいたようなお話でした。


b0128901_15120963.jpg

 4月の終わりの花崎攝さんとアンジェロ・アウレリオ氏を講師とし、マウンテン州サバンガンで行った「アナク・デ・カビリガン」のワークショップ(りそなアジアオセアニア財団助成)に参加した若者たちが、TIUシアターのステージに立ちました。マカティでの公演を前提のワークショップでなかったため、作品制作に費やした時間はワークショップ最終日の3時間ほど。マカティで発表を行えることが確定し、バギオに再集合して1日半、そしてマニラに到着してから1日。たったそれだけの練習でしたが、メンバーたちは実に堂々とステージの上で輝いていました。いつの間にやらすっかり大人になってしまったステージ上の彼らを見て、以前のように「失敗しないかしら??」と、ひやひやドキドキ、胃が痛くなるような思いをすることもなく、落ち着いて信頼たっぷりに彼らの演技を見ることができました。


b0128901_14433508.jpg

 10年目を迎えるアナク・デ・カビリガン。メンバーたちがこれから次々と社会に出ていくことを想定して、よきコミュニティ・リーダーとして成長してくれるようにと、ワークショップでもファシリテイター養成の要素を少しずつ加え始めています。グルーバル化の波の中で、そして発展めざましいアジア経済の中で、豊富な自然資源を擁するコーディリエラ山岳地方の先住民族コミュニティに資源開発の誘惑の手が伸び始めています。お金による「豊かさ」と引き換えに、彼らが古来、受け継いできた自然資源、伝統文化、人と人とのつながりという「真の豊かさ」を失うことのないよう、コミュニティの人々が昔から続けてきたように、集い、情報を交換し、話し合い、納得して判断を下していくために、アナク・デ・カビリガンのメンバーたちのさまざまな経験が大きな力になってくれることと信じています。

b0128901_14551166.jpg


 


[PR]
# by cordillera-green | 2014-06-14 15:59 | 環境イベント

夏休み、環境演劇ワークショップ3連発!

b0128901_23414627.jpg
 ただいま、フィリピンは夏真っ盛り。

 ただでさえ3ヵ月とめちゃ長い夏休みが、今年は政府の方針で学校の年度の開始を世界基準(?)に合わせて8月にしたいということで、なんと例年より2ヵ月長い5カ月の夏休み。おいおい、1年の半分が休みですよ。大学生の長男は夏期講習と日本語家庭教師で寝不足気味、長女は5月末のバレエ・リサイタルために毎日レッスンに加え、夏休みの特別バレエ教室の初心者教室のアシスタントでバイトで超多忙。。ハイスクール出たばかりの次男は、ヒマを持て余しております。。。 やれやれまだ3ヵ月ある夏休み。。どうしましょうか。


 さて、家庭ではもてあましているこの5カ月のながああああい休暇ですが、コーディリエラ・グリーン・ネットワーク(CGN)としては

「じっくりと環境教育に使わない手はない!」

と、、3つのコミュニティで、子供たちとユースを対象とした「演劇を活用した環境教育プログラム」(りそなアジア・オセアニア財団助成)を開催しました。


 まずは、カリンガ州ティガラヤン町での環境教育ワークショップ。

町内にある15のバランガイ(村)の7つのトライブ(部族)のハイスクールの学生の参加者を募り、地域の民話と環境問題をテーマとした演劇とボディワークのワークショップを行いました。講師はCGNおなじみのアンジェロ・アウレリオに加え、大阪からダンサーのJUN AMONTO氏が忙しい時間を割いて参加してくださいました。さまざまな民族の参加者が持ち寄った民話は奇想天外、興味津々。アンジェロ氏によるワークショップではそれらの民話をベースにした演劇作品作りに加え、身近な環境問題をテーマとした即興会話劇を制作しました。

 

b0128901_23503470.jpg


 また、ティガラヤンではバギオとマニラのアーティストたちがファシリテイターとをして、ルプルパ小学校とバンガッド小学校という二つのコミュニティの小学校で生徒を対象に3つのビジュアル・アートを活用した環境ワークショップを各校3日ずつ開催しました。

 

ソイル・ペインティング 

b0128901_00361224.jpg



ゴッズ・アイ

b0128901_23381304.jpg



マスク・メイキング

b0128901_00412176.jpg


 

 ワークショップで制作した演劇作品と、アート作品は、ティガラヤン町のお祭り「UNOY Festival」と、同時開催されたアースデイ会場で発表しました。

b0128901_23353561.jpg

 ワークショップ第二弾は、マウンテン州サバンガン町での、山岳地方のさまざまな民族のユースを対象とした環境演劇ワークショップ。日本から演劇ファシリテイターで舞台演出家、舞台女優としても活躍する花崎攝氏が来比してくださり、アンジェロ・アウレリオ氏とともに、参加者の地域のユースが抱える社会問題をテーマとしたフォーラム・シアター、日本の水俣病のドキュメンタリー・ビデオをみてのその感想を詩作と寸劇、先住民が伝えてきた森や森に宿る精霊、野菜動物などを扱った民話をベースとした演劇制作など、手法を使った環境をテーマとした演劇ワークショップを行いました。ユースたちがそれぞれの故郷であるコミュニティで、環境・社会問題解決のために演劇を活用してくれることを目的としたプログラムです。

b0128901_23244102.jpg

b0128901_23524897.jpg

b0128901_23235691.jpg


ユースたちが二組に分かれて制作した民話をベースとした作品は、最終日の夜にコミュニティ住民たちを招待して発表しました。

https://www.youtube.com/watch?v=pi1TI4pUkEM

b0128901_23211280.jpg
b0128901_23220416.jpg

普段は会う機会もほとんどない、さまざまな民族が情報を交換し、ふれあい、共同し、演劇を通して友情をはぐくみ、民族間のわだたまりを取り除き、連帯を強める大変いい機会となりました。

b0128901_23200408.jpg


 夏休み環境演劇ワークショップの第三弾は、世界遺産の棚田のあるイフガオ州キアガン町で、NCCA(国家文化芸術協議会)がサポートしている「スクール・オブ・リビング・トラディション」(SLT)の子供たちを対象としました。サバンガンでのワークショップに参加したユースのうち5名を選抜し、ユース・ファシリテイターとしてワークショップの指導を担当してもらい、花崎氏、アンジェロ氏とともに指導を担当してもらいました。ユースリーダーたちは実に堂々としたファシリテイトぶりで、将来、コーディリエラ山岳地方で彼らが子供たちを引っ張っていくエコリーダーとして活躍する姿が鮮明にイメージできました。


b0128901_23094287.jpg
b0128901_00180485.jpg
 このプログラムは、当初は開催地は1ヵ所で、各民族の若者を集めたワークショップと開催地の地域の若者を対象としたワークショップを同時開催する予定ででしたが、複数のファシリテイターが共同して一つのグループを指導することにより内容の充実を図ることができるということ、そして、多くのコミュニティから夏休み中に子どもたちを対象としたワークショップを開催してほしいという依頼を受け、かなり欲張って3ヵ所での開催としました。

 3カ所それぞれで、民族、自然、文化、風習が違うながらも、ファシリテイターの導きで参加者の子供やユースがその地域の自然や伝統を自ら再発見し、考え、その問題の本質を見極め、話し合い、解決に向けて前向きに取り組む、いいワークョップとなりました。次代を担う新しいファシリテイターの育成にも焦点を当てたとことで、1回限りの環境教育プログラムでなく、地域に広がっていくプログラムとなったと思います。

b0128901_00171536.jpg


 それにしても、驚き、感動したのは、それぞれのワークショップに参加した子供たち&ユースたちのすばらしいエネルギーです。それぞれ最低3日間という長いワークショップでしたが、子供たちは実にすばらしい集中力で参加してくれました。二つとないオリジナルのアイデアが次々と生み出され、学んだばかりの手法で形となって表現されていくことに、圧倒されました。

 

 それぞれのワークショップで制作した作品は、ワークショップの最後に地域の人などを対象に発表を行いましたが、その集大成として、サバンガンで各民族のユースがワークショップで制作した「FUGTONG」を、5月31日(土)にマニラで行われる「アジアの西遊記」公演の一部として発表できることになりました。

 

b0128901_23251588.jpg


「アジアの西遊記」はフィリピンと演劇を通した交流を長年続けている黒テントと、ケイタケイ・ムービング・アースの方たちによるダンス・シアター公演です。マニラにも行ったことのほとんどない先住民のユースたちが、いきなりプロの方たちと同じステージに立たせていただくという光栄です。

 

 


[PR]
# by cordillera-green | 2014-05-14 01:01 | 環境教育